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[電子工作] 自作ガイガーカウンタ2号機の野外テストまとめ(福島原発事故)

(以下は、2011.10.09のブログ記事)

2011年の東日本大震災後に自製したガイガーカウンタ(2号機)の実地動作テストの結果グラフを、ここに纏めて掲載します。2号機というのは、1号機が、チェルノブイリ原発事故の時に自製したガイガーカウンタを、1号機と称していて、今回の自製を、2号機と称しています。2号機には、用途によって、タイプ0とタイプ1を作成しました。以下、この2つを紹介します。

【タイプ0】(野外、JRの4路線の車内で測定)

福島原発事故以来、何にしても、まずは、身近から、空間線量を測ろうという動機で、自作しました。当時、ストロボ用の昇圧トランスが、品薄で、秋葉原でも入手が難しくなっていたので、普通に入手可能だったチョークコイルを使ったフライバック昇圧回路を、試行錯誤しながら、自製しました。あと、幸運なことに、ガイガーミュラー管は、中国製の現行製品が秋葉原で買える状況にありました。計測や記録のための制御用マイコンとしては、当時、青mbedがもてはやされていたころで、昔と比べると、信じられないぐらい、楽に、作ることができました。測定結果は、SDメモリに保身されます。ただ、モバイルバッテリで24h以上保つようにするのに、色々、試行錯誤が必要でした。それでも、同年6月には、完成していました。これで、大きさは、少々、大きいけれど、当時、携帯して、空間線量を測れるようになりました。

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上写真は、タイプ0の外観になります。以下、新幹線に乗って、どんな感じになるか、車内から測ってみることにしました。測定結果のグラフになります。高いと言っても、それ程でもなく、さらに、新幹線は、時速100Km以上で通過するので、累計で受ける被ばく量は、グラフの面積程度になります。

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(参考値グラフ)マントルをあてがった場合の線量値

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注)参考値グラフは、登山用雑貨で流通しているランタン用マントル(動作確認に利用)の放射線量を、自作ガイガーカウンタで測定した時のグラフ。これに比べると、どれも、だいぶん低いカウント値になっている。

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上写真は、常磐線いわき駅周辺の土壌面の線量の計測になる。車両内からでは、色々、放射線を遮断する障害物があるので、多少高くても測定に現れないが、土壌に接近させて、市販の線量計でみると、平常の値より高い値を表示している。但し、絶対値としては、高めな値という範囲。これは、ガイガーミュラ管は、黒いプラケースに収納して遮光のみ行っているので、β線とγ線の両方がカウントされている。上写真では、比較のために、DoseRAE2との結果と比較しています。

ただ、今に至っては、現在、どうなっているのか確認してみたいが、気力がなくなって、残念です。

【タイプ1】(都区内の屋内定点測定)

上映像は、2011年6月〜2011年9月(3ヶ月間)の測定結果フラグのYouTube動画版になります。注意として、時々、高い数値が出ているとろは、動作テストしているときになります。

この本体は、厚2mmのアルミケースに、本体を収納しているので、ほぼγ線の計測になっている(下画像)。電源は、家庭用AC100V電源から、真空管アンプ用の電源トランスで、昇圧して、半波整流で、400V弱を作っています。ガイガーミュラー管では、線量が低ければ、ほとんど電気を食わないので、小型のトランスを使用しています。ガイガーミュラー管の信号は、オーディオレベルに変換して、パソコンのサウンド入力に接続して、検出パルスの計数は、パソコン側のプログラムで行うようにしています。そこから、グラフを生成して、web公開する段取りとなっています。

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当時、測定結果は、androidタブレットのwebブラウザで、表示させていました(下画像)。

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現在も、自宅のwebサーバから、NIFTY経由で、1日分の測定結果グラフを、公開しています。2011年6月から現在まで、稼働しています。ただし、1度、都区内での転居あり、数か月、ブランクがあります。

ただ、都区内の自宅の自室では、当然、ほとんど、測定結果に変化がない。

今の時代は、個人でも、お手製の測定器で、このような事が、思いつきで出来てしまう時代となっている。何とも凄い事だ。



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