見出し画像

8万円の人間ドックをお得だと思えた理由

アラサー以上の女性向けの記事です。ボリュームが大きいです。あしからず。

 30才を過ぎて、妊娠出産の話を聞く機会が増えたと同時に、婦人科系器官を患った友人の話を聞く機会も増えました。半年前には31才の知人が子宮筋腫の手術。2ヶ月前には35才の友人が卵巣の病気で入院手術。そして、8月は私。20代の時に働いていた会社は、スタッフがほとんど女性。当時30代の上司たちが、婦人科系疾患で入院をするのを近くで見ていました。だから、なんとなく、自分にもそういう時期が来るんだろうなと思っていました。私は、中学・高校時代が女子校で、仕事でも接するのはほとんど女性。女性の知り合いが多いからこそ、知る話。今回の話は、女性なら誰でも起こりうる婦人科系疾患が発覚して、入院手術をした34才女性の記録です。

 そもそも今回のことは、香港移住を前に念のため、人間ドックに行って体をチェックしておこうと思ったのが始まり。人間ドックというと、もっと年齢が上の人が行くようなイメージがあったのですが、北斗晶さんや小林麻央さんの癌の報道で行ってみようという勇気が出ました。半年間くらい、生理の1週間前に不正出血が起こるのも気になっていたところ。いろんな婦人科に行って「問題なし」と言われていたのですが、それでも不安でした。昔から生理痛がかなり重く、動けなくなるほどで担架で運ばれたことも何度もあります。インターネットでいろんな病気の情報を調べたのですが、所詮素人。どれも確証はありません。具体的に、体の中で何が起きているか知りたくなりました。特に子宮など婦人科系機能は、妊娠にも関わる大事なものだから。

【人間ドックを選んだワケ】

 人間ドックと健康診断は何が違うのか。両者とも「現在の健康状態をチェックして、異常に関する早期発見」という目的は同じ。違いとしては、健康診断は、検査項目が人間ドックより少なく、何らかの病気を特定するものではないそうです。
 対して、人間ドックは目的に合わせてプランを選択でき、検査項目を増やすことができる。つまり、自分が不安におもうところを徹底的に調べられるのがメリット。肺とか胃とか、不安に感じるパーツがあるならば、全身の健康診断を何度も受けるより人間ドックの方が原因究明に繋がる可能性が高くなるのです。私の場合は、子宮で何が起きているか知りたかった。他にも、全身を綿密にチェックして各機能に問題がないかをチェックしたかったので、人間ドックを選びました。

 おまけですが、健診と検診という言葉も似ているようで意味が違います。「健診」は健康診断、「検診」は特定の病気にかかっているかを調べる検査。人間ドックでは「検診」ですね。

【気になるお値段】

 人間ドックの良さがわかっていても、受けるのに勇気が必要な理由。それは、人間ドックが高額だから。

 とりあえず、情報を集めようということで、幾つかめぼしいところを探した後、「ヘルチェック」という人間ドック専門施設に絞りました。理由は行きやすい場所にあること。そして、女性患者限定という施設があったから。ヘルチェックのファーストプレイス横浜に電話予約をすると、検査ができるのは1ヶ月後ということ。「翌週には検査できるでしょう」と高を括っていたのですが、甘かったです。ご予約はお早めに。プランは、基本の日帰り人間ドック(4万7500円)にレディースドック(3万5000円)を追加。しめて8万2500円也。支払い時には「ぐぬぬ…。やはり高い。」と思っていたのが、1か月後、まさか「人間ドック最高!」に変わるとはこの時は思ってもみなかったのです。

【人間ドックに行ってみた】

 伺った施設は明るく、清潔感があり、平日にもかかわらず、多くの患者で賑わっていました。企業の健康診断もやっているのか、人間ドックを受けるにしては若めの20代らしき患者もいました。女性のための検診センターは、スタッフも患者も、全員女性ということで安心。薄いピンクの検診用の服(シャツとパンツ)に着替えて、アクセサリーは全てはずしてロッカーへ。更衣室にはメイクルームなどもあり、設備が充実。恵比寿のヨガスタジオにでも来たかのような感じといったら少しイメージできるかな。

 所用時間は3時間くらい。待ち時間があるとわかっていたので、本を持参。それが、経済流通ジャーナリスト 故金子哲雄氏の『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』でした。41歳という若さで余命告知を受けてから闘病の記録、そして、ニュースにもなった自分のお葬式のプロデュースをした金子氏。奥様や仕事関係者の方の思いも書かれてあり、人生についてとても考えさせられる良い本。本の中で、金子氏が体調の悪化に気づきながらも「きっと大丈夫だろう」と仕事を優先、奥様に促されて病院にいったら、余命を宣告されるといった内容もあり、少しの変化でも早めに病院に行こうと心に留めました。「早めに人間ドックに来てよかったんだ。」と思いながら、検査と検査のスキマ時間に読み進めていきました。

 「余命宣告をされた方の手記」を、人間ドックの待ち時間に読むということは、少し縁起が悪いかもしれません。しかし、思い返せば、この時期にダイエットとは違った健康や病気にまつわる本ばかり読んでいました。無自覚に自分の体調のことが不安で、そういった本を選んでいたのかもしれないですね。

【私が受けた人間ドックの内容】

 前日にインターネット上で健康チェックをするところからスタート。今時はオンラインなんだなと感心。

 当日の検査は、身体測定 (身長・体重・BMI・体脂肪率・腹囲) から始まり、眼科検査 ・聴力検査 ・大腸検査 ・肝機能検査 ・膵機能検査 ・脂質検査 ・梅毒検査 ・糖尿病検査 ・尿酸検査・一般血液検査・その他の血液検査 ・循環器系検査 血圧・眼底・心電図 ・呼吸器系検査 胸部X線 ・肺機能検査・超音波検査・消化器系検査……とフルコース!これにオプションの婦人科検診。婦人科検診は、マンモグラフィー検査・乳房超音波検査・子宮頸がん検査・婦人科超音波検査。子宮頸がん検査は半年前にしたけれど、念のため。

 とても効率的で、流れるように検査が進んでいきます。バリウムを飲むのが辛いのとマンモグラフィー検査が痛かったくらいで、特にストレスはなかったです。全部の検査が終わったあとに、紅茶と小さなクッキーが出てきて、それでバリウムとマンモグラフィーの嫌な思い出は6割くらい空に飛んでいきました。単純(笑)

 会社員だった時は、会社のおかげで定期的に健康診断を受けさせてもらえていましたが、個人になってからは意識をしないと、忙しさにかまけて健康診断を後回しにしがち。人間ドックを受けるだけでも、気持ちがラクになりました。わからないというのが、不安の一番の原因で、不安というのは放っておくとドンドン大きくなっていきます。人間ドックを受けるだけで安心した私は、引っ越し準備をしながら、結果のことなんてわすれたように暮らしていました。

【検査結果に愕然……】

 それから2週間、検査結果が封書で届きました。

私が心配性なだけで、意外と体に問題はないんだろうなと、楽観的に封を開けて、飛び込んできたのは「要精密検査」の文字。

「嘘やろ……。香港に行かなきゃいけないのにどうしよう。癌とかだったらどうしよう……。とりあえずヘルチェックに電話して下さいと書いてあるから電話しよう」

ここから先は

5,634字 / 3画像
この記事のみ ¥ 150

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?