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個性的な登場人物の冒険に魅せられ、 自分も中学時代に戻りたくなる青春小説

こんにちは! eコマース事業部の伊東です。今週の更新は、ちょっと更新が遅くなってしまいました…。
今日のnoteは、ディスカヴァースタッフのおすすめの1冊です!

営業部・橋本のおすすめの1冊

個性的な登場人物の冒険に魅せられ、
自分も中学時代に戻りたくなる青春小説

「中学生の夏休み」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろう。
自分がかつて過ごしたはずの中学生の夏休みを思い出そうとしても、ぼんやりとした記憶しか出てこない。それなのに、ノスタルジーを感じるのはなぜだろうか。

君と夏が、鉄塔の上』は、鉄塔マニアの地味な中3男子、伊達が主人公のひと夏の物語だ。
ある日伊達は、自転車で空を飛ぼうとするなど奇抜な行動が目立つ女子、帆月から「鉄塔の上に男の子が座っている」という話を聞かされる。
幽霊が見えると噂の不登校のクラスメイト、比奈山も加わって「鉄塔の上の男の子」の謎を解く夏休みがはじまるのだが、これが一筋縄ではいかなくて――。

これは爽やかな青春小説であり、和風ファンタジーであり、不思議な冒険譚であり、若者の成長物語でもある。
この本を読んでいると、「中学生の夏休み」にノスタルジーを感じる理由がだんだんとわかってくる。いや、思い出す。
あの頃の私たちは、一日いちにちが真剣で、大人になった今では何でもないようなことにドキドキしたり、ためらったり、喜んだり、落ち込んだりしていた。

そんな複雑な毎日を乗り越えられてしまったがゆえに、私たちは「中学生の夏休み」にノスタルジーを感じるのだ。
そのノスタルジーを、和のモチーフや不思議なできごと、軽妙な会話回しを使って思いっきり揺さぶってくるのが、『君と夏が、鉄塔の上』なのである。

揺さぶられすぎて、何回も読んでいるのに、読後しばらく自分の世界に浸ってしまった。
じわじわと思い出してきた、私の夏の日々。
むわむわとした体育館、部活の顧問に怒られて、自分がふがいなくて泣いてたな。
テレビを見ながら宿題をして、親に怒られて、妙にイライラしてけんかしてたな。
地元の夏祭りに友達と行って、好きな人が来ていないかこっそり探したな。
最近はやりの「エモい」という言葉では表現しきれない、この気持ちはなんだろう?

これは、時々思い出さないといけない感情な気がした。
願わくば、中学生に戻ってこの本を読んでみたい。
いったいどんな感想を自分は抱くのだろうか。


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