第20回・設定狙いにおける上ブレバイアスについて。~「閉店完走」のデータは実際に打った設定以上に良くなるのが当然~

ども、くろっくです。

今回は、設定狙いにおいての上ブレのバイアスについてです。

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以下のような条件で設定狙いをするとします。

・全台系ではなく単体狙い(ピンポイント角2など)
・結果的に高設定濃厚で閉店まで完走する

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この時の「閉店まで完走した際のデータ」にはバイアスがかかっています。

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もしも設定4を打っていたのならば。
閉店まで完走した時のデータは4以上に上ブレるのが当然です。

もしも設定5を打っていたのならば。
完走時は5以上に上ブレるのが当然です。

もしも設定6を打っていたのならば。
完走時は6以上に上ブレるのが当然です。

ということは・・・

「完走時データが設定6に近似したとしても、実は設定45でしたという可能性は思ったよりも高くなる」ということです。

※ただし全台系の場合はどれだけ下ブレようとも周りの挙動で続行できるのでバイアスはかかりません。
全台系でなくとも「あの台が出てないならこの台は強い」など他の台との兼ね合いがある場合もバイアスは弱くなります。

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どういうことか?

例えば「今日はマイジャグの角2に70%の確率で設定56が入る」とします。(設定5:6=1:1・他の台との兼ね合いは一切考慮しないと仮定)

この角2を0回転から打つとすると....
最初の0~2500回転ぐらいで極端な下ブレが来る可能性も全然あるわけですよね?

最初の展開が極端に悪ければヤメざるを得ない。
そうすると必然的に閉店まで完走することはできないわけ。

すなわち、上の例で「閉店まで完走する」ということは「最初の0~2500回転での極端な下ブレは絶対に発生しない」ということ。

もしも0~2500回転で極端に下ブレた場合は撤退するしかないですよね。
すると閉店まで完走できないのでノーカウント扱いになるわけです。

・0~2500が相応に出る=完走時のデータとしてカウント
・0~2500が極端に下ブレる=完走不能なのでノーカウント

だから、「完走時の0~2500回転はバイアスがかかっている」というわけです。

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マイジャグの例で言うと、最初の1200回転でB2.R1とかならばヤメざるを得ないですよね?

もちろん設定56の自信が90%ならば続行できるかもしれない。
けれど70%程度ならば撤退するしかないでしょう。

あるいは2000回転.B6.R3とか。2500回転B8.R4とか。
自信が70%程度ならば普通に捨てるはずです。

とはいえ、この程度の下ブレなんて全然ありえる話ですよね?

つまり『0回転から「マイジャグ70%で56」を回して閉店まで完走できた場合は、最初の0~2500回転はバイアスがかかっている。だから完走時は上ブレるのが当然。』ということです。

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【0~2500回転の分布を下のように仮定】
・非常に良い=15%(仮)
・良い=25%(仮)
・普通=30%(仮)
・悪い=20%(仮)
・非常に悪い=10%(仮)
【"非常に悪い"をノーカウント】
・非常に良い=17%(仮)
・良い=28%(仮)
・普通=33%(仮)
・悪い=22%(仮)
完走時の0~2500回転のデータは上ブレが当然
【"悪い"&"非常に悪い"をノーカウント】
・非常に良い=21%(仮)
・良い=36%(仮)
・普通=43%(仮)
完走時の0~2500回転のデータは超上ブレが当然

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「まだ良く分からない」という人もいるでしょう。

では、ここでスロットの設定狙いを抽象化した問題を出してみます。

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あるくじ引きゲームがあるとします。

【前提】
・50%で〇が出る。
・50%で✕が出る。
・1~3回まで引いて〇=0.✕=3ならば強制終了。
・1~6回まで引いて〇=1.✕=5ならば強制終了。
・1~9回まで引いて〇=2.✕=7ならば強制終了。
・20回引いた時点でゲーム1回が"完走"。
・10~20回目には強制終了の契機は存在しない。

ここで問題です。

【問題】
20回引くゲームを1億回"完走"したとする。
この"完走時"における「〇」の比率は何%か?

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ここで問いたいのは、「設定狙いで閉店まで完走した時のバイアス」です。

〇=0.✕=3、〇=1.✕=5、〇=2.✕=7で撤退するのは「最初に下ブレたので撤退せざるを得ない」という解釈で良いです。
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正解から言っちゃいますね。

【正解】
「〇」の占める比率は52.11%
。(「✕」の占める比率は47.89%)

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普通に考えれば、〇は50%で良いはずです。

しかし20回"完走"したということは「1~9回までに極端な下ブレが存在していない」ということ。

それゆえに1~9回における〇の確率は優遇されている。

結果として、20回完走時の〇の確率は、本来の50%から52.11%に上ブレするわけです。

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【くじ3回終了時】
=〇12ー✕12
①〇〇〇 ・②〇〇✕ ・③〇✕〇
④✕〇〇 ・⑤〇✕✕ ・⑥✕〇✕ 
⑦✕✕〇 ・⑧✕✕✕ 
【強制終了で〇=0.✕=3が撤退】
=〇12ー✕9
①〇〇〇 ・②〇〇✕ ・③〇✕〇
④✕〇〇 ・⑤〇✕✕ ・⑥✕〇✕ 
⑦✕✕〇
【くじ6回終了時】
=〇180ー✕156
〇=6.✕=0 1通り
〇=5.✕=1 6通り
〇=4.✕=2 15通り
〇=3.✕=3 19通り
〇=2.✕=4 12通り
〇=1.✕=5 3通り
【強制終了で〇=1.✕=5が撤退】
=〇177ー✕141
〇=6.✕=0 1通り
〇=5.✕=1 6通り
〇=4.✕=2 15通り
〇=3.✕=3 19通り
〇=2.✕=4 12通り
【くじ9回終了時】
=〇2052ー✕1764
〇=9.✕=0 1通り
〇=8.✕=1 9通り
〇=7.✕=2 36通り
〇=6.✕=3 83通り
〇=5.✕=4 120通り
〇=4.✕=5 108通り
〇=3.✕=6 55通り
〇=2.✕=7 12通り
【強制終了で〇=2.✕=7が撤退】
=〇2028ー✕1680
〇=9.✕=0 1通り
〇=8.✕=1 9通り
〇=7.✕=2 36通り
〇=6.✕=3 83通り
〇=5.✕=4 120通り
〇=4.✕=5 108通り
〇=3.✕=6 55通り
〇=2.✕=7 12通り

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完走時の1~9回での〇の出現率は54.692%。(〇2028ー✕1680につき)

・くじ1~9回目=〇出現率54.692%
・くじ10~20回目=〇出現率50.00%

したがって....

くじを20回完走できた時の〇が占める割合=52.11%

このように、本来の50%から上ブレするわけです。

ちなみに.....
・10回で完走扱い = 〇出現率54.22%
・30回で完走扱い = 〇出現率51.41%
・50回で完走扱い = 〇出現率50.84%


「バイアス区間:非バイアス区間」が薄まれば薄まるほどに本来の〇出現率に近づいていきます。

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設定狙い(単体)においても理屈は同じです。

〇=0.✕=3、〇=1.✕=5、〇=2.✕=7が最初の0~2500回転で出たら....
撤退してノーカウント扱い。

それ以外の「マトモな展開」はカウントする。(閉店まで完走するので)

そうすると....

・0~2500回転=〇出現率はその設定より高くなる
・2501回転以降=〇出現率はその設定通り

くじの例題で「50%→52.11%」と上ブレたように、「4→4以上のデータ」「5→5以上のデータ」「6→6以上のデータ」と完走時は上ブレます。

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とはいえまあ、9000~10000回転も回せば「バイアス区間:非バイアス区間」の割合は薄くなりますからね。

問題は、打ち始めが遅くて6000~7000回転程度しか回せてない時です。

回転数が物足りないので「バイアス区間:非バイアス区間」の割合が濃くなってしまいます。
6000~7000回転の場合は「相応の上ブレバイアスが発生する」と考えた方が良いでしょう。

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では、ここらへんで。


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