遺伝子編集で、「感染症にかからない豚」を作る。

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MITテクノロジーレビュー(MIT Technology Review)は2021年06月18日に、米国で遺伝子編集技術「CRISPR(クリスパー)」を使って、感染症にかからない豚を作り出す大規模なプロジェクトが進行していると報告した。

理論上は、このプロジェクトの手法で「感染症にかからない人間」も可能になると言う。

https://time-az.com/main/detail/74622

テネシー州ヘンダーソンビル(Hendersonville, Tennessee)にあるPIC(Pig Improvement Company/ピッグ・インプルーブメント・カンパニー)のCOO(最高執行責任者)ビル・クリスチャンソン(Bill Christianson)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で蔓延し始めると、企業は閉鎖に追い込まれ、国は国民に対してステイホームを指示した。多くの人が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を止めるにはそれで十分だろうと考えた。しかし、人々が豚にもっと注目していたら、もう少しなんとかなったかもしれない。空中に浮遊して伝播するウイルスの抑制について、「人々はあたかも自分たちが上手くやっていると勘違いしているように思います」と話す。

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COOのクリスチャンソンは疫学者と獣医の肩書きを持っている。
PICは、エリート繁殖豚を養豚業界に販売しており、過去34年間にわたって、PRRS(Pig Reproduction and Respiratory Failure Syndrome/豚繁殖・呼吸障害症候群、「パース」と発音する)と呼ばれるウイルス性疾患と闘ってきた。

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その病原体が引き起こす病気は、確認しやすい症状の1つにちなんで「青耳病」と呼ばれている。PRRSが初めて出現した1980年代、この病気は単に「ブタの奇病」と呼ばれていた。PRRSに感染すると、雌豚は流産したり、萎縮した子豚を死産したりする恐れがある。

「豚にとってのPRRSは、間違いなく人間にとっての新型コロナウイルスよりも酷いものです」とCOOのクリスチャンソンは言う。

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実は、私は2017年に、子ブタのゲノムを編集し、内在するウイルスによる感染の危険を取り除くことに成功したとの論文が2017年08月10日、米科学誌サイエンス(Science)のWebサイトに公開されたと報告したことを紹介している。

また、今回のコロナ・ウイルスも含め、宗教を信じない中国で、何をするか?心配であるが、それをどう管理できると言うのだろうか?

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相手は、中国である。

さらに、PIC(Pig Improvement Company)の紹介する写真は、最終目的が、殺して食うことであると気がつくと不思議な感覚になる。

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