ディッグ・A

ニンジャヘッズ。最近は忙しさにかまけて停滞気味。 サンダーバードで情操教育された結果、…

ディッグ・A

ニンジャヘッズ。最近は忙しさにかまけて停滞気味。 サンダーバードで情操教育された結果、SF好き、エログロやや苦手。 HPラヴクラフトの愚痴がすき。「ウィアードテイルズの表紙は美女のおっぱいをでっかくすることばかりに一生懸命じゃないか!(意訳)」

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    思いついたこと。見た夢の書き起こし。あるいは習作。

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  • 近未来建築診断士 播磨

    SFが実現し過去になった時代。先端技術が陳腐化しても人の住まいは問題だらけ。建築SF小説。

  • 弱きをたすけ強きをくじく

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近未来建築診断士 播磨 -人工知能との世間話-

近未来建築診断士 播磨幕間 『人工知能との世間話』 ◆   自宅兼事務所のワンルームで書類に埋もれながら、ARグラスに流れていく計算を見る。診断によって得られた建物の構造体データを、汎用サービスAIジニアスが解析しているのだ。  利用者へのサービスとして表示される計算式の群れを2割ほど理解しながら、ふとジニアスのエンブレムを見た。本とペンを乗せた天秤がゆらゆらと揺れるそのエンブレムを見ていると、むかしからの疑問に思い当たった。 「そういえば、フリーダム事件のこと。あん

    • エルデンリングについて根拠のない妄想を垂れ流す

      もういくつ寝るとフロムソフトウェアに手によるアクションロールプレイングゲーム、エルデンリングのダウンロードコンテンツことShadow of Erdtreeが発売になります。2024年6月21日発売。 以前、フロムゲーは考古学としても楽しめるという記事を書いたような気がしますが、今回はその続編。ゲームとしてトロコンを楽しむだけでも250時間くらい費やしましたが、考古学的に楽しむとなるともっとです。その追加要素が来る。 つまり、いまある本編の謎に加えて新たな謎が増えるというこ

      • 逆噴射小説大賞応募作品を完成させてみた

        去る2023年10月に開催され、12月に結果が発表された逆噴射小説大賞。 「面白い小説の冒頭800字」 その完成度を競い合うこの催しに自分も参加させていただきました。 結果は入賞も出来なかったのですが、このたびその作品を完成させました。1万字程度の短編として 無数の銃弾Vol.08 逆噴射小説大賞前回覇者しゅげんじゃ氏ほか、同大賞の参加者による短編小説を集めたパルプ雑誌。こちらに掲載頂きました。 8巻目とありますが、掲載作13作の多くが短編読み切りですので 「8

        • もう食べられないだろう汁なし担々麺への思いが昂ったので綴る

           思い出がある。ぼくが大好きだった汁なし担々麺のことだ。  麺が細い。昔懐かしい冷やし中華みたいに微かに縮れつつ、弾力よりも歯切れの良さがある細い麺だった。  痺れる麻も食味を損なわない程度。舌先がちょっと麻痺してきたかな? と感じる頃合いで辛さにかわる。  水菜とパクチーは少量だが適量。シャキシャキと触感を楽しみ、葉野菜の香りをそれとなく味わえる程度。  そしてひき肉とナッツの甘辛餡。この甘辛さ加減がほんとうに優しく、主張しすぎない。  全体の量がちょっと少なめなのも絶妙

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          城攻め先で偶然の再会をした

           あけましておめでとうございます。  本年も街を歩いたり、面白いお話を考えたり、楽しいお話に触れたり、城攻めしたり、美味しいものを食べたりしながら楽しく過ごしましょうね。  さて大河ドラマといえば自分にとっては一昨年の鎌倉殿が印象に残っています。中でも序盤のちょっとした壁にして主人公の兄替わりであり年上の友人ってかんじの風情のあの方。  そう、上総介広常です。  ふだん実写ドラマをあまり見ないんですが、佐藤浩市氏の広常はビジュアルが最高でしたね。展開が辛くて視聴をドロップ

          城攻め先で偶然の再会をした

          [パンとソーセージ、絵本] #パルプアドベントカレンダー2023

          ■  火に呑まれていく凧を捨て、冬空へと飛び出した。燃料に引火した凧はあっという間に火だるまになって落ちていく。  明日からどう生きて行くんだ。偵察兵が凧を失って、どうすればいい?  白銀の冬山の間へと落ちていく最中、真っ先に思ったのはそんなこと。いま助かるかも、まだわからないというのに。  山の中腹で炎がいくつも光る。温泉旅館組合の建物上にずらりと並んだ石弓が次々に火矢を放ち、周囲の空気を貫いていく。火の粉が辺りを舞い飛び、曇り空の下が明るくなった。  次の瞬間、

          [パンとソーセージ、絵本] #パルプアドベントカレンダー2023

          大阪行ってきた

          ■生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2023  逆噴射小説大賞2023期間中にディスコードチャンネルにてお伺いした催し物。興味を惹かれて調べたらまぁ面白そうなこと!  いまも使い続けられている建築物。その普段は未公開エリアに入れるというだけでも垂涎もの。自身の仕事もそれほど大忙しというわけではない。お金はどうにでもなる。  良し行こう。  結論から言います。  すんごい楽しかった。  写真もそれなりに撮ってきたが、運営委員会や建物所有者様のご厚意でWEB掲載OK

          大阪行ってきた

          オゴロムラ

           丸太のような指先に頬をなでられる。熊よりも毛深く重いそれがゆっくりと去っていくと、遮られていた篝火の光が戻ってきた。  赤く揺らぐ火が巨体を照らし出す。  体表は毛に加えて鱗や殻のようなもので覆われ、肋骨にあたる部分は関節が入っているかのようにうごめいている。狭い渓谷の間で縮めていた体を拡張させて起こしながら、頭部と思われる部分をこちらに向けていた。  ヤゴの下唇に似た器官から何かが垂れさがっている。ゆっくり咀嚼されているそれは、確かにクラゲ共の触腕だった。  祭壇の脇

          疾駆天救 雷鳥騎士団

           トナカイが陽光を蹴って降りていく。光は頭上に広がる大地のひび割れから無数に差し込んでくるが、広大な地下世界を照らすにはまるで足りない。虚無と黒雲と、遠くから聞こえてくる波音が全ての生き物の心を苛む。    乗騎の背で男は目を凝らした。その目にはそびえ立つ世界亀の足が映っている。どんな大木も比較にならない巨大な足。そのにび色の岩肌に生気は無い。だがその色を背景にひらひらと舞う白い花びらがあった。  世界亀の死臭と瘴気が雲をなして男の視界を狭めている。男は手にした長物で空を切

          疾駆天救 雷鳥騎士団

          アーマードコア6のかんそうです

          あ~、アーマードコアの新作やりてーなぁ~ この10年。ふと、何かの瞬間に思っていたことだ。 べつに旧作に不満があったわけじゃない。(当社比) アーマードコアがやりたければ旧作を引っ張り出せばいい。 だがフロムソフトウェアの作るアーマードコアという作品は、出るたびに新鮮な驚きを提供してくれた。その快楽をもう一度、味わいたかったのだ。 そこへこんな作品を出されればこうもなろう!! そんなわけで2023年8月25日の発売日から毎日すこしづつ進め、本日9月10日に1週目クリアと相

          アーマードコア6のかんそうです

          異能俯瞰演義-ヤタガラス、人魂を狩る-

           ■  小島花菜実は、鬼の顔をしていた。  夜空を炎が赤く染めている。アスファルト道路に改造バイクだったものが散乱し、熱と煙をふりまいていた。白いジャージ姿の男たちはまだ生きている。舗装の上に横たわり、震えながら呻いている。そのうちの一人が炎を睨んで悪態をつくのが聞こえた。  炎がその男を踏みしめた。軽く、どこかいたわる様に恐る恐る。しかし、なにかで目にしたような仕草でしっかりと、呻く男の背にローファーをねじこんでいる。  夜風になびくミニスカートからのぞく、炭のよう

          異能俯瞰演義-ヤタガラス、人魂を狩る-

          星空にあわせて廻る街区、富士見廻舞台住宅

          ■  かつては先端技術で建築された施設も、時間がたてば傷むし壊れもする。そんな建物の問題を診断し解決策を探ることを生業とする建築診断士、播磨宮守の元に新たな依頼人が現れる。 ■  事務机を挟んで向かい合った半透明の美女は、薄い唇を小さく震わせた。 「うちに、霊が出るんです。なんとかならないでしょうか」 「・・・・・・風水や方角にご不安が?」 「いえ。方位は大丈夫です。霊なんです」  そう言って彼女は滑らかな黒髪を肩からこぼしつつ手を差し出してきた。白い指先に「契約書

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          近未来のハト小屋

          ■ 播磨宮守は駆け出しの建築診断士。ある仕事で出会った中古機械販売店の女、春日居燕を助手に少しづつ業務を広げる中、とあるビルの雨漏れ調査を依頼される。 ■  真っ暗な階段室の天辺にある鉄扉に手をかけ、引き開ける。光と風があふれ、しかし視界は期待していたほど広がらなかった。ガラスとアルミの壁、首都高層街区が壁のようにそびえていた。林立する高層ビルと、その棟間にかけ渡された小枝のような連絡通路の交差。摩天楼のてっぺんから幾筋も空に伸び上がって合掌するカーテンドームの頼りない

          近未来のハト小屋

          ハシゴダイク#むつぎ大賞2023

           こっちこっち!とでも言っているのだろうか。少女の姿がぴょんぴょん飛び跳ねるのが見えた。白くダボついた奇妙なかっこうで、足元にがれきがなんて無いみたいに。 「うっせー。そうほいほい進めるか」  切断の跡はまともに歩ける道なんてない。地盤ごと粉々に砕かれた挙句かきまわされ、高熱でローストされている。炭化とガラス化で脆く、鋭く、険しい瓦礫の山にはまともに歩ける道なんてない。  遠くで戦闘の音がする。電気無限軌道車のエンジン音に金属の衝突音が混じる。時折聞こえる銃声、そして悲

          ハシゴダイク#むつぎ大賞2023

          シン仮面ライダーネタバレ込み感想

          ■序 人間。もっとお互いに会話をしよう。 映画「シン仮面ライダー」を見てきたので感想をまとめます。 ネタばれがふんだんに含まれておりますので未見の方はご注意のほどを。 ■悪かったところ 100点満点中1万点とってる映画ということ前提で悪かったところを上げていく。 ・こじんまりとまとまっている  人の幸福と生き方が主題の映画で世界全体が大変という感じはしない。  そのためシンゴジ、シンウルと比べると作品の世界が狭く感じる。 ・客演キャストの出番が多すぎる  竹野内豊

          シン仮面ライダーネタバレ込み感想

          休憩中にエルデンリングから啓蒙を得てしまったので覚書。 狂い火と血炎の本質は同じものかもしれない。 血は流れる。思索は巡る。 流れ行くものは停滞=腐敗を拒絶できる。 腐敗は火に弱い。 ボディとソウル。そのそれぞれで腐敗を焼く炎をつくる。 (仮説)

          休憩中にエルデンリングから啓蒙を得てしまったので覚書。 狂い火と血炎の本質は同じものかもしれない。 血は流れる。思索は巡る。 流れ行くものは停滞=腐敗を拒絶できる。 腐敗は火に弱い。 ボディとソウル。そのそれぞれで腐敗を焼く炎をつくる。 (仮説)