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[電子工作] 無駄に大きな真空管TB5/2500を使った卓上低出力アンプ「Fire Colony TB5/2500」

電源装置の大きさから考えると、卓上サイズでは、この真空管TB5/2500(6.3V32.5V)が、限界な気がしています。この真空管の外観は、サンダーバードにでてくる建物や乗り物をイメージさせるユニークなカーブ(外観)を持っています。

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この真空管を使って、卓上低出力アンプを作りました。マンション住まいなど大きな音が出せない方が多数の現実を理解し、大きな真空管を使ってみたいと、低出力の両立にこだわっています。回路図は、下画像になります。基本的に、トータルコストを下げるために、自己バイアス式にしています。

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この回路図の元に、動作確認をしました。この回路では、初段の真空管6SN7GTの使い方を、今までとは変えて、最終段の大きな真空管の入力負荷の影響を軽減するため、後段のインピーダンスを、50KΩから10KΩへ下げるようにしました。下動画は、試作の時の撮影のため、実物とは、部品が、若干、異なっているがあります。実物では、出力トランスを、10Wから同じインピーダンスの5Wのものに変更しています。スイッチング電源も、1ランク低いものに変えています。

まあまあ、普通に音が鳴るので、この回路で、製作を開始しました。まず、ケースの設計。下画像は、穴あけの型紙になります。真空管ソケットは、ケース内に付けると、かなりスペース的な制約を受けるので、外部にスペーサで固定することにしました。

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これに従って、ナノラボさんのボール盤を借りて、ケース加工しました。

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下画像は、ヒーター電源周りの配線と、初段アンプ周り配線を終えた状態です。

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次に、真空管の電源を生成する電源基板の製作。主に、DC5Vから、DC60VとDC130Vを、DCDCコンバータで作ります。下画像は、完成した電源基板になります。銀色のパッケージが、5V to 30VのDCDCコンバータで、2個を直結で、60V出力としています。黒色のパッケージが、5V to 130VのDCDCコンバータになります。真空管のヒーターは、5Vで駆動します。

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この電源基板を搭載して、最終的に、下画像にある外観のアンプが完成しました。

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音の方も、ちゃんと出ることを、確認できました。

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【備考】産業用真空管は、既に、それらを使用する製品がありません。現存しているものは、本来の使い道はなくなっていて、産廃行きを待つばかりです。この記事は、大きな産業用真空管も、身近な条件に合わせた使い方(例:オーディオアンプ)ができることを示しています。オーディオアンプでなくとも、インテリアでも良いと思います。捨てられそうになっている真空管をみたら、使ってみてあげて下さい。



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