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2020年 ベストアルバム

あけましておめでとうございます。

去年には投稿する気満々だったのに気づいたら年越してました。2020年は正直なところ、あまりdigれませんでしたね。DIR EN GREYばかり聞いていました。では以下から、アルバム毎の順位付けは特にありません。

Awich - 孔雀

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最近Mステへの出演も果たしたマジお前誰柱こと最強HIPHOPクイーンAwichのフルアルバム。前作「8」で、既に力量は誰しも知るとこでしたが、#5「Open It Up」みたいな高速ラップから、#4「NEBUTA ft. kZm」みたいなバウンス系トラップチューン、トロピカルな#1「Love Me Up」やEGO-WRAPPIN'をサンプリングした#9「紙飛行機」。おまけに無知蒙昧な人間への警鐘を鳴らすような名曲#2「洗脳 ft. DOGMA & 鎮座 DOPENESS 」では前作に続き「馬鹿ばっかだ、全く」なんてパンチラインまで産み出しちゃって脱帽、もうこんなの誰も勝てませんね。このアルバムの後、すぐに出したEP「Partition」もめちゃくちゃかっこよくて脂乗りまくってますね。行く先が末恐ろしいです。メジャーでもめちゃくちゃしてほしい…!


Touché Amoré - LAMENT

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LAが誇る現代の最重要ハードコアバンドの最新作、通算5枚目。KoRnやSLIPKNOTとの仕事で有名なロス・ロビンソンをプロデューサーに迎えて制作された今作ですが、いつもの彼ららしい爆発的なエネルギーに彩られていつつも、確かな音楽的成長を覗かせます。それは静謐から徐々に激情を見せるリードトラック「Limelight」にも顕著に表れています。一方、ジェレミーのボーカルも前作以上に”歌心”を意識しながらシャウトの姿勢を崩しません。前作「Stage Four」はジェレミーの母親の死を強く反映したアルバムでしたが、今作は憂いを見せながらも、ポジティブなエネルギーに突き動かされる、そんなアルバムです。きっと彼らは、これからも硬い芯の部分を残したまま色々な景色を見せてくれることでしょう。そんなことを思わせてくれる傑作でした。必聴。


玲音 - 樹海の歩き方

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長崎のラッパー”玲音”のアルバム。幾度かUMB代表を勝ち取るなど実力は折り紙付きの彼ですが、その内容は彼の生活を想起させるようなヒリヒリとした感触に満ちています。酩酊しているようなフローで、病んでいることを隠さず、自身のリアルな姿を浮き彫りにしたラップを聞くと不思議とこの人は愛に向かっているんじゃないか、そんな印象を受けます。ハードコアバンドの客演などジャンルを超えたフットワークの軽さも魅力の一つですね。個人的お気に入りは亡くなった友人へ歌う#2「星のロンド feat. FREEZ, SION (prod. Bugseed)」と制作に1年をかけたというクラシック#16「樹海 (prod. 玲音)」。とりあえず下のフリースタイルの動画を見てぶっ飛ばされてほしい。

Arise in Stability - 犀礼/Does Again

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横浜のカオティックメタルコア、9年ぶりの2ndアルバム。長尺、難解が常のジャンルに置いて、このアルバムは多くの曲を5分~6分前後で起承転結を集約し、なおかつどの曲にもフックとなるようなメロディを取り入れています。最早”超絶技巧をひけらかすためのテクニカルさ”ではなく、”描きたい世界の為に必要な超絶技巧”といった具合で、散文、言葉遊びを駆使した歌詞も相俟って、誰にもたどり着けない唯一無二の世界観には磨きがかかっております。個人的なお気に入りは、月面に思いを馳せる鮮烈なOP#1「帰来 / Noise Heard in the Moon」と上でも紹介した玲音がラップで客演している#6「7. 遺物と解釈 feat. 玲音 / Magnetclock feat. Lain」。

owls - 24K Purple Mist

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東京のラッパーrkemishiとトラックメイカーGREEN ASSASSIN DOLLARのユニットの2ndアルバム。正直なところrkemishi氏の癖のあるラップが最初は少し苦手だな…と思っていたのですが、DOGMAと共演した#5「4:20 feat. DOGMA 」が気になり聞いているうちに、その癖がフックになりGADの煙たくも美しくムーディなトラックも相俟ってどっぷりハマってしまいました。基本的に大麻とハスラーのことしか歌わないのかなと思っていたら#9「blessin」の哀愁漂うリリックにはやられましたね…。チャラいけどリリシスト。同曲はリミックスでPVもあるんですけど、それもめちゃくちゃにいいです。ペース良く来年もリリースして欲しいな。

Role - Zohar

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フロム金沢、Roleの新作も欠かせないでしょう。厳密にいえばEPですが、ボリューム的にアルバムといっても差し支えないかと。これまでの作品で見られた静謐なパートは鳴りを潜め、クワイアのSEやブラストビートを駆使した苛烈と言えるほどの音の洪水、徹底的に寒々しいダークな世界観を提示しています。矢継ぎ早に変わる展開は目の前を豪雪が吹きすさぶよう。質感的にはブラッケンドハードコアが近いのですが、サウンドはモダンで泥臭さが薄く、メタルコアに近いHI-FIなサウンドで在りそうでなかったタイプの作品に仕上がっています。個人的に過去最高にプロダクションが冴えていて、前作のアルバムもこのクオリティで聞きたいなと思いました。


↑インタビューも読んでください。

kZm - DISTORTION

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YENTOWN所属ラッパーの2ndアルバム。いきなり#2「Star Fish」からゴリゴリにギターサウンド。#4「27CLUB feat. LEX」や#8「バグり feat. MonyHorse」など振り切ってハードな曲を披露したかと思えば、#14「Yuki Nakajo」や#15「鏡花水月」のようなメロウなトラック。更には#17「TEENAGE VIBE feat. Tohji」のようなキャッチーな歌物まで揃えていて飽きさせない。更にYENTOWNのラッパーや5lack、小袋成彬やまさかの野田洋次郎まで幅広いゲストを呼びつつも、しっかり曲に溶け込むキャスティングにしている点、非常にバランス感覚が良いのではないでしょうか。快作。

NOTHING - The Great Dismals

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アメリカのシューゲイザーバンド、NOTHINGの新作は「半端ない憂鬱」という題名の示す通り、コロナ禍の現代の世相を反映した作品になっています。重苦しさとヒリヒリ度合いは過去最高。前作がそこまでピンと来てなかった私にとってはドンピシャのアルバムでした。リードトラック#2「Say Less」のPVにも出てくるジャケの爺は誰なんですかね。怖い。上がってるPVは全部常軌を逸した様な内容になってます。キチ○イ。


↑この曲の途中で「渋谷メルトダウン〜😇」って歌詞出てきます。意味わかりません。


明日の叙景 - すべてか弱い願い

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東京のポストブラックメタル、明日の叙景の新作。こちらもRoleと同じくインタビューさせてもらいました。ブラックメタルの様式であるトレモロリフの美しさとブラストビートを保ちながら、既存の枠組みを飛び越えていきそうな軽やかさを感じさせる5曲のミニアルバムです。怒りと正気の狭間を行き来しながら疾走する#1「修羅」からメロディの煽情度は随一です。今年はまた新作を作るそうなので今から楽しみですね。

↑インタビューも読んでください。


以上9枚でした。これ以外にもGEZANとか、GHOSTEMANEとかDEFTONESとか、沢山あった気がするのですが、ベストと問われて回数聴いている作品を選出しました。

今年は我らがDIR EN GREYやsukekiyoの新作、C.O.S.A.や呂布カルマの新作が期待されますね。いつになったらライブもフルキャパで行けるようになるのか分かりませんが、やっていきましょう(?)。自己満記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。

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