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破綻したイギリスのブリティッシュボルトの敷地、米社が買収へ。

米国の投資会社ブラックストーン(Blackstone)は、破綻したイギリスの新興企業ブリティッシュボルト(Britishvolt)が工場建設を予定していた敷地を取得する方針だ。

欧州最大規模のデータセンターを建設する計画で、地元自治体のノーザンバーランド・カウンティ(Northumberland County)も、この提案を前向きに検討する姿勢を示している。同自治体が2024年04月15日明らかにした。

対象となるのはイングランド北東部ブライス(Blyth)にある95ヘクタールの土地で、ブリティッシュボルトは電気自動車(EV)バッテリーのギガファクトリーを建設する計画だった。ブラックストーンはここに、最大100億ポンドを投じて巨大データセンターを建設する意向を示している。

データセンターの建設が実現すれば、1,600人超の直接雇用と2,700人超の間接雇用が創出される見通し。また、完成後にセンターを利用する企業が50億~100億ポンドを追加投資する可能性もある。

敷地の取引額は明らかになっていないが、自治体の資料によれば、地域開発に向けた最大1億1,000万ポンドの基金を設立する計画で、ブラックストーンはこれに資金を拠出する。同社はさらに、土地の代金として2,000万ポンドを支払うという。

ブリティッシュボルトは、この敷地に年産能力30ギガワット時のバッテリー工場を建設する方針だったが、資金繰りが悪化して2023年1月に破綻した。その後、複数の企業が計画の引き継ぎに名乗りを上げたものの、合意には至らなかった。

ブラックストーンと自治体の合意がまとまれば、イギリスの自動車産業が期待していたEVバッテリーの大規模な国内生産計画に終止符が打たれることになる。

2023年01月17日---イギリスのリチウムイオン電池会社ブリティッシュボルトが破綻。
2022年11月02日---イギリスのリチウムイオン電池会社ブリティッシュボルトが破綻回避。
2022年03月08日---アストンマーティン、ブリティッシュボルトとEV技術開発で提携。
2022年01月24日---イギリス政府がギガプラントに投資し、ブリティッシュボルトが資金確保。

https://europe.nna.jp/news/show/2647979
https://www.theguardian.com/business/2024/apr/15/britishvolt-gigafactory-site-sold-110m-us-private-equity-firm-blackstone-data-centre-northumberland
https://www.datacenterdynamics.com/en/news/blackstone-to-buy-former-britishvolt-site-for-qts-data-center-in-northumberland-uk/
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-04-15/blackstone-s-qts-to-buy-britishvolt-site-for-massive-data-center
https://www.ft.com/content/acd91359-1464-4a92-86d8-8eb1e2c5c998

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