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Warby Parker

事業内容

概要

Warby Parker(ワービーパーカー)は、メガネ・コンタクトレンズのD2Cを行っている企業である。ウォートンの学生4人により2010年に設立されて以降、アメリカとカナダに展開しており、2021年にはニューヨーク証券取引所に上場した。
元々は、メガネのみのオンライン販売を行っていたが、コンタクトレンズを販売して欲しいという顧客の要望もあり(ワービーパーカーの顧客の4割はコンタクトとメガネを併用している(!))、2019年にはコンタクトレンズの販売も開始している。
Warby Parkerの創業者(Gilboa氏)は、バックパックで旅行していたときに、メガネを無くしてしまった。とはいえ、メガネの値段が高すぎたので、大学院の最初の学期中はメガネなしで過ごした。この時に、どうして「メガネの値段がiPhoneよりも高い」理由について、メガネ業界に携わるサプライチェーン上の企業が少ないからであるということに気づき、創業した。(参考1参考2)

チャネル

チャネルとしては、初期はオンライン販売がほぼほぼであったが、下記写真より2014年以降実店舗(オフィスや研究施設も含む)を増やしていることが理解できる。2021年では、161店の実店舗数になっている。(CEOのDaveGilnoa曰く、2022年には200以上の実店舗数になる見込みである)
※Warby Parkerは2016年にニューヨーク州に独自の光学ラボラトリーを立ち上げ、独自の製造を行うことを発表している(参考)

Warby Parkerの実店舗(オフィスや研究施設も含む)の推移

売上

Warby Parker2018インパクトレポート
Warby Parker2020インパクトレポートより

売上の推移を記載する。(2019-21の売上まではWarby ParkerのHPより取得できたが、他の年度については別ソース、ニュースを使用した。まら、2014年のみ推定が混じっている。参考1(2013,2014年売上)参考2(2015,2016年売上)参考3(2017年売上)参考4(2018年売上)
こちらのサイトより、2016年には実店舗売上がWarby Parkerの全売上のおおよそ半分に達したことが示されている。

プロダクト・サービスの特徴

ワービーパーカーの特徴としては、オンラインでの販売に絞ることでスタイリッシュなメガネを低価格で販売している。
また、販売方法として、最初に顧客が購入を検討している5つのメガネフレームを選んでもらって、それを郵送。気に入ったものを選んでもらい、返送してもらうという方式をとっている
また、2017年より処方箋チェックアプリを開発し、ユーザーが遠隔医療を用いて、視力検査を行うことができるようになった。2019年にはARを使用して、顧客が選択したフレームを自分の顔で見ることができる仮装試着機能を開始した。
示唆として、このように初期のプロダクトの磨き込みが終わり、プロダクトをスケールさせていくタイミング(2016年以降)において、顧客がプロダクトを利用しやすいような環境構築に取り組んでいることがわかる。

テッククランチ記事より


初期グロース戦略(2010-12年ごろまで)

1.有名雑誌(GQ,Vogue)に記事を書いてもらう

創業者らは、Warby Parkerが独自のブランドを構築するために、ファッショナブルな出版物に掲載されるのが良いと考えて、PR会社(「Bradury Lewis」)に依頼して、GQとVogueの雑誌にWarby Parkerを取り上げてもらった。2010年2月15日にWarby Parkerのブランドに関するWebサイトが立ち上げられたが、それと同時期にGQとVogueに記事を掲載してもらった。(GQの当時の記事(2010年2月28日)Vogueの当時の記事(2010年2月22日))
これに伴い、Warby Parkerは3週間以内に初年度の販売目標が達成できたという(参考)
CS(カスタマーサービス)業務のために、当時のウォートンのクラスメートを雇っていたそう(参考)。販売開始した初期に想像以上にwebサイトへのアクセスがあったため、webサイトがクラッシュしてしまった。その経験がWarby Parker内のCSを強くするモチベーションになった(参考)

2.Buy a pair Give a pairの開始

Buy a pair Give a pairとは、メガネが一本売れるごとに、メガネを必要とする発展途上国等の人々にメガネを一本寄付する仕組みである。
具体的な開始時期は不明だが、2011年10月に関連するyoutubeが投稿されていることから、かなり初期の段階から開始されていたことがわかる。(Warby ParkerのHP上には、day oneからと書かれているので、事業を開始した当初からこの仕組みを作っていたことも想定可能である)
2022年には1000万以上の寄付が行われている(参考)

3.Try 5 frames for freeの開始

消費者が購入を検討している5つのフレームが無料で郵送され、気に入ったもののみを購入することができるサービスである(前述)
 また、このサービスは、消費者が周りの人にどれが似合うのかをフィードバックをもらうだけでなく、フレームを試してどれが似合うのかをFacebookなどのSNS上でフォロワーに問うことで、「無料のインプレッション」として認知を広げていくことに成功した。(参考1,参考2)

D2C事業をする上での示唆

1.認知を高める取り組みをする

有名記事に特集される、自然とブランドを知らなかった人向けに広まるような仕組みを作る(SNSを使い、製品を利用しているところを拡散してもらう仕組みなど)

2.共感されるようなブランドイメージを構築する

社会貢献性の高い仕組みを作る、



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