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音楽だけで食べることに限界を感じている

一見ネガティブに見えるタイトルにしてみた。でもネガティブな文章ではないっす。「大変そうですね,,,」とか言われそうなタイトルなんですけど最後まで読んでいただけると助かります。めっちゃポジティブなエンディングにしました。
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大学に入った時、「プロミュージシャン」に憧れ始めた。すでにプロ/セミプロとして演奏をしている先輩が近くにいたからだ。

ピアノ弾き語りで、ブルースやジャズを歌う。若手のプロミュージシャンをバックに従えてライブバーで「ギグ」をする彼は、僕の身近なスターだった。それが僕の価値観に大きな影響を与えた。

「音楽で食う」

この一文にとにかく恋い焦がれたのだった。

実際に音楽だけで食えるようになったのはそれからずいぶん後。26くらいじゃないだろうか。結婚した当初はまだコールセンターで働いていた記憶がある。

音楽で仕事を始めてもらったときの嬉しさと言ったら忘れられない。六本木の高級クラブでピアノ弾き語りをする仕事だった。

21時から演奏を始めて、30分のステージを5回こなす。帰りは深夜になるのでホステスを送迎する車で僕も帰った。今思えばなんだかちょいワルな仕事で、楽しい記憶だ。

それも一度新卒で就職し、そして1年で退職した後のことだったから、結局、音楽で仕事をもらえるようになるのに5,6年はかかってしまった。

だからなおさら嬉しかった。「おれは音楽で仕事をしている!」と思うともうそれだけで軽いエクスタシィ。だって、夢が叶った気持ちだったから。

新しい仕事を得るたびに、大喜びして妻に報告した。

初めて音楽の収入が10万円を超えたときなんか、もうお祭り騒ぎ。

家の近くのシブい寿司屋に行ってお祝いをした。大した額を稼いだわけでもないのに、本当に大喜びした。妻も「やったねやったね」と褒めてくれたものだった。

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