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プラド美術館は修復後にカラヴァッジョ作の壮大な「ダビデとゴリアテ」を展示。

ArtDailyは2023年12月26日に、本日、プラド美術館(Museo del Prado)がビジャヌエバ館 7A 室(Room 7A of the Villanueva Building)で展示するのは、イベルドローラ・スペイン財団(Fundación Iberdrola España)が後援するプログラムの一環として大規模な修復を行った、カラヴァッジョ作の絵画「ダビデとゴリアテ」(painting David and Goliath by Caravaggio)であると報告した。

修復後
修復前

shこの修復の主な目的は、ミケランジェロ・メリージ(Michelangelo Merisi,)が考案したオリジナルのイメージ「イル・カラヴァッジョ(il Caravaggio)」を復元することであり、これは土と酸化したニスの層の下で時間の経過とともに消え去っていた。 これらの古いワニス層の不透明な性質により、組成内の空間と奥行きが失われていた。
これにより、シーン全体の中で焦点を当てた光源によって明るく照らされた人物の部分しか区別できなかったため、ダビデとゴリアテがいる場所の寸法を認識することがさらに困難になった。

この問題は、以前の選択的クリーニングの結果でもあり、基本的に前景面と両方の図の最も明るく照らされた部分に集中し、構図の背景と影の領域を無視していた。その結果、カラヴァッジョのオリジナルの明暗法が徐々に明暗の激しいコントラストに変化し、平らな黒い背景にダビデの輪郭が描かれたままになった。その結果、組成物は単一の平面に縮小された。

古いニスの黄色がかった色調はカラヴァッジョの元の色を変え、肉体や衣服の淡い明るい色調に暖かさを与え、芸術家のコンセプトを完全に変えた。 次に、ワニスの透明性が失われると、ボリュームがぼやけ、背景や影の領域にある要素が除去される。 このような状況では、カラヴァッジョが描いた場面を部分的にしか鑑賞することはできなかった。

赤外線反射法とX線撮影を使用した技術分析により、作品の保存状態とアーティストの創作過程が明らかになった。

絵の状態が優れているため、カラヴァッジョの驚くべき技術に関する広範な情報を提供する、繊細で壊れやすい層の釉薬やハーフトーンを鑑賞することができる。

創造的なプロセスに関しては、ゴリアテのまだ生きている驚くような顔、その劇的な表情、見つめる目と恐怖のしぐさで半開きの口など、構図に顕著な変化が見られる。 最もインパクトのある要素の1つは、巨人の縮められた体、特に絵の右側にある彼の尻と、ダビデの後ろからキャンバスの上部に向かって伸びている脚に続いており、ゴリアテの体が地面に投げ出されている様子を示している。 若い羊飼いのスリングが当たって地面に倒れた。

今回の修復では、地面にあるゴリアテの頭と胴の周りの空間と、ダビデの脚の後ろを通って前方を向いて握りこぶしが出てくる腕も同様に復元された。

クリーニング後に再び現れたまったく予想外の要素は、デイビッドの頭を囲む青白い光である。この光は、背景空間の次元を定義する暗い影によって斜めにカットされている。

今回の洗浄プロセスは、以前は知覚できなかった作品の連続する平面とダビデの周りを循環にある空気を復元することにも成功した。 さらに、アーティストが二人の人物を配置した小さな空間、深い箱を思わせる長方形の空間の結果である、構図の複雑さを理解することが可能になった。

X線撮影を使用した分析により、偶然に生じたに違いない2つの特定領域の損傷の存在が明らかになった。 より重要なものはダビデのシャツの袖にあり、もう 1 つは彼の膝の上にあり、ゴリアテの肩まで続いている。 どちらも非常に古い修復が施されており、元の塗装に影響を及ぼしていたが、現在の手順ではこれらの再塗装を除去することで修復された。 これら2つの領域における色素の損失は、色の再統合を使用して絵の表面上で埋められた。

David with the Head of Goliath
Caravaggio
Oil on canvas, 110.4 x 91.3 cm Ca. 1600.

https://artdaily.cc/news/165275/The-Prado-exhibits-its-magnificent--David-and-Goliath--by-Caravaggio-following-restoration
https://www.museodelprado.es/en/whats-on/new/the-museo-del-prado-is-displaying-its-magnificent/85b7358d-8dd3-237e-a820-8212cb308453

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