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農業の6次産業化を目指す若手農家と石井食品が出会った‼ 環境問題にもつなげる2社の取り組み

たけのこ、玉ねぎ、お野菜の旬はどんどん過ぎて行きます。
ですが、過ぎて行く旬があれば迎える旬もあります。
今回、皆さんに知ってほしい旬の野菜は「とうもろこし」です。

収穫のタイミングはたったの5日という真っ白な「京都舞コーン」。
舞妓さんのように上品な白さをもち、
糖度18度以上の希少価値が高い品種に限定生産したとうもろこしを『京都舞コーン』として販売しています。

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石井食品(以下、イシイ)はこのとうもろこしと出会い、ファンになりました。
そして「京都舞コーン」を生産するロックファーム京都株式会社(以下、ロックファーム)と商品の共同開発を始めたのです。
その経緯などを、イシイの中でもロックファームと接する機会の多い行政(ゆきまさ)さんに聞いてきました。

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(ロックファームの方とお話をするイシイの行政さん→)

ロックファームは「農業の6次化」を目指す企業!?

---まずは、行政さんからロックファームという会社について聞かせてもらっていいですか?

「ロックファーム京都株式会社」さんは、「農業をカッコよく」をスローガンに活動している法人です。
農家といえば高齢化というイメージもあるかもしれませんが、
ロックファームは20〜30代という若手の方が中心となって活躍していらっしゃいます。また、兼業農家が多い昨今で、2019年からは法人化も達成し、専業で農家を営んでいるのも特徴です。

代表の村田さんは、元々農家の四代目でお父様も兼業農家として畑を守ってこられました。ご自身も消防士として働いていましたが、兼業農家を経て専業農家へ。そして今のロックファームという企業が生まれました。

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(←はロックファーム代表の村田さん)

「農業」という枠組みにとらわれず、「農業の6次化」に挑戦していらっしゃる「カッコいい」企業です。
6次産業化とは生産者(1次産業)が加工(2次産業)と流通・販売(3次産業)も行い、経営の多角化を図ることです。
1×2×3=6という意味です。

‐‐‐法人として農家を営んでいらっしゃるのは、イシイがお付き合いしている農家さんの中でも珍しいですよね。法人だからこそ感じることはありますか?

これは法人だからというよりロックファームだからこそなのかもしれませんが、
一言でいうと「数値化」にとても強みがあると感じます。
市場の規格に合わない農作物がどのくらい生産され、どのくらい食品ロスが起きてしまったのかなど、数値化された情報を多く残してくれています。
そういったデータをイシイにも共有していただくことで、さまざまな検証活動につながっています。

2020年は規格外のものでロスにつながったものが56500本もあったのだそうです。
おそらく一般の人が想像しているより多いのではないでしょうか?
今年はそのうちイシイで77%を使用する事を目標にしています。
そしていつか、ロックファームのイシイと力をあわせて京都舞コーンのロスを100%なくせないかと考えていて、本気で目標にしています。

---食品ロスの削減についてもう少し詳しく聞かせてもらっていいですか?

みなさんは、お店に並んでいる粒がそろった綺麗なとうもろこししか見る機会がないと思います。一粒でも揃っていないと売り物にならないんです。もったいない。

イシイは普段は市場に出ない、いわゆる「規格外品」と言われてしまうものも積極的に買い取り、スープに加工します。
さらに、京都舞コーンのスープは芯も煮出して甘みを引き出しています。
捨てるところがありません。
食品ロスの削減からさらに一歩進んで、「素材のおいしさを引き出す技術」にまで着手しています。 
舞妓さんのお肌のような白さが特徴の「京都舞コーン」

---この特徴的な名前の由来はやっぱり京都ですから舞妓さんですか?

そうです。舞妓さんのお肌のように粒が白いことからこのような名前になりました。元々ロックファームは九条ねぎの生産が得意だったのですが、九条ねぎは同じ場所で連続して栽培すると品質低下が起きてしまう、いわゆる「連作障害」が起きてしまう農作物なんです。
なのでその「裏作」として生産が始まりました。交互に栽培することでいい土を保っているのですね。

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(写真はロックファームの方々)

昨年、ロックファームが出荷したコーンの糖度は「20.8度」を記録しました。
一般的なりんごの糖度が12度~17度、メロンの糖度が13度~18度なので、
これは果物以上に甘いとうもろこしと言えるかもしれません。

京都舞コーンは収穫に適している期間はわずか5日間しかないと言われています。皮で包まれている形状ゆえに、成熟度合いの見極めが簡単ではないため、最高の状態で出荷するのは至難の業です。

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年に5日間しかない美味しい京都舞コーンが楽しめる期間を少しでも延ばしたい。せっかく貴重なコーンなので、廃棄になってしまう量をできるだけ減らしたい。そんなロックファームの想いと、イシイの取り組みがうまく合わ

--- フルーツ並みというのはぜひ食べてみたい!生でも食べれる柔らかさだと聞きました。この京都舞コーンのスープの製法に何かこだわりはありますか?

選別された京都舞コーンの鮮度をできるだけ落とさないよう、収穫したその日にイシイの京都の京丹波工場に運び込み、調理をしています。素材は京都舞コーンと、甘さを引き出す呼び塩のみ。イシイは今まで、玉ねぎスープ等も「素材と塩だけ」で製造してきた実績があり、これは得意分野です。

しっかりと素材の味が引き出されたこのスープは、とっても甘いので砂糖を入れているのではないかと勘違いされる方がいるくらいです。冷製でいただくと、さらに甘みを感じやすいので、ぜひ冷製スープとしても召し上がってみてほしいですね。

想いが通じる2社で協力し、日本の農業の将来を引っ張りたい。

--- ロックファームとタッグを組むことについて、行政さんの想いを聞かせてください。

ロックファームは、若くて新しいことにも積極的に挑戦されています。そんな姿勢はイシイとも通じるものがあると思っています。ロックファームが農業を、イシイがその農作物の加工を頑張ることで、双方がいい形でシナジーを生み出し、日本の農業を引っ張れたらいいなと思っています。

イシイはここ20年ほど環境問題にも取り組んでおり、環境方針・環境理念も発表しています。「SDGs(持続可能な開発目標)」という言葉が出てくる前からSDGsについて考えていたと言えます。

SDGsへの取り組みはイシイの事業の柱であり、ロックファームのような企業と一緒に活動を進めることで、より柱を強くすることに繋がると考えます。

--- こういった取り組みにおけるイシイだからこその強みはどこにあると感じますか?

私は現在、京都の高島屋に店舗がある「いしい」で京都舞コーンスープを販売しています。店頭に立つ前日には、京都舞コーンの農地に出向くこともあります。だからこそ、店頭ではお客様に農地の様子を手にとるようにお話しすることができるんです。そんな食品会社は、日本中を探しても多くはないだろうと思います。

昨今は、新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインストアの需要がますます高まっています。もちろんイシイもオンラインストアには力を入れています。
その一方、店頭でお客様と接するという価値も際立つと思います。実際に農地を訪問して得たリアリティを大切にしながら、これからもイシイの想いを伝えていきたいと思います。

--- 行政さん、ありがとうございました!

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(普段は京都高島屋の売り場にも立つ行政さん)

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京都舞コーンのスープと一緒に朝採れの舞コーンをお届け


そんなロックファームの京都舞コーンですが、2021年は7月1日から順次お届けします。
スープだけのお届けはもちろんのこと、貴重な京都舞コーンが3本ついたセットもご用意しています。

現在 (2021年6月18日)予約を受付中です。ぜひご賞味ください。