富山ブラック(富山)【旅すれば満ぷく/吉田友和】
第14回
3回の世界一周を含め各国を旅して回った吉田さん。自身を「食いしん坊」というほど食にもこだわりがあり、食を旅の重要なポイントと位置づける吉田さんが、世界各地で味わったオススメの「満ぷく料理」を紹介します!
第2、4金曜日更新
<著者:吉田友和>
岐阜の山奥に用事があって、一泊で旅してきたのだが、その帰り道で富山に立ち寄った。行きは東海道新幹線で名古屋経由だった。同じルートで帰るのもつまらないから、そのまま北上して日本海側へ抜け、富山から北陸新幹線で東京へ戻ってきたのだ。
富山駅へ着いたときには、ちょうどお昼時だった。新幹線へ乗り換えるまでには少し時間があるので、駅直結の商業ビルの中にある飲食店街へ向かった。スマホで調べたら、安くて美味そうな寿司屋を見つけたのだ。
北陸といえば魚である。のどぐろでもつまみつつ、昼から一杯やろうかな、などと目論んだのだが――なぜか寿司屋の数軒隣にあるラーメン屋へ入っていた。我ながら、方針がブレブレだなあと苦笑する。
アッサリ翻意したのは、「富山ブラック」という文字を目にしたからだ。ビビビッと心に響くモノがあった。数あるラーメンの中でも、ブラック系は大の好物なのである。寿司も惹かれるけど、なんとなく味の想像はつく。あえて挑戦するなら、ラーメンの方がおもしろいかなあと思った。要するにまあ、食べたくなったのですよ。
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