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しあわせはきっと水色のフリース|旅のしたく

以下は年末の日記ですが、まずはみなさんが穏やかに今年を迎えておられることを祈っています。

2023.12.28 木
駅前にコーヒーを飲みにいく朝の9時。セールで買ったPatagoniaのフリースのクラシックレトロベストをおろす。フリースにしては毛足が短く、固め。丸洗いもできる。色は白なのだけど、袖まわりと裏地は水色で合わせるのが難しい。難しいと分かっていたのに、買ってしまった。僕は水色が好きなのだ。

僕は健康に悪くても好きだから唐揚げを食べるし、時間がないけど好きだからプロ野球を見てしまう。ひとには、そうしないほうがいいと分かっていることを、それでもするときがある。そういう水色のフリースみたいなものが生活にたくさんあることは幸せなのか、不自由なのか。人からは「それ、水色なの? 薄緑じゃん」と言われたりして。明日には水色が好きじゃなくなっているかもしれない。でもそういうものがあるから人間は人間でいられるのだろう。今水色のフリースが好きならそれで良いんだと思う。


2023.12.29 金
半日仕事で、メールを打ったり電話をしたりした。午後はキューバの詩人ホセ・レサマ=リマの長編小説「パラディーソ」を読みすすめる。隠喩だらけで今年読んだ本の中でいちばん難しい。でも文章がとてもうつくしい。

マミータの老衰は一種の若返りでもあって、澄みきった軽やかさへと向かっていた。夢から日常の現実へと、何の区別もなしに跳び移ることができ、それはあたかも、水の上を歩いて一人で遠ざかっていくみたいだった。

ホセ・レサマ=リマ. パラディーソ. 国書刊行会, 2022. p.27.

ところで家のトイレが壊れている。レバーを回すと、水栓になっている小さなボールが外れてタンクの水が流れる仕組みだが、このボールが元の位置に戻らない。ボールのストッパが経年劣化で破損しているのだ。使えないわけではないけど、いちいちタンクの中に手をつっこんで手動でボールを戻さなければいけない。業者の人に電話したら、部品のストックがあったら年内に直してくれるらしい。でも年内もあと数日だし、修理はたぶん年明けになるだろう。


2023.12.30 土
自転車で駅までいって、サンマルクカフェで考え事をする。餃子の王将でラーメンと半チャーハン、3個入りの餃子を食べる。食材の買い出しをする。ビールの棚の前で悩んで、常陸野ネストビールのセッションIPAとよなよなエール、水曜日のネコを買う。いろんな人がいろんなビールを作っている。でも、凝り始めると楽しくなくなっちゃいそうだからほどほどに。ところで、よなよなエールって聞くといつも一瞬「恋のマイアヒ」の「のまのまいぇい」を無意識に思い出します。リズムが似ているから。え、似てない?


2023.12.31 日
大晦日。朝がゆっくりで、昼前に家を出たら、業者の方から電話があり、トイレの備品があったので、なんと今日直してくれるという。14時には家に帰って、工事を見届けた。業者のおじさんはストッパを替えるついでに配管の虫ゴムも3つ替えてくれた。古いマンションなのでいろんなところにガタが来ているのだ。大晦日なのに本当にありがたかった。おかげで完璧なトイレで来年が迎えられる。

年越しのために珍しく料理をする。豚肉のブロックを塩麹に漬け込み、1日置いたものを茹でてマーマレードのソースをかける。もう少し時間をかけて漬け込めたらよかったけど。そんなこんなで年越し。



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