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NSF、半導体設計・製造の人材育成支援で、Micronとの提携を発表。


米国のNSF(National Science Foundation/全米科学財団/国立科学財団)は2022年10月28日に、半導体製造の課題と労働力不足に対処するための大胆で変革可能なソリューションを開発するため、マイクロン・テクノロジー社(Micron Technology, Inc. )との異分野パートナーシップを発表した。

NSFとマイクロンは、半導体設計・製造に関する研究、教育、インフラストラクチャー構築と、その人材育成を支援するために、それぞれUS$500万を投資する予定である。

NSFのセスラマン パンチャナサン(Sethuraman Panchanathan)長官は、「この新しい分野で横断的なパートナーシップは、変化する世界の技術革新に対応するために、米国の技術革新を支援するものです。」「この歴史的な『CHIPS and Science Act』の可決により、NSFはアメリカの技術革新の最先端を維持し、最先端産業がアメリカで作られることを確実にするための支援を行うことができるようになりました。」と言った。


このパートナーシップにより、NSFとマイクロンは、厳密で魅力的な教材の開発、教師の専門的能力の開発、学生の体験的機会の提供を共同で行い、2年制大学から4年制大学、マイノリティ教育機関を含む国内の高等教育機関における教育を改善し、最終的に半導体設計・製造を発展させることを目的として資金を提供する。

マイクロンの社長兼CEOであるサンジャイ・メヘロトラ(Sanjay Mehrotra)は、「世界的にデータに対する需要が増え続ける中、米国の半導体産業が画期的な研究を行い、革新的なソリューションを開発し、米国の技術的リーダーシップを推進できる労働力を必要としていることはかつてないほど明白です。」「私たちは、将来の労働力の拡大と多様化のためにNSFと協力し、全米の学生に半導体産業を体験し、関与する新しい機会を提供することで、NSFとのパートナーシップを発展させたいと考えています。」と述べている。

この契約を通じて資金提供されるプロジェクトは、将来の半導体設計・製造に不可欠なハイテク分野の半導体産業研究、教育、インフラ能力開発、労働力開発に焦点を当てる。これには、半導体産業のイノベーションを促進する分野の研究の推進や、STEM学習・教育事業の新たな構造や機能の開発が含まれる。

世界的なパンデミックによって複雑になった半導体の全国的な不足により、チップ業界はチップベースの製品の需要増に対応することが困難になっている。米国ではその需要が高いにもかかわらず、チップの世界供給の約10%しか国内で生産されていない。このパートナーシップにより、米国内の半導体製造労働者の教育と訓練を支援することで、この問題への取り組みを支援するものである。

今年初め、NSFはインテル・コーポレーションとの間で、熟練した半導体製造労働者の訓練と育成を目的としたUS$1,000万の資金提供の機会を発表した。

しかし、半導体の分野は一度乗り遅れると2度と追いつけなくなると言われている。
たったUS$1,000万で、それを実現しようというのだろうか?

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