イギリス高速鉄道HS2向け車両、日立とアルストムが共同受注。

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ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2021年12月10日に、新幹線の開発に参加した日立製作所とフランスのTGV開発を手掛けたアルストム(Alstom)の競合2社が、イギリスの大型プロジェクトで手を組みは2021年12月09日に、イギリスの高速鉄道「HS2(High Speed Two/ハイスピード2)」向け車両を共同で受注したと発表した。

これもより、次世代高速車両の設計および製造と、12年間の保守サービスを請け負うことになった。

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日立の鉄道システム事業におけるグループ会社の日立レールとアルストムが折半出資する共同事業体HAH-S(Hitachi-Alstom High Speed)が受注した。
受注したのは1編成8両の新型車両54編成で、全長200m。ヨーロッパ最速の最高時速360km(225mph)を誇る。

https://time-az.com/main/detail/75790

車両は100%電気で駆動する。車体の軽量化やエアロダイナミクスを応用した設計と、エネルギー効率が高い最新の駆動技術で、世界最高水準のエネルギー効率を持つ高速鉄道車両となる。

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最先端の回生ブレーキシステムがエネルギーを送電網に戻すことで、エネルギー効率がさらに高まるという。

車両設計の大部分と製造、試験、保守はイギリスで行われる。車両製造は、日立が2015年に開業したイングランド北東部ダラム(Durham)近郊の日立ニュートンエイクリフ工場(Hitachi Newton Aycliffe)と、イングランド中部にあるアルストムのダービー工場(Alstom’s factory in Derby)およびクルーの新工場(new bogie manufacturing facility at Alstom Crewe)が担う。車両製造では2,500人以上の雇用が創出され、製造期間中に毎年£1億5,700万の粗付加価値(GVA)がイギリス経済にもたらされる見通し。

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これらの車両は、現在敷設中のロンドン―バーミンガム間のHS2第1期区間のほか、イングランド中部のストーク(Stoke)からクルー(Crewe)、北西部マンチェスター(Manchester)、リバプール(Liverpool)、北部カーライル(Carlisle)、スコットランドのマザーウェル(Motherwell)、グラスゴー(Glasgow)をつなぐ在来線でも運行される予定で、スコットランドとも繋がった。イギリス政府によると、新路線向けの車両製造は2027年から開始され、2029~2033年の間に運用が始まる見込みだという。

日立は2019年06月、カナダのエンジニアリング大手ボンバルディア(Bombardier)と共同でHS2向け高速車両に応札したが、ボンバルディアの鉄道事業は2020年9月にアルストムによって買収された。HS2車両が生産されるアルストムのダービー工場は、ボンバルディアの工場だった。

イギリス政府が2016年に発表したHS2の車両入札の最終候補には、日立とボンバルディアの合弁に加え、アルストムも残っていた。このほか、ドイツの総合電機大手シーメンス(Siemens)やスペインの鉄道車両大手タルゴ(Talgo)、CAFも名を連ねていた。シーメンスは「今回の発表に非常に失望している」との声明を出し、政府の競争入札プロセスが不当だとして法的措置を取る構えを示している。

地球環境問題は、一気に新幹線に集中した。

そして、新幹線の実績を超えるものはなかった。

2021-11-18---イギリスの新高速鉄道、計画を一部撤回。
2020-09-04---イギリスで、高速鉄道HS2が正式着工。
2020-04-16---イギリス政府、高速鉄道HS2の着工を命令。
2020-02-17---フランスのアルストム、カナダのボンバルディアの鉄道事業買収協議認める。
2020-02-11---イギリス政府。監督に専念する閣僚ポスト新設し、HS2計画に青信号。
2020-01-20---イギリスの高速鉄道「HS2」総工費がさらに膨張も 諮問委が最大£1060億と指摘。
2019-11-12---イギリス政府の諮問委、コスト度外視で「HS2計画進めるべき」
2018-11-02---イギリスの鉄道工事中に発掘された膨大な数の人骨!
2015-05-24---HS2高速鉄道は、『スコットランドに到着できない?』
2013-08-18---イギリスの高速列車HS2は「納税者£800億を要する。」
2013-05-25---最も重要なイギリス政府のプロジェクトに関する警告!
2012-06-26---イギリスで、何千もの死者を掘り返している!
2011-02-28---イギリスもハイスピード鉄道開発に乗り出した。

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