見出し画像

伝統文化と地域の名産がつながる。栗を通じて出会った「笠間焼」の魅力

茨城県の真ん中あたりに位置する笠間市。ここは2006年に、笠間市・友部町・岩間町の1市2町が合併してできた市です。ここには250年前から、特に旧岩間町エリアを中心に発展してきた長い歴史を持つ「笠間焼」があります。

毎秋のイシイの定番、地域の栗ごはんの素は、今年から初めての試みとして「お茶碗」とコラボします。栗はもちろん食べてよし。食べた後にお茶碗を愛でるもよし。今年の秋は、イシイと一緒に”味覚”だけでなく”芸術”も楽しむ秋にしませんか?

今回は、イシイの新たな挑戦にご協力いただいた、笠間で活動する陶芸家の馬目隆広さん(まのめ たかひろ/以下、馬目さん)のストーリーも交えながら、皆さんにおいしさと笠間焼の素晴らしさをお伝えできればと思います。

茨城県笠間市の栗

笠間焼は2022年で発祥から250年

笠間焼の歴史は古く、史実があるところで、始まりは1770〜1780年頃。なんと江戸時代まで遡ります。記録上は関東最古の焼き物の産地であり、滋賀県信楽から来た1人の陶芸家が、この地に住んでいた久野半右衛門という人と陶芸を始めたことから歴史が生まれます。笠間市には、日本三大稲荷の笠間稲荷神社があります。その参拝土産として広く親しまれました。

歴史は受け継がれ、陶芸や統治者などで文化的な共通点も多かった、栃木県益子町とともに兄弟産地とされ、日本遺産「かさましこ」と呼ばれています。

東京芸術大学卒業後から、この地を離れず陶芸家として活動しているのが、馬目さんです。

馬目隆広(まのめ たかひろ)さん

芸術家として、笠間一筋。地域に根差した活動に精を出す

大学卒業後、たまたま空いていた笠間のアトリエに入るため笠間市で活動し始めた馬目さん。以後、一度もこの地を離れることなく、芸術活動に勤しまれています。

茨城県は2011年の東日本大震災の影響も大きく受けた県。馬目さんは、笠間焼の窯の復興支援をする「Save Kasama Potters」や、箸置きを作成し寄付するプロジェクトに参画。また、この地域で250年前の姿を残す「笠間焼発祥の地・久野陶園」の存続のための活動を行う「久野陶園をやっていく会」のメンバーとしてクラウドファンディングも推進してきました。(現在はプロジェクト終了。)

また、今年の11月3日〜6日に笠間市で行われる予定の「陶と暮らし。」にも実行委員として精力的に活動されています。

馬目さんの活動は、作家としてだけでなく、住民として、作品を通したコミュニティ形成にも貢献しているのです。

馬目さんと石井食品の共通点は「地域を元気にしたい想い」

そんな馬目さんの活動を知り、石井食品としてはすぐに親近感を覚えました。私たちをつなぐキーワードは「地域」です。

石井食品も、熊本地震を通じた非常食のプロジェクトの発足や、生産量が少なく、その土地の名前を名乗る機会を失いかけている「地域食材」を広めることにもつながるハンバーグの開発など、エリアを問わず地域とのコラボレーションを行ってきました。

そんな石井食品が、すでに5年以上も栗ごはんでお世話になっていた茨城県笠間市を通じ、笠間焼とのコラボが実現したのは自然なことでした。馬目さんにとっては、食品会社とのコラボは初めてとのことなので、嬉しい限りです。

朝鮮半島由来の技法「三島手(みしまで)」を楽しむ3種類の紋様

笠間焼の特徴は「自由さ」。伝統にとらわれることなく新しい作風を受け入れる土地柄から「自由焼」とも呼ばれています。陶土の特徴から、仕上がりはとても頑丈になるため、食器などの日用品が多く生産されています。馬目さんのうつわの特徴は、温かみ。優しいアイボリーとこげ茶の飽きのこない色づかいは、使い込むほど愛着が湧いてきそうです。

紋様付けには「三島手」という朝鮮半島から伝わった技法を用いています。うつわが乾き切らないうちに花の紋様を押すことで紋様の下地を作ります。そこに、うつわを制作するために使用したものとは異なる質の土(化粧土)を埋め込むことで紋様をつける「象嵌(ぞうがん)」という技法で仕上げられます。「象」は”かたどる”、「嵌」は”はめる”という意味です。

この手間ひまかかる方法を用いて、3種類の紋様が段々とつけられています。食べ進めると少しずつ見えてくる紋様の変化をお楽しみいただきたいです。

深くなるにつれて変化する紋様

ごはん茶碗にしては高台(うつわの土台)が高めなのもポイントです。外側には大胆な刷毛(はけ)の筆でつけられた模様が入っています。持った時に手作りのうつわならではの手触りが楽しめます。

今回のごはん茶碗は手づくりの為、作品ごとに寸法や色合い・風合いが少しずつ異なります。うつわの個性も楽しみたいですね。

また、うつわはお茶碗以外の楽しみ方もおすすめです。「カフェオレボウル」などはいかがでしょうか?スープや紅茶、そして朝食のグラノーラなどを召し上がる際にもお使いいただけます。

笠間焼と笠間栗を、栗ごはんのためだけにブレンドされたお米で味わう

今回の笠間コラボを引き立ててくれるのが、笠間の栗ごはんの素のためだけにブレンドされた「お米」。五ツ星お米マイスターである片山真一さんに、栗ごはんにぴったりのブレンドを編み出してしていただきました。

栗ごはんというと、栗おこわのような餅米を混ぜたものを想像する方もいらっしゃるかもしれません。今回のお米には餅米は入っていませんが、お米の品種独自のもちもち感も楽しんでいただける仕上がりになっています。

こちらの商品は数量限定のため、完売いたしました。
その他にも笠間にまつわる栗商品は販売中です。ぜひご賞味ください。