タイトル

サイウア(タイ)【旅すれば満ぷく/吉田友和】

第8回

3回の世界一周を含め各国を旅して回った吉田さん。自身を「食いしん坊」というほど食にもこだわりがあり、食を旅の重要なポイントと位置づける吉田さんが、世界各地で味わったオススメの「満ぷく料理」を紹介します!

第2、4金曜日更新
<著者:吉田友和>

 さっき届いた仕事関係のメールが「暑いですねえ」から始まっていた。今日は日本各地でこの「暑いですねえ」が挨拶代わりになっていそうだ。気象情報を見ると、当然のように真夏日とのこと。ハッキリ言って、こうも暑いと仕事をする気にはなれず、さっさと切り上げて冷たいビールをグビッとしたい。

 夏といえばビールである。先週末は近所に住む友人ご一家とバーベキューをしようという話になったのだが、色々あって室内での焼き肉パーティに変更した。屋外で蝉の音を耳にしながらグビッとするビールもいいが、涼しい室内で乾杯するビールもまた格別である。

 夏にビールとくれば、やはりバーベキューである。いや、BBQである、とアルファベット3文字表記にした方が個人的にはしっくりくるかな。BBQの食材というのはお決まりのようでいて、人によって微妙に違う気がする。キホンはお肉だけれど、中には海鮮がメインという家もあるだろう。お呼ばれして余所の家のBBQに参加すると、自分ちとは勝手が違ってカルチャーショックを受けることもある。

 我が家では夏になると旅先にキャンプ道具を持っていって、即席のバーベキューをする。食材は訪れた地の名物が主体だ。特産品のブランド肉だったり、島旅なら魚介類だったり。市場やスーパーへ立ち寄ってその場で買い付ける。田舎へ行けば、豪勢な逸品の数々が驚くような安値で売られていたりする。

 どちらかといえば肉の方が多いが、同じ種類のものばかりだと飽きるので、ソーセージなどの加工肉も適度に織り交ぜる。炭火で炙るようにしてじっくり火を通したソーセージが、これまたビールによく合う。あくまでも脇役ながら、さりげなく存在感のある食材と言える。BBQといえばソーセージも外せない。

 と、ここまで書いたところで、これまでの我が人生で何本のソーセージを食べただろうか、などというギモンがフト頭に浮かんだ。そんなの数えているはずもないのだが、美味しかったソーセージのことはよく覚えている。旅先でも割と出合う機会がある食べ物だ。ならばここで、ソーセージのマイベストスリーを選出してみようかなと思い立った。突発的かつ完全主観によるランキングである。

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