notoと本_テーマ編

「noteを書くこと」と「本を書くこと」の違い【テーマ編】

noteと本、好きなこと・得意なことを書いていく点では同じですが、求められるテーマは微妙に異なります。両方のプラットフォーム特性・カテゴリ分類特性・読者特性などを踏まえて、それぞれに合ったテーマを選ぶ時のポイントをまとめていきます。

このシリーズは、「noteを書くこと」と「本を書くこと」の違いについてまとめています。全体の目次はこちらからどうぞ★

①書くテーマの範囲

note→複数ある方が個性的

noteは、書くテーマが複数あった方が運営しやすいです。私の場合、自身の専門テーマが明確なので、テーマ決め打ちでマガジンから始めたのですが、これ一本だとマイページも告知もワンパターンに見えてしまい、なんなら自分自身でも見飽きることに…(笑)

そこで、noteのテーマは「週刊誌なアプローチ」が良いと考えるようになりました。いくつかのコンテンツがパックになって読めるメディアイメージです。これだとマイページに奥行きが出せて、フォロー獲得にあたり重要な人柄を出していくことができます。

本→ひとつの専門テーマ

本では、あるひとつのテーマに絞って書くことを求められます。営業なら営業、会計なら会計。書けるからといって営業の本に会計の話を混ぜてはいけません。1冊の中で取り扱うテーマを広げてしまうと、分量は確保できても中身が薄い本になってしまいます。

おすすめは、自分が強いテーマと出版社が強いテーマと合わせること。たとえば、営業本に強い出版社で営業本を企画すれば、企画会議が通るのも早く、書店での販売力も強力です。出版社のサイトには毎月新刊案内が出るので、それをチェックすると良いです。

②相性のいいテーマ

note→私的研究・事例研究

noteは何を書いていてもいい自由な場ですが、相性のいいテーマとして、私的研究・事例研究があります。いわゆる「行ってみた、試してみた これについてはこう思う」のようなSNSで受け容れられやすい記事は、そのままnoteでも歓迎されている感があります。

すなわち、「個人の体験をもとに感想をシェアし合う」ことが醍醐味なので、プライベートな記事を書いていてもぜんぜん大丈夫。逆に、作り込みすぎて外から入っていく余地が少ない記事はあまりnoteっぽくないので、目下のところ、私の課題になっています…

本→自分のノウハウ提供

本では、著者は専門家または先駆者であることを求められます。いったんはプロフィールで自分の立場を担保するのですが、中身に関しては「ノウハウの厚み」が重要になります。平均的な200ページの本の場合、(1テーマで)40個程度のノウハウが必要になります。

このようにビジネス書の制作はノウハウ量が勝負なので、収録する内容は「事例研究」より「普遍化されたノウハウ提供」が重視されます。「事例研究は参考まで」「(本編ではなく)コラムで」と判断する編集者は多いので、note内容が事例研究の人はご注意を。

③カテゴリ設定

note→まとめ記事のくくり

noteには、「○○記事まとめ」というテーマのくくりがあります。「○○」には「デザイン・エンジニア・フード・エンタメ」などが当てはまり、該当のタグを付けて発信している投稿を、運営者が選定してマガジンとしてまとめ運営しています。

このタグを意識していると、同じ志向性の人に読まれる可能性があるテーマがわかり、さらにその中でどういう記事が反響を得ているかわかります。私は初期にこの仕組みを教えてもらい、「マーケティング」タグを付けて書くようになりました。

本→棚のコーナーくくり

本は書店のいずれかの棚に収まることになります。「棚」はジャンルの番地を指す概念で、たとえば、ビジネス>プレゼン・資料作成のようなイメージです。棚のどこに収まるかは非常に重要で、当たり前ですが、客層が合っていない棚に入ると全く売れません。

そこで重要になっているくるのが「類書」の設定です。狭義では同一テーマの競合本を指しますが、広義では、テーマはもちろん、構成、著者としてのスタンスが近い本です。類書がどの棚に入っているのか、どんなタイトル・目次なのかを見て精度を上げます。

④読み手の特徴

note→書き手と読み手が近い

noteでは、クリエイター・ライターが多く参加しているせいか、書き手が読み手を兼ねていることが多いように感じます。他者noteの引用が多いのも、ふだんから他の人のnoteを読む習慣があるからこそ成り立っている文化。これって読む系のメディアでは珍しい。

そう思ったのは、オピニオンリーダーの参加率が高いと、どうしても発信中心の構造になり、書き手と読み手が分かれていくからです。構造はブログっぽいのに書く専・読む専に分かれていないプラットフォームというのは、noteならではの世界観だと感じました。

本→極めて一般の人想定

ビジネス書の読者ターゲットは、どんなジャンルでも「一般の人」想定。出した本は確実に売れないといけないため、できるだけ万人に当てはまるネタが求められます。これはベストセラー本の内容を見ると納得で、意外と「書いてあることはふつうのこと」です。

でもご想像通り、専門テーマを絞りつつ「一般の人」を想定するのは至難の業。とりあえず意識としては、いま自分が本職のビジネスで携わっている内容は、本の世界では相当専門性が高い内容、と思っておくとよいです。(もちろん専門家向けの本もありますが)

⑤テーマの可変性

note→反響次第で変更可能

noteは、書くテーマを柔軟に変えることができます。アップした記事の反響を見ながら舵取りを変えることができるので、後述する単行本のように一発勝負のプレッシャーはありません。自分がフォローしているユーザーの投稿も大いに参考になります。

ただ、テーマ設定が縦横無尽だと何の人かわかりづらくなるので、ショートプロフィール内に「書く範囲」を掲げておくのが良さそうです。エッジが立っている人は、ビジネスで携わっている業界、あるいは業態を明快に宣言しているように思います。

本→企画決裁後変更不可

本のテーマは一度決まったら変えることはできません。目次・構成は、はじめに固定したうえで原稿を書き出すことになるので、途中で作り直したくなっても、大幅な変更はできません。なぜなら、出版社の企画会議でテーマや発売月を決裁されているからです。

「いや、『途中で作り直した』という話をけっこう聞く」という方もいるかもしれません。それは制作進捗がとても悪いケースです(笑)。執筆中に作り直すパターンはそのまま企画ごと無くなる場合があるので、企画会議の段階がいかに重要なのかがわかります。

まとめ

note→本の視点

noteのコンテンツを軸に本を仕立てるには、専門性を絞り込む必要があります。たとえば、営業→目標管理・メンタル・アポ取り・紹介営業・インサイドセールス…など。どのキーワードで自分が専門家としての需要に応えることができるかを決めていきます。

この際、留意したいのは、「良くも悪くも今後そのキーワードでの専門家カラーが強くなる」ということ。私の場合、本の内容の中で「ペルソナ(づくり)」のウケが良かったことで、今はペルソナテーマを背負うようにしています。(ポジティブですが)

本→noteの視点

本の内容をそのままnoteにすると、意外とつまらなく見えることは前述の通りです。少し手間はかかりますが、noteのプラットフォーム特性に合わせて、noteならではの柔軟性・拡張性を活かしていく方が、楽しく記事を書き続けることができます。

本をつくっていれば、「泣く泣くカットしたネタ」や「間に合わなかった最新ネタ」があるはず。そうした制約上で書けなかったことを気軽に投稿できる場として、noteはとても解放感があります。私自身、著者のメディアとしておすすめできます!


読んでいただき、ありがとうございました!
「noteを書くこと」と「本を書くこと」の違い。【書き方編】【プロフィール編】もお楽しみに!目次エントリーはこちら。


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これはなにかの縁ですね!
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菅原大介|リサーチャー

リサーチャー|【マーケットをつくるリサーチ】をライフテーマに活動中|著書『ウェブ担当者のためのサイトユーザー図鑑』(マイナビ出版)|上智大学新聞学科→マクロミル→大手総合ECサイト広報|マーケティング/ユーザー調査/アンケート調査/ペルソナ/カスタマージャーニー/雑誌
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