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【系外惑星】結局、どこが住みやすいのか?

地球から脱出したい場合、火星という選択肢はしばしば上がってきますが、地球類似性指標(ESI)によれば、0.7程度で、それよりも高いいくつかの星を見ないわけにはいきません。

地球類似性指標は読んで字のごとく、地球と似ている惑星は、生命を育むのに適した環境を備えている可能性が高いと考えられることから想起されたものです。

例えば、地球と似ている惑星は、以下のようなものです。

  • 地球と同じくらいの大きさ

  • 地球と同じくらいの重さ

  • 地球と同じくらいの温度

  • 地球と同じくらいの距離に恒星がある

  • 地球と同じくらいの傾きで公転している

このような惑星は、地球と同じように、生命が存在するのに適した環境を形成する可能性があります。


ティーガーデン星b

ESI:0.95

ティーガーデン星bは、太陽系から約12光年離れた位置に存在する、スペクトル分類がM型の恒星であるティーガーデン星のハビタブルゾーン内を公転している太陽系外惑星です。2019年6月に、ドイツのゲッティンゲン大学のMathias Zechmeisterをはじめとした国際研究チームによって発見されました。

ティーガーデン星bは、ティーガーデン星の周囲を公転する最も内側を公転する既知の惑星であり、公転周期はわずか4.91日です。惑星の最小質量は1.05地球質量で、惑星の軌道が地球の視点から傾いていない場合、この値は真の質量となります。この質量のため、ティーガーデン星bは地球型惑星である可能性があります。また、その表面には液体の水の海が存在している可能性があります。

ティーガーデン星bは、地球に最も近い潜在的に居住可能な惑星の1つです。地球までの距離は12光年であり、将来的に直接観測や大気成分の分析などが可能になる可能性があります。

ティーガーデン星bの特徴は、以下のとおりです。

✓ 太陽系から約12光年離れた位置に存在する
スペクトル分類がM型の恒星であるティーガーデン星のハ✓ ビタブルゾーン内を公転している
公転周期はわずか4.91日
最小質量は1.05地球質量

ティーガーデン星bの存在は、生命の存在可能性を探る上で重要な発見です。今後の研究によって、ティーガーデン星bに生命が存在するかどうかが明らかになるかもしれません。

TOI-700 d

ESI:0.93

TOI-700 dは、地球から約100光年離れた位置にある、かじき座の方向にある赤色矮星TOI-700を公転する地球サイズの惑星です。2020年にNASAの太陽系外惑星探索衛星TESSによる観測によって発見されました。

TOI-700 dの特徴は以下のとおりです。

✓ 半径は地球の約1.2倍で、質量は地球の約1.72倍と推定されています。
✓ 主星から約2440万km離れた軌道を約37日で公転しており、主星のハビタブルゾーン内に位置しています。
潮汐固定の影響を受けており、常に同じ面を主星に向けていると見られています。

TOI-700 dの表面温度は、268.8 K(-4.3 ℃)または295 K(22 ℃)と推定されています。268.8 Kでは水は氷として存在しますが、295 Kでは液体として存在できます。そのため、TOI-700 dは液体の水が存在できる可能性のある惑星であると言えます。

TOI-700 dは、地球と同じような環境を持つ惑星である可能性が高いことから、生命の存在可能性も高いと考えられています。今後、より詳細な観測によって、TOI-700 dの環境や生命の存在可能性について明らかにされていくことが期待されています。

ケプラー1649c

ESI:0.92

ケプラー1649cは、はくちょう座の方向に約300光年の位置にある赤色矮星の恒星ケプラー1649を公転している太陽系外惑星です。2020年4月15日に、テキサス大学オースティン校のAndrew Vanderburgらによって発見されました。

ケプラー1649cは、地球と比較した時の大きさと温度の両方が近いことから「現在見つかっている太陽系外惑星の中で最も地球に似た惑星」と言われています。

大きさ

ケプラー1649cの半径は地球の1.06倍で、質量は地球の1.21倍と推定されています。地球の約1.3倍の大きさのスーパーアースですが、地球に比べると若干小型です。

温度

ケプラー1649cは、主星ケプラー1649から約0.0855天文単位(128万km)の距離を公転しています。これは、地球が太陽から公転している距離の約1/20に相当します。主星から近い位置を公転しているため、表面温度は約245K(-20℃)と推定されています。これは、地球の表面温度(約15℃)とほぼ同じです。

ハビタブルゾーン

ケプラー1649cは、主星ケプラー1649のハビタブルゾーン内に位置しています。ハビタブルゾーンとは、液体の水が存在できる温度の領域のことで、地球のような生命が存在する可能性が高いと考えられています。

潮汐ロック

ケプラー1649cは、主星ケプラー1649から非常に近い位置を公転しているため、潮汐ロックされている可能性が指摘されています。潮汐ロックとは、惑星が主星の重力によって、常に同じ面を主星に向けている状態のことです。潮汐ロックされている惑星では、常に同じ側が主星から照らされ、常に同じ側が暗闇に包まれます。

今後の研究

ケプラー1649cは、まだ多くの謎に包まれた惑星です。今後の研究によって、大気や表面の様子などが明らかになっていくことが期待されています。

TRAPPIST-1d

ESI:0.91

TRAPPIST-1dは、地球から見てみずがめ座の方向に39.4光年離れた位置にある赤色矮星TRAPPIST-1のハビタブルゾーンの内側付近を公転している岩石質の太陽系外惑星です。

地球の半径の約0.78倍、質量の約0.297倍と、地球と火星の中間ほどの大きさと質量を持ちます。表面温度は282K(9℃)で、地球とほぼ同じとされています。

TRAPPIST-1は木星クラスのサイズを持つ非常に小型な恒星であり、そのため、TRAPPIST-1dの軌道はTRAPPIST-1のハビタブルゾーン内に位置している可能性があります。

また、質量と密度が小さいため、水や氷、大気といった揮発性物質を含んでいる可能性があるとされています。

TRAPPIST-1dは、2016年にヨーロッパ南天天文台のトラピスト望遠鏡によって発見されました。発見当時は、TRAPPIST-1bとTRAPPIST-1cと共に発見されたと報告されましたが、複数の惑星の観測データが混在していたため、2017年2月にTRAPPIST-1dとして再発見されました。

TRAPPIST-1dは、地球に最も似ている太陽系外惑星として注目されています。今後の観測により、その居住可能性や生命の存在の可能性について、さらに詳しく調べられる可能性があります。

以下に、TRAPPIST-1dの基本的な特徴をまとめます。

半径:地球の0.784倍
質量:地球の0.297倍
表面温度:282K(9℃)
公転周期:約4.05日
軌道半径:約0.0223au(約333万km)
発見日:2016年5月2日

TRAPPIST-1dは、生命が存在する可能性を秘めた、非常に重要な惑星です。今後の研究により、その真の姿が明らかになることが期待されます。

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