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消えて無くなった認定制度 【いまでは半分覆面DI室 #055】

筆者は、とある認定を保持していたんですよ。
ファーマコビジランス分野の認定制度です。
履歴を見てみると、2015年から持っていたようです。
この認定を更新するために、毎年いくらか支払っていました。

ところがなんと、
こちらの認定制度、終了してしまいました。
制度自体が無くなってしまったのです。
制度がなくなって1年ほど経ちましたが、
こちらの団体のホームページには、
この制度があったことすら、どこにも載っていません。
すごいなー
なかったことに、なってしまったよ。


薬剤師のスキルアップの道筋として、
「①認定薬剤師・専門薬剤師の取得」と「②学会発表・論文執筆」
の2種類があると思います。
(もちろん他にもありますよ)

20年以上薬剤師をしている筆者の場合、
この①と②は、比較的同じ方向性だったと思います。
昔は、認定薬剤師って薬剤師研修センターの認定薬剤師しかありませんでした。
毎年、学会発表を続けていると、研修センターの認定シールも自然と集まってきていて、それほど苦労せず認定薬剤師になることができました。
また、学会発表の成果によって、論文を書くことができました。
その後、この10-15年くらいで、いくつかの認定制度が発足しましたが、
それまでの学会発表や論文がありましたので、
ある程度実績が残っていたおかげで、認定を取るためにはあとは試験だけ、
そんな感じでした。
「②学会発表・論文執筆」をやっていたから、「①認定薬剤師・専門薬剤師の取得」へ自然と進むことができたわけです。

まあ、昔の話をしても仕方ありませんが、
今の若い方は、どちらかというと
「①認定薬剤師・専門薬剤師の取得」の志向が高い感じです。

最近は、学会発表や論文執筆がなくても、
症例報告と試験が中心の認定制度が多いので、
認定を取るために学会発表する、
こんな考えの薬剤師が少ない印象です。

いや、それもいいと思いますよ、
目標を持たない若者が多い、なんて言われている時代ですから、
認定薬剤師の取得を目指して頑張り、
そして認定薬剤師を取得したら、それを更新することに努める、
全然、悪いことじゃないと思います。

正直なところ、学会発表なんてまったくやらなくても、
論文なんて1報も書かなくても、
更新していくことができる認定薬剤師は、ありますよね。

ですので、
「①認定薬剤師・専門薬剤師の取得」と「②学会発表・論文執筆」
は、キャリアとしては別の方向性になっているのではないでしょうか。

現場の指導者の立場としては、意識しておかないといけないです。


さて、私が更新していた、無くなってしまった認定制度の話に戻ります。

もし、取得して更新していた認定制度がなくなってしまったら、
あなたはどうしますか?

認定制度がなくなってしまったわけですから、
その認定薬剤師を名乗ることはできません。
ふつうの薬剤師です。

「そんなことないよ、急になくなったりはしないよ」

私も確かにそう思います。
認定する団体が、
学会であったり、薬剤師会である場合が多いと思いますので、
急になくなったりはしないでしょう。

でも、もし更新できなくなってしまったら、
配置換えで更新するための症例が集まらなくなったら、
しばらくお休みすることになってしまったら、
転職したら、
認定薬剤師を維持することができなくなってしまったら、
どうでしょう?

ここで、もうひとつの②の方の道なんですけど、
学会発表や論文は「実績」ですので、消えて無くなるものではありません。
配置換えがあっても、
転職しても、
定年退職しても、
「実績」は消えて無くなりません。
いつでも、自分の実績として残っています。

認定薬剤師・専門薬剤師になれれば、
学会発表とか論文執筆とかはいいや、
と考えている若手薬剤師がいましたら、
ちょっとだけ、「実績」のことを考えてみてください。


ということで、話を戻しますが、
いま薬剤師もいろいろな認定制度があるけれど、
制度が終わるとき、っていうのを考える時期なのかしれないですね。

とりあえず私は、今持っている認定を、
せこせこと更新していくようにします。
若手の発表も手伝ってあげないとね。



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