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ヘルスケア市場をDXで支援する「enpas」とは?part1

今回はHR室の荒川が、DIGITALIOのヘルスケア事業本部で、どのような取り組みが行われているのかについてインタビューしてきました!
Part1では、ヘルスケア事業本部が運営するサービス「enpas(エンパス)」についてご紹介します。事業部長である東さんにサービスを始めたきっかけや特に力を入れていることについてお聞きします。

調剤薬局DX支援「enpas(エンパス)」について

「enpas」は、調剤薬局やドラッグストアの経営課題解決のために必要な各種サービスをオリジナルで構築できるプラットフォームです。
今回は、「enpas」が提供しているサービスが具体的にどのように調剤薬局やドラッグストアが抱える課題の解決に貢献しているかについて紹介したいと思います。

1.LINEミニアプリ処方箋送信

この機能によって、患者さんは病院で受け取った処方箋をご自身のスマホで撮影し、LINE経由でかんたんに処方箋データを薬局に送信することができます。事前に日時等を指定してすぐに薬局で薬を受け取ることができるので大変便利です。

他にも、患者さん側はお気に入り店舗の登録や問診内容のアレンジができたり、薬局側は管理画面上で処方箋・問診情報等の確認、薬の準備ステータスの変更ができたりと双方にさまざまなメリットがあります。

LINEミニアプリを通じてより効率的に処方箋受付を行うことで、薬局はより多くの処方箋を獲得することが見込まれるため、結果として保険収益の向上に繋げることが可能となります。

2.服薬フォロー

服薬期間中に、一人ひとりの患者さんの状態や処方薬に合わせたメッセージやアンケートを定期的に自動配信することができます。患者さんからの回答は「レセコン(※3)」や「enpas」に集約し、一元管理が可能です。患者さんの状況に合わせて通話やテレビ電話によるフォローを行うこともできます。

※3:医療機関から健康保険組合などの支払機関に対し、診療報酬を請求するために明細書を作成するコンピューターシステム

配信メッセージのイメージ

さらに患者さんから受け取った回答内容に応じて、薬剤師の知見を生かした服薬や治療のアドバイスなど必要な情報を自動返信することができます。

イメージ

服薬フォローメッセージを自動配信することで、患者さんが必要な情報を的確なタイミングで受け取れるのはもちろん、薬剤師の負担軽減をすることができるため、患者さんフォロー範囲の最大化をしつつ、業務効率化に繋げていきます。

3.LINEミニアプリを活用したサービス連携

LINE画面

その他にもLINEミニアプリを活用し、調剤薬局やドラッグストアごとのニーズに合わせてメニュー画面をカスタマイズすることができます。必要に応じて会員証・クーポン・ECサイトなどの自社サービスと連携することできるため、販売促進や製薬企業とのタイアップなどを行うことが可能となります。これにより保険外収益の獲得にも貢献することができます。

事業部長にインタビュー

ヘルスケア事業本部の責任者である東貴己さんに「enpas」についてより詳しくお聞きしていきます。

ーまず最初に、自己紹介をお願いします。

東貴己さん

東貴己です。
2007年に中途で電通グループ(CCI)に入ったので、現在16年目になります。
前職では製薬会社でMR(※1)として医師向けの営業をずっとしていました。そこから電通グループに入り経営企画やIR業務(※2)をやっていく中で、新規事業を任されるようになり、現在はDIGITALIOヘルスケア事業本部の責任者を勤めています。

※1:Medical Representatives(医療情報担当者)の略
医師や薬剤師などの医療関係者に対して自社の医薬品に関する情報を伝え、販売する役割

※2:Investor Relationsの略
会社の経営や財務状況についての情報や数字を投資家や株主に対して発信する役割

「enpas」に込めた想い

ーサービスを始めたきっかけはなんですか?
経営企画業務をしながら、電通本社や医療系代理店等の案件をサポートしている中で、東京大学や国立がん研究センターと共同研究をする機会をいただきました。そこで患者さんの機微な個人情報を活用し、いかにして医療の発展に繋げて行くかなどの研究をする中で、MR時代から考えていた「患者さんに近いサービスを作りたい」という想いが日に日に強くなっていきました。

その中で、神奈川県庁の実証事業の枠組みの中で、薬の処方データとLINEを活用して、神奈川県民向けに、個人の医療情報を管理する仕組みと、必要な情報を届ける「地域の情報サービス」を企画・提案する機会をいただきました。
結果、これが採択されたことで薬局と連携した患者さん向けサービス開発を始めることができ、今の「enpas」という基盤開発を進めることになりました。

ー一人ひとりの患者さんに合ったサービスを提供できるのはどうしてですか?
病院で出される処方箋の中には、その患者さんの住所や現在加入している健康保険組合、どこの病院からどの薬をもらったかなどのデータが入っています。今まではその情報が保険請求のためだけに使われていましたが、それらの情報をマーケティング利用できるようにするためのシステムがこの「enpas」になります。

ーその情報を使って具体的にどんなことができますか?
薬局外において薬剤師と患者さんとのコミュニケーション機会を提供しています。
忙しい薬剤師の先生方に代わり、enpas側で患者さんの状態をヒアリングするためのメッセージを配信し、メッセージの回答結果の中でリスクがあると思われる方については、しっかりと薬剤師がフォローするようなイメージでコミュニケーションをとることができます。

具体的には薬局からの「お薬ちゃんと飲めてますか?」という質問に対して、「飲めてない」という回答があった場合に、「どういうところが不安で飲めないのか」など、ある程度自動化してヒアリングする仕組みを構築することで患者さんの状態を簡単に・詳しく把握していくことができるようになります。

また、薬局に通っていない期間も糖尿病の薬を常用している人には、糖尿病のセミナーなどのイベント情報や、糖尿病の治療に関する情報など患者さんの状況に応じて最も必要な情報を提供することもできます。

その他にも、患者さんに対してLINE上だけでなくリアルの薬局店舗においても有益な情報を提供できるように、お薬の説明書と一緒に個々人に適したコンテンツを自動印刷できる仕組みを提供し、薬剤師を通じて情報提供することもできます。

このように患者さんに有益な情報やサービスを提供する分野で薬剤師の先生方の業務をサポートできる基盤を「enpas」と呼んでいて、このシステムがさらに全国の調剤薬局やドラッグストアで活用してもらえるようにサービス展開に取り組んでいるところです。


part1はここまでとなります。
最後までお読みいただきありがとうございました!
次回part2では、このサービスを展開していく上で大変だったことやそのやりがい、「enpas」のこれからについてお話を伺っていきます。ぜひご一読ください。


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