ペルソナ02

パナソニック「レッグリフレ」のPR動画に学ぶ、商品の機能ベネフィットを伝えるペルソナ

動画を使った商品プロモーションが増えてきました。特に家電製品は大きな変化を遂げており、購入前は購入判断用に、購入後は機能学習用に、それぞれ動画が活用されています。

商品の宣伝手法としての動画は、見た目や機能を一瞬で理解させることに長けていますが、そこにペルソナの要素が加わると、さらに消費者にとって理解が進む展開が可能になります。

今回は、商品の動画プロモーションにペルソナを活用している、パナソニック「レッグリフレ」の事例研究です。

パナソニックから出ている「レッグリフレ」は、エアーバッグ上のマッサージシートを足に巻きつけ、「足裏・かかと・足首・すね・ふくらはぎ」をもみほぐすマッサージ家電です。

商品ターゲットは女性で、持ち運びできる・場所を選ばないシート仕様であることから、仕事をしながら/くつろぎながら/家事しながら、リフレッシュできることをウリにしています。

コードレスタイプの製品発売に合わせて公開されたのが、動画コンテンツ「東京サヴァイヴ物語」です。この動画、なんと4人の商品ペルソナのストーリーで構成されているんです。

vol.1 1ミリ秒もムダにしない女 篇
桐ケ谷涼子(32)ペットアクセサリーブランドオーナー兼デザイナー
(時間に対する意識がとても高い性格)
→「仕事中でも5分で脚リフレッシュ」

vol.2 サングラスをなかなか外さない女 篇
井上ジェシー真波(23)パーティーオーガナイザー
(移動時間しかくつろぐ場が無い職種)
→「コードレスだから移動中でも脚リフレッシュ」

vol.3 “映え”を求め続ける女 篇
田中美玲(28)大手総合商社勤務 SNSマーケティングスーパーバイザー インフルエンサー
(ジムでストイックに追い込むのが趣味、ライフスタイルをSNSで発信している)
→「持ち運べるから運動後でもすぐリフレッシュ」

vol.4 “本物”を嗅ぎ分ける女 篇
来栖遥香(25)モデル ビューティ・アドバイザー
(足が商売道具のモデル業、ブランドネームより本物志向)
→「人の手でマッサージされているような心地よさ」

構成は情熱大陸のような密着インタビュー風で、ペルソナの仕事・趣味のシーンに加えて、レッグリフレを使用するリフレッシュシーンを追う1分程度のショートムービーになっています。

動画のポイントは2つあります。

①物語として商品体験を伝えている

もともと商品の紹介でも、「家でのくつろぎ中・仕事中・移動中」などの想定シーンが明記されていますが、ペルソナの日常の中に商品が位置づけられることによって、私たちは物語として商品体験を認識できます。

実際には純粋なペルソナというよりも、エクストリームユーザー(際立った特徴を持つお客様)気味のつくりになっていますが、ペルソナがあることで一般の商品紹介よりも印象深く記憶に残る内容になっています。

②訴求メリットがはっきりしている

この動画に出てくる商品の訴求メリットは、1つの動画で1つだけです。「移動中にコードレスで使える」「運動後にすぐリフレッシュできる」など、1つに絞り込まれています。

商品全体のPR動画とは別に、訴求メリットごとに対応するペルソナが登場するこの動画があることで、私たちは個別の「機能ベネフィット」を認識しやすくなります。


ビューティー・ヘルスケアの分野は、マーケティング上のペルソナ(社内理解用)をプロモーション上のペルソナ(市場訴求用)に転用しやすいので、出来のいいペルソナは積極的に使っていきましょう!


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