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播磨君の世界にあるSF装置

 挨拶の前に
あとがきから読む派の人に配慮し、以下では播磨くんの劇中に登場したSFアイテム紹介のみを行っています。
 これを読んでから本編に行って頂いても問題ないし、むしろウェルカム。

 やぁ。
 いつもお読み頂きありがとう。

 近未来建築診断士 播磨も3話を終えた。
この播磨くんのお話はとりあえず第5話までを想定して書いているので、物語全体の折り返しを過ぎた所だ。なので自分のためにも良い機会だからこれまでのSF建築を振り返ろうと思います。

1.ホワイトムース

 ネタ帳には以下のように書いていた。

発泡内装間仕切り、壁であり調度品、蟻、蜂の巣
→奇妙な安ホテル

 白いオモチ状のブロック内に居住空間を作る可変素材。黒川紀章先生の『カプセルタワービル』を元にこねくり回した結果完成した。

 カプセルホテルってニューロマンサーはじめスプロールシリーズでもSF的素材としてよく登場していた気がする。なので第1話はカプセルホテルにした。現実でもすんごいSFチックなカプセルホテルがあるので、いつか泊まりに行きたい。

2.極限環境用仮設住居

テント→旅人と無敵のテント

 最初のアイディアはこれだけ。そして最強のテントという言葉からマーク・ワトニーの火星ひとりぼっちに行き着くまでそうそう時間はかからなかった。RTGのことはマーシアンではじめて知り、そこからゴッゴル先生にいろいろ教えていただいた。

 現時点で最も扱いに困った建築。だって作中冒頭でも触れてるけど、厳密には建築物じゃないんですこれ。移動して回るもんだからこれを追いかけるのって建築の仕事じゃない。探偵の仕事だ。

3.木の家(自己再生建築)

生きた木を建物に取り込む→都市の中に住む隠者

 戸建住宅で一本やりたいと思いつっこんでみた。建物は購入されたら基本的に手入れしないのは我が国の一般的な現状。じゃあ未来にはどう解決しているかと考えたら自己再生しかなかった。自己再生というとデビルガンダム細胞を思い出してしまうが、こいつはそんなに厄介者ではない。はず。

 SFのネタとして個人的に禁じ手と思ってるのがナノマシンと核融合、ワープドライブあたり。これらは説明無しで登場させてしまうとほぼブラックボックスとなり”魔法化”してしまいがちと考えている。なので現実に沿って、すでに身の回りに溢れている細菌、バクテリアの動きを模倣・助長するものとして設定した。
 増殖と変化の速度?ん~きこえんなあ。

4.カーテンドーム

 本編の背景にたびたび登場。炭素繊維トラスのごく細い骨組みで出来上がったドーム。半球状のこれが都市部の随所にぽこぽこと被さっている。

 行政が定めた基準を超える降雨、降雪が予想される折には電磁波と音波によってこれらを細粒化し、都市部への気象影響を低減する。また夏季にはジェルがシャボン玉のようにフレーム間に張り巡らされ、直射光の熱を低減する。

5.丹下宇宙港

 現在のうみほたる近傍に設けられたメガフロート上の空港。大気圏内の対流圏ギリギリを飛ぶ全翼機型の空中ステーションへの輸送ハブとなっており、航空機以外にも宇宙往還機の離着陸を行う。
 名前の由来は丹下健三先生の『東京計画1960』から。

6.自己修復素材

 大規模建築物の外壁に一般的に用いられる。種類は様々で、微細薬包が弾けて修復材を吐き出すものや、バクテリアを利用した劣化の修復技術なんかもある。

7.自動運転車

 目的地まで自動で走る車。不測の事態に備えて人間の運転も受け付ける。運輸業や警察の捜査等で、車が外部からの操縦を受け入れることもある。

8.人工知能

 人と同様にものを考え発言する。膨大なデータを取り扱う業務を想定して設計されているため、その本体は大型の設備が必要になる。人間の脳サイズまでの小型化をするとそこまで能力が高くならない。また、全てのAIはチューリング機関に登録されている。

 人間の自由経済に一役買っていて、あらゆる通訳を引き受けている。言語、通信から電力の交換、扱っている事物は同じだが人間の入力したデータ形式が違う場合に出来上がってくる異なるファイル形式等まで。

その他

 太陽光遮断衛星、兵器用ドローン、可変装甲服、大気浄化装置等々。


未来へ

 あと2話。されど2話。がんばって書いていきたいと思います。お付き合い頂ければ幸いです。

 そしてあと2話なのだけれど、それが終わっても、思いつけば短編を書こうと思っています。ネタも随時募集してます(小声)

じゃあね。


サポートなど頂いた日には画面の前で五体投地いたします。