0.はじめに(UAPディスクロージャーと2027年、2028年)
コーリーは2024年の今年が「限定的で引き伸ばされたUAPディスクロージャーにとってエキサイティングな年になる」というようなことを言っていました。この言葉自体、自己矛盾をはらんでいる気がしますが、コーリーの言葉とは裏腹に、個人的な肌感覚として、何かが起きる予感が全くありません。実際にデイヴィッド・グラッシュと40人の内部告発者たちの動きもなく、グラッシュが予告していたオプエドも出ていません。
また、最近のコズミック・エレメンタル存在についての話もまた、UAPへの関心を大きく減じさせるものです。「UAP=宇宙船=フリーエネルギー=奴隷解放」という単純でキャッチーな図式が崩れてしまうからです。しかし、最近ジョー・ローガンのポッドキャストに出演したタッカー・カールソンは、UAPについて、「ET」という言葉は用いず、「スピリチュアルな現象」や「超自然的な何か」と表現し、それに関わって人々が死んでいることから、「良くないもの」と表現していました。
タッカーにこういった話を吹き込んでいるのが誰なのでしょう?イーロン・マスクのハンドラーと同じイルミナティ系のエリートなのか?彼らの特権と支配体制を維持するために、やはりフリーエネルギーが最大のタブーになっているのでは?タッカーでもそこには切り込めず、UAPを「恐ろしい異次元の得体のしれない悪意ある存在」としてしか語ることができず、私たちを困惑させているのではないのか?などと疑ってしまいます。
タッカーの番組にグラッシュが出演していることを考えると、タッカーの情報源はグラッシュとその仲間たちということになります。コーリーによれば、アライアンスはグラッシュをバックアップしているということですが、確かにコーリーに伝わってきているトリックスター的なコズミック・エレメンタル存在の話と、タッカーのほのめかしている言葉には重なる部分が多いように思えます。
ある面ではそれは事実なのかもしれませんが、その先に何があるのか?これがフリーエネルギーの開放などの実生活の変化や実利につながらない、形而上学的な議論や恐怖ポルノにとどまるのであれば、多くの人は関心を失い、見向きもしなくなるでしょう。
コーリーによれば、UAP/ETディスクロージャーに大きな動きがあると噂されているらしい2027、2028年について、NYタイムズやデブリーフ誌にUAPの記事を書いた「表のディスクロージャーの推進者」であるレスリー・キーンは、別の視点から悲観的な予想をしています。
元の動画を確認すると、レスリー・キーンは「だからそれまでにやれることをやっておきたい」という文脈で上記の発言をしていました。恐怖を煽るような雰囲気ではなく、単に自分得ている情報から導き出された心配を語っているという印象です。しかし、人口増加や気候変動の影響を、3~4年後という時間枠で語るのは不自然です。彼女には何か隠している情報があるのではないでしょうか。彼女の「情報源」から3~4年後に何らかの社会の混乱が起きるということを聞いていて、人口増加や気候変動を言い訳としてこじつけているような印象を受けます。エリートのバンカー(避難壕)建設や持ち株売却の動きとも関係がありそうです。
以上がここ数ヶ月の動きであり、最近はコーリーの異世界の情報源からの通信もなく、特に取り上げるべき情報も出ていないように思います。記事の更新頻度が落ちたのはそのせいもありますが、実は、あらゆる情報に対する不信感と失望がきっかけとなり、そこに仕事の不安や過去のトラウマなどが重なって、焦燥や鬱で何も手につかなくなってしまっていたせいもあります。今はなんとか再び自分を奮い立たせようと努力しているところです。
今回は、このコミュニティでは誰も取り上げたがらないであろう、ある一冊の本について取り上げてみることにします。これは、多くの人が「知りたくなかった」と思う本かもしれません。
1.『Psychic Dictatorship in America』
この『アメリカの心霊的独裁』という本は、1930年代にジェラルド・B・ブライアンという人物によって書かれ、1940年に出版されました。
この本の内容について触れる前に、おさらいしておきたいことがあります。
①ここまでのおさらい
まず、映画『ネサラを待ちわびて』では、2000年頃の「ネサラ信者」たちが様々なチャネリング情報に依存する中で、「サンジェルマン信仰者」でもあったことが示されていました。
このナラティブはその後の世代にも受け継がれ、様々な尾ひれがつけられながらも、サンジェルマンとネサラは常に密接に語られてきました。
さらには、不気味な「偶然の一致」として、ネサラの伝説に20年以上前の「Q」の投稿が一枚噛んでいるという事実もわかりました。
そして、これらの「繁栄プログラム」や「金融システムからの解放」の伝説の源流は20年前どころか、約100年前にまで遡るということがわかってきました。
②賛否両論の書評
1940年に出版された『アメリカの心霊的独裁』は「I AM」の元信者ジェラルド・B・ブライアンによる告発本です。従って、「I AM運動」に対して批判的な立場で書かれています。この記事ではなるべくバイアスをかけずに、中立性を保ちたいので、最初にAmazonのレビューから賛否両方の意見を紹介しておきます。
これらの書評は15年くらい前のオバマ政権時のものです。この頃は一般的には「愛と光」を合言葉にするスピ系の人々は左派である傾向が強かったと思います。だからサンジェルマンのチャネリングでも、「オバマがNESARAに署名した」というナラティブが取り入れられていました。
低評価をつけている一人は、瞑想が趣味のスピリチュアルな人で、おそらくそういったチャネリング・メッセージを聞くのが好きだった人なのだろうと想像がつきます。最後の高評価のレビューをしている人は、「I AM運動」の持つ側面であった愛国・保守・キリスト教・金本位と、チャネリング・カルト・群衆扇動に相関関係を見出していた様子です。
③第1~2章(繰り返されるパターン)
この記事で一冊の本を丸々翻訳することはできないので、AIによる要約を利用したいと思います。ただ、AI翻訳や要約はまだ信頼性が低く、大事な情報を省略したり、原文に書かれていない情報を勝手に付け足したりすることがあります。そのため、プロンプトを工夫し、なるべく二重にチェックして、AIの回答には必要に応じて修正も加えています。
以上のような愛国者運動、救世主的指導者の存在、金品の約束といったテンプレートが、およそ100年経った今でも完全に繰り返されていることに誰でも気がつくでしょう。
④第3~4章(ウィリアム・ダドリー・ペリーと愛国ファシズム)
たまにアイアム運動とファシズムを結びつける言説が見受けられますが、厳密にいうと、直接関係はしていません。しかし、神智学が間接的にナチスの思想に影響していたり、バラード夫妻が称賛し、ラブコールを送っていたウィリアム・ダドリー・ペリーがファシストであったのは公然の事実です。
ニューエイジやスピリチュアル系、「ホワイトハット/Qプラン」カルトが100年間同じことを繰り返してきたことがわかります。今では「ブラックピル」、「闇落ち」といった言葉が信者を精神的に拘束する手法として使われています。
⑤第5章(アセンデッドマスターによる脅迫)
「7つからなる」という意味の「Sevenfold」という言葉を覚えておいてください。
⑥第6章(焚書)
1930年代に「金星の背の高いマスター(Tall Master from Venus)」がバラードのチャネリングに登場していたことがわかりました。これがアイアム運動が最初のUFO宗教と言われるゆえんです。
⑦第7章(見えざる敵との戦い)
ここでは何年か前から続いている、存在しない「ホワイトハット軍による子どもたちの救出作戦」や「カバールの大量逮捕」との共通性が見られます。
⑧第8章(果たされない約束)
そろそろ読んでいて吐き気がしてきた方も多いのではないでしょうか。毎週、毎月、毎年と繰り返されるネサラゲサラ、メドベッドなどの予告ですが、およそ100年前から繰り返されてきたことを知った上でそれに期待している「目覚めた人」たちはどれくらいいるでしょうか?
⑨第9章(アセンション教のはじまり)
アセンション教も2012年頃までかなり流行っていたのを覚えています。この時に「アセンション」で稼いだ出版社や占い師は多いでしょう。無料の情報源としては、当時、富士山とチャネリングしていると主張するブログが大人気で、私も「本当に何か大きな変化が起きるのかも」と興味を持ってよく覗いていました。結局2012年が終わっても何も起きなかったのですが、そのブログ主は自身が「アセンションした」と宣言していたのを覚えています。もう12年も前のことです。現在そのブログがどうなっているか、気になって検索してみると、体裁を変えてまだ存在していました。
当時のブログのタイトルは「アセンションになんとか」だったような?と検索すると、このブログについて書かれた別のブログ記事がヒットしました。
⑩第10章(UFO宗教のはじまり)
UFO宗教の色合いがだいぶ濃く感じられるようになってきました。繰り返しますが、これらはすべて1930年代の話です。
⑪第11章(ほらふき男爵の冒険)
ガイ・バラードの使ったゴドフレ(・レイ・キング)というペンネーム自体が、『ほら吹き男爵(ミュンヒハウゼン男爵)の冒険』の著者であるゴットフリート(・アウグスト・ビュルガー)のファーストネームに似ています。
おもしろいことに、ミュンヒハウゼン男爵は月面まで冒険するようです。
「19世紀末のルイ・ド・ルージュモンの例」については詳しく解説している興味深いサイトが有りました。シャーマン研究家として有名な宮本神酒男さんという方のサイトです:
⑫第12章(サンジェルマン伯爵とホワイトハットの原型)
この章ではどうやら「ホワイハットがすべてを掌握している」というテンプレートの原型が、神智学協会の唱えていた「ホワイト・ロッジ」のアイデアにあるということがわかりました。
ブラヴァツキーと神智学協会についてまだここでは深堀りしませんが、バラード夫妻がそのフォロワーであり、二番煎じの亜種であったことは確実だと思います。ガイ・バラードの1934年の著作『ヴェールを剥がれた神秘』も、1877年に刊行されたブラヴァツキーの著作『ヴェールを剥がれたイシス』のタイトルをパクったのでしょう。
補足:受け継がれる「アセンデッドマスターの教え」
ウィキペディアの「アセンデッドマスターの教え」は、神智学協会を起源としてアイアム運動が広めた思想がよくまとめられています。しかし、どこまでが神智学協会のオリジナルのアイデアで、どこからがアイアム運動によって付け足されたアイデアなのかは不明です。
エリザベス・クレア・プロフェットは、サンジェルマンが阻止するはずだった第2次世界大戦の勃発によって挫折したバラード夫妻のアイアム思想のエレメントを受け継ぎ、その子どもや孫の世代に復活させたような人物でした。また、彼女は核戦争の勃発を予言し、信者たちに地下シェルター建設を勧めていました。
結局この予言は成就することなく、アルツハイマー病と診断された彼女は1999年に表舞台を去り、その10年後に亡くなりました。
⑬第13~14章(オリジナルは別に存在した)
「I AM」の教えのオリジナルは、バラード夫妻ではなかったということです。実際にBaird T. Spaldingの本『Life and Teaching of the Masters of the Far East』では「I AM」についてこのように述べられています:
⑭第15章(アセンデッドマスター商法)
ガイ・バラードによって編み出されたこのアセンデッドマスター商法は、約100年経った今でも現役です。
⑮第16章(集めたカネの行方)
「我々に100万ドルの現金を!税金は免除で!」のディクリーは、まさにネサラゲサラの原型といった感じです。
⑯第17章(霊媒を利用して金鉱探し)
これが1930年代に書かれていたことに改めて驚きます。この「奇妙で空想的な混成物」は、インターネットの普及によって、1930年代とは比べ物にならない量・頻度・範囲でフィードされ、私たちの脳と心身を蝕んでいます。そしてSNS上には、バラード夫妻の生き写しのようなインフルエンサーたちが溢れかえっています。
中立的な立場で客観的に見ても、この本で告発されていることが事実であることは、今の状況が証明しています。まさに「時が過去を証明する」です。
一体何が起きているのでしょうか?これは単に一世紀経っても成長しない人間の愚かさに過ぎないのでしょうか?それとも、人間の寿命や時代を超越した何らかの詐術的な存在の働きによるものなのでしょうか?
後編では、『Psychic Dictatorship in America』の残りの章を読んでいくとともに、失敗に終わった「Qムーブメント」との奇妙な関連性について明らかにしていきます。
後編を待つ間、I AMムーブメントについてよくまとめられたこちらの動画を見ておくことをおすすめします: