ブートレグの身体:ブートの魂が戻るべき器の再定義の試み

 この度、二宮友和さんのソロ名義「トンカツ」の初音源をリリースさせていただくこととなりました。

 このブログで何度となくeastern youthへの愛を綴ってきました。そんな私なので、二宮さんの活動に携われ新たな門出を一緒にスタートすることができて本当に嬉しいです。

 さて、今夜は、なぜ私が「夜の森」を始めようと思ったかという話を少ししようと思います。ブートレグ(以下、ブート)とは海賊盤といって違法にダビングされたライブ映像や音源です。そう、二宮さんの対談でもありましたが、僕の小さい頃でも(約20年前とか)カセットテープ(以下、テープ)のダビングのダビングのようなブートが先輩や友達の兄から回ってきたものです。現在ではテープはブートの身体としての役割を終え、youtubeなどの動画サイトがその役割を担っています。トレンド的な「とがった」表現やアイコンとしてリリースされたテープのどれだけがその再生能力を発揮しているかはそっと傍において(これはテープの再生能力という、とても興味深い領域であり十分な議論が必要でしょう)、ブートは、どうやらyoutubeなどの出現により身体を失いつつありました。また身体はPCでは?という問いほど不毛なことはないでしょう。PCは様々な機能を持ちブートをブートたらしめるだけの身体性のアイデンティをブートに保証してはくれないのですから。

 「ブートレグ」はそもそも、アメリカの禁酒法時代に酒ビンをブーツの足首に忍ばせたのが語源です。禁酒法時代にも似たディストピアのような閉塞感が漂う現代にブートは身体を探していました。そして、もう一度、身体を取り戻すために原初的な身体を求めました。そして出会ったのが器でした。身体とはまさに器です。そして魂は音楽であり、器に注がれたものを指すでしょう。

こうして夜の森を立ち上げることで蕎麦猪口と音源という形を再発見し、ブートに器という原初的な身体を与えることに成功しました。

 しかし皆様お気付きのように、これは完全なる成功ではありません。なぜならブートの魂である歌はまだPCに繋がれたままであるということです。しかし長いブートの歴史に新たな身体のあり方を提示できたと考えます。

 みなさんも是非トンカツの歌を聴きながら「夜の森」のそば猪口でお好きな飲み物をどうぞ。そうすると、今まで私が綴った文章がすべて詭弁の類だと気付き、どうでもよくなり気持ちよくなってくると思います。トンカツのユーモア溢れる歌の世界に是非浸ってほしいです。魂はまさにそこにあります。

それでは、この辺りで。

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『レトリックの甘い罠』kazuki hashimoto

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