見出し画像

台湾で、メタバース活用の機運高まる。

アジア経済ニュースNNA ASIAは2022年05月20日に、台湾でメタバース(Metaverse/仮想空間)活用の機運が高まっていると報告した。

EMS(Electronics Manufacturing Service/電子機器の受託製造サービス)世界最大手の鴻海精密工業(Foxconn Technology Group)は台湾のベンチャー企業と連携し、EV(Electric Vehicle/電気自動車)の試作車発表にメタバースを活用した。

会場に足を運ばなくてもタブレット端末などを通じて、試作車の外観などを見えるようにした。専門家からは、大手とメタバースに強いベンチャー企業などによるこうした提携が、今後さらに重要になるとの見方が出ている。

https://time-az.com/main/detail/76910

「鴻海科技日にようこそ」「来場してくれてありがとう」。

タブレット端末の画面を通じて中国語でこう呼びかけてくるのは、鴻海創業者、郭台銘のアバター(分身)だ。その隣には劉揚偉董事長のアバターもいる。

鴻海が2021年10月に台北市の南港展覧館で開いた開発技術の説明会「鴻海科技日」。リアルの会場だけでなく、メタバース事業を手がける台湾企業のXRスペースのバーチャル展覧プラットフォーム「GOXR」を活用し、バーチャルでも説明会を「開催」した。

スマートフォンかタブレットにGOXRのアプリをダウンロードすれば、時間や場所にとらわれず、バーチャルの説明会を体験できる。アプリ上には試作車の展示ルームなど複数の「空間」があり、ロビーでは郭台銘が出迎えてくれるほか、劉董事長のアバターが説明会の内容や見どころなどを紹介してくれる。

XRスペースによると、郭台銘と劉董事長の過去のスピーチや記者会見で話した内容を機械学習させ、肉声を再現させたという。

鴻海の担当者はアバターを通じて企業イメージを作り上げることなどにつながると説明する。

アプリの画面で試作車の展示ルームに進むと、リアルの会場で公開されたSUV(Sport Utility Vehicle/スポーツタイプ多目的車)とセダンのEV、EVバスの3モデルを360度から見ることが可能である。開発プロセスなどを紹介した映像も視聴できる。EVの動力システムの展示で部品ごとに分解した様子も見られるのは仮想空間ならではと言える。

鴻海の担当者はXRスペースのメタバース運用について、「新型コロナウイルスの影響を受けて仮想空間での展示を決めた。同社と提携したのは(台湾のメタバース分野で)有名だと言えるため」とコメントした。

鴻海は2022年02月、XRスペースと提携の覚書を締結したと発表した。第1段階としてUS$1,500万(約19億3,000万円)を投じ、XRスペースの株式9.09~9.68%を取得。経済日報によると、劉董事長はEVとメタバースに関連した事業を重視していると明らかにしている。

メタバースは最近注目されているが、バーチャル3D映像は目新しいものでではない。
違いは、ゴーグルで臨場感を高めたということだろう。それと最新技術を採用したというイメージ戦略である。

XRスペースは2017年の設立。台湾スマートフォン大手HTC(宏達国際電子)の元執行長の周永明が立ち上げた。GOXRのほかに、音楽・娯楽プラットフォーム「PartyOn」、仮想現実(VR)用のヘッドマウントディスプレーを手がける。

XRスペースの全球業務行銷・営運副総経理の鄭礼スウ氏(スウ=山かんむりに松)は、新型コロナウイルスのまん延後に展示会の延期や中止が相次ぎ、オンラインや遠隔サービスといった概念が定着したことが、メタバースが注目される契機となったと振り返る。

今後の目標は展示会や個人のアート作品の展示、企業の商品紹介など、企業や利用者がメタバースを通じた空間作りを気軽にできるようにすることだ。「世界的にメタバース(の投資)は始まったばかりで、これから市場を広げていけると考える。早ければ向こう3~5年でスマホを通じた新しい形の展示が成長するチャンスがあると思う」と期待を込めた。

台湾新竹県竹東鎮にある中華民国経済部が設立した台湾政府系財団法人の研究機関ITRI(Industrial Technology Research Institute/工業技術研究院、工研院)産業科技国際策略発展所(産科国際所)のシニア研究員林研詩によると、台湾では初期段階として商業、工業、医療などの分野でメタバースが活用されている。

林研詩は今後の展望として「台湾は多くのベンチャー企業がメタバース分野の開発に取り組んでおり、大手企業とメタバースに強いベンチャーが提携し、産業システムをより完全なものにする重要性が高まっている」とコメントした。

2022-05-06---台湾、雅匠科技のSDKキット、AR・VRソフト開発に優位と大手も導入。
2022-04-07---Metaverseはファッションのビジネス・モデルを変えられるか?
2022-04-06---ドイツ語で、「Metawie bitte?!」って、何?!
2022-03-24---メタバース(Metaverse)は、メタワーク(Metawork)につながるのか?
2022-02-28---Dolce & Gabbana、Metaverseにインスパイアされたキャットウォーク。
2022-02-22---ロッテグループ、メタバース事業拡大。
2022-02-21---メタバースから見た小売業の技術展望。
2022-02-19---1つの国、2つのメタバース - 中国は暗号ケーキを食べることができるのか?
2022-02-18---アニメ系NFT、歴代のNFTの中で高額8番目にランクイン!
2022-02-10---McDonald’s、メタバースに現実要素を取り入れた「バーチャルレストラン」オープン予定。
2022-02-03---メタ(Meta)の株価一時。20%以上急落した。
2022-01-26---Facebook、Google、Microsoftによる、NFT乗っ取りに警戒。
2021-12-22---Coincheckが、話題のメタバース/NFTゲーム「The Sandbox」を簡単解説!
2018-07-25---台湾のHTC、インドのスマホ市場からほぼ撤退。
2018-01-24---台湾のHTC、中国深圳市に初のVR旗艦店。
2017-11-14---台湾のHTC、VR開発プラットフォームを公開。
2017-10-06---台湾のHTC、最低からの復活!?
2013-09-04---HTCは急激な収入衰退を明らかにした。
2013-07-08---台湾のHTC株式7%ダウン、利益は半年でさらに急落。
2012-10-09---スマートフォン競争が激しくなり、HTC利益は、79%下落。
2012-07-06---台湾のHTCのスマートフォン利益、58%減った!
2012-06-24---台湾のHTC、ブラジル市場から撤退!
2012-06-13---HTC、台北の新しい本社をオープン!
2012-04-06---台湾のHTC、2012年第1四半期の利益3分の1まで急落!
2012-01-10---HTC、最初のLTEネットワーク用Windows Phoneを発表!
2011-12-20---台湾のHTCが、アップルの特許訴訟で負けた!
2011-11-22---アップルは、HTCの特許を破っていなかった!
2011-11-17---ポルノ会社、HTCに「Vivid Smartphone」の名称変更を要請!
2011-10-31---台湾のHTCは、2011年第3四半期にスマートフォン販売でほぼ倍増。
2011-10-18---アップルは、HTC特許を侵害しなかったと、米国裁判官が判断!
2011-09-28---米国のITCは、HTCの特許を侵害という訴えを調査。
2011-09-14---HTCは、オーディオ技術を備えた最初のスマートフォンを発表。
2011-09-13---ヨーロッパのAndroidスマートフォン、トップ・サプライヤーはHTC。
2011-09-12---HTCはスマートフォンOS購入を考慮。
2011-09-02---台湾のHTCは、2種類のマイクロソフトOSベースのスマートフォンを発表。
2011-08-08---台湾のHTCが、米国のクラウド開発者を買収。
2011-04-10---HTCの利益は高騰し、株式市場の資本化でノキアを抜いた!
2011-04-04---台湾のHTCは特許ポートフォリオを購入。
2011-01-21---HTC、四半期にの利益で160%ジャンプ!
2010-12-10---HTCは2011年にスマートフォンの販売を3倍にすることを期待!
2010-09-05---台湾のHTCは、iPhoneの静かな挑戦者になり始めた。
2010-08-19---台湾のHTCはインドのスマートフォン市場拡大計画を開始!
2010-07-26---HTC、将来のスマートフォン向け「Super LCDs」を準備!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?