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【そ】外と内の間にある壁

タイトル 50音縛り。
かるたみたいに、【あ】【い】【う】……で【ん】まで書くという遊びをしています。

第15回【そ】は、

外と内の間にある壁

突然ですが僕、『男はつらいよ』が好きじゃないです。

全体的に苦手ですけど、登場人物のほとんどが「わざわざ言葉にしなくても、気持ちは伝わる」と思ってるのが一番ダメです。

寅さんがたまーに下町に帰ってくると、みんな優しく出迎えます。いや表面上、口は悪いんですけど、みんな「仲間」である寅さんを内心、とても心配して思いやっています。

「あの下町の空気がいいんだ」って……僕は全然思えません。
だって、仲間を大切にする人達って「異物」は激しく排除する人達だから。

僕みたいな、「大切なことはちゃんと言葉にして伝えようよ!」って言う人は、あの下町では立派な「異物」です。
排除されます。

しかも排除しておいて、その乱暴さに気がつかないんですよね、ああいう人達。

ヤンキーが「仲間、大切!」って言ってるのを聞くと、「別のチームの人は仲間じゃないから大切にしなくてもいいんだね」って思います。
あれと、寅さんの下町は同じです。

仲間の結束を高めるにはどうしたらいいか?
答えは、共通の敵を作ることです。

よくあるやり口ですね。あれとか、それとか。

このやり口には問題があるということに、気づいている人は多いでしょう。

しかし、「仲間、大切!」って言う人は、仲間じゃない人は敵だ、と言ってることに気がつきません。

不思議とそっちの問題には気がつかないのです。やってることは同じなのに。

つまり何が言いたいかというと、

「仲間、大切!」と言う姿勢も共通の敵を作るやり口も、
【外】と【内】の間にある【壁】を高く強固なものにしようとしているという点において、同じ行為だということ。


さて。

僕は、【自分】と【世界】の間にバカ高くてぶ厚い【】を設けています。

そのため相対的に【仲間】と【敵】の間の壁は低いし、【家族】と【他人】の間の壁も薄いです。

【世界】の側にいる人それぞれを、他者として尊重しています。
ほとんどの人に、深入りしません。

誰が敵とか、誰が味方とか、あいまいです。
僕が揉め事を起こしにくいのは、そのためだと思っています。

最後に。

【外】と【内】の間の【壁】を高くも厚くもせずに、内側の結束だけを高める……それは不可能では無いですが、とても難しいです。

賢い人達が、たくさんの言葉を費やして、話し合い、ぶつかり合い、理解し合い、やっと至れる境地だと思います。

少なくとも、「わざわざ言葉にしなくても、気持ちは伝わる」なんて思ってる連中には、絶対に無理です。

めっちゃ簡単に言うと、

僕は、敵を作りたくないので、味方も作りません。ある意味、世界全部が敵であり味方でもあります。以上。

これが一番だと思うのですけど……うーん、伝わりましたでしょうか?🤔

壁の向こうには、どのように響くのだろうか。

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