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解体新書 5

自身が得たインプットは使ってナンボ。自分の言葉・自分の血肉として得たものを活かす。そのアウトプットの場としてnoteに週5更新という目標を立て100日の継続を終えました。

節目という事もあり、ここらで改めて、自分のルーツ「ごとうはなぜ子育てを熱く考えるようになったのか」「ごとうのしたいことは何なのか」を振り返る機会を何度かに分けて作りたいと思います。

これまでも自己チューだった本noteが更に自己チューになるとは思いますが、宜しければお付き合いいただけると幸いです。

▼ごとうと 父親の背中
▼チームであり 社畜であり
▼世の全てを憎もうとした 出産直後
▼FJとの出会い と 転換期
▼ボスで変わる!確信が実感へと変わった瞬間←Today's theme!
▼娘達へ

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PART5 ボスで変わる!確信が実感へと変わった瞬間

FJに関わるようになってから様々な経験をしました。その中でも大きなものとして、「これまで通りの生活では出会うことがなかった人々」と繋がり、時には手を取り、時には意見を交換し…という機会が増えたことがあります。

会社員として、家と事業所の往復で終わる日々。時々イベントに出かけたからと言っても、それはあくまで非日常の話。そんな毎日の繰り返しではまず考えられなかった繋がりが出来ることで、自分の選択肢・頭の中の引き出しがどんどん増えるのが実感できました。

そうなると自分の中でどんどん印象が変わる人も現れます。その中で、最もドラマティックに印象が変わった(というか気づかされた)のが「~長」とか「経営者」といった、所謂ボス層の方々。前々回位にも書きましたが、どちらかというと僕がこれまで”あまり信用してこなかった”側の人たちです。

これまでの簡単なまとめ

僕の中の管理職とか経営者は下記のようなイメージでした。

・ノルマが行かないと暴力⇒テレビの影響⇒実例もあった
・精神的に追い詰める⇒夫婦実体験 メディアの描き方
・育休、イクメンは敵⇒あの手この手で嫌がらせ
・社員はコマ⇒変わりは幾らでもいる⇒コマの暮らしなど考える暇がない
・カネ、金、かね、KANE…⇒極端な数字崇拝主義
・子どもの熱⇒会社の利益にならない・邪魔者
・嘘をつく⇒HP「社員満足を~」⇒実情は年間離職2桁がデフォルト
・家族の愛情が失われる⇒それを嬉々として武勇伝とする
・子供に懐かれない⇒そもそも子育てに関与していないから
・滅私奉公できない⇒裏切り者(自分たちも出来なかった腹いせ?) とか

言い方は悪いですけど、諸悪の根源くらいに思っていたかもしれません。これまでの経験しかベースにありませんでしたので…。

でもそれが、世界が広がるにつれ、ぶっ壊れ始めたんです。

講演会で会った女性管理職さん

前回書いたKさんの講演会で隣に座った女性管理職の方。グループワークで肩書を見て、「ああ、この人もボスね…」「どうせ~なんでしょうに…」と少し警戒を強めてしまう自分がいたのを覚えています。

でもその方から、名刺交換後の開口一発聞いたセリフは「社員もハッピーになれる組織づくりをしたい!」という感じの一言。うろ覚えではありますが、そんな根っこの思いが伝わってきたんです。

正直びっくりしました。「え?こんな管理職いるんですか?」と。僕のモデルケースとなった初めての上司、そしてFJ経由で出会った2人の大ボス以外、そんな視点のボスに僕は出会ったことがなかったので。

興味を持ったので色々話していると、それから数年後、盛岡市が主催するワークライフバランスコンサルタントセミナーでこの方と再会することになります。
※覚えてないだろうなぁ~きっと(笑)

その時に、「あぁ。こんなに本気で”どうにかしなきゃ!”と動いてくれるボスがまだいるんだ」と。そしてその為に動こう!としている熱い人たちが、こんなにも多くいるんだ!と。懇親会で意見を交わすと、その場に来ていた多くの社長や管理職の皆さんは、みんな、それぞれそうした思いを持って来ていたことに気付きました。同時に、自分のこれまでの視野の狭さも自覚でき、そんな自分への「お前何やってんだよ」という自己叱咤も…。いずれにせよ、実は目の前にも希望が転がっていたんだ!という事実に、ともかく心が躍ったのを覚えています。

あれから数年経ちましたが、Kさんの講演会で隣席だった彼女の会社は、今や県内有数の「働き方改革先進事例」の発信地となり、僕も何度かセミナーでご一緒する機会を頂戴しました。

そして、以降もそのようなボスに沢山会うことが出来ました。

社長室の前に社員みんなで縁日をやったときの写真を巨大に飾り、「この笑顔が見たいから」といつも嬉しそうに語るボス。

代理店をけん引する立場でもあるという自覚の元、「我々だけが改革しても意味がない。代理店さんも仲間なんだ!」と好事例の発信に積極的な支店長。

企業融資等に留まらず、中小支援を女性活躍やワークライフバランス視点まで広げ、機会創出と自社改革に汗をかく銀行マンと銀行ウーマン。

他にも沢山、書ききれないくらいにそんな熱い方々と出会いました。

僕の中での「ボス像」がどんどん壊れていきます。そして確信しました。

僕はブラックなボス達を断罪したいのではない。こういうハートフルなボスを増やしたいだけなのだ。と。

それまでどちらかというと、僕の発想は「被害者の会」的な側面があったと思います。講演にしろ研修にしろ。でも、その裏には実は「誰もがハッピーになれる風土を作りましょうよ!」という思いがあって、でも僕はそれに気付けていなくて、「おい、どうにかしろよ!」「ブラック企業をぶっ壊せよ」という、単一的な発信しか出来ていなかったんだなぁ…と。

勿論、これまで妻が受けたような体験や、知人友人でひどい目に遭ったケースを許すわけにはいきませんし、多分一生許せないと思います。でも、だからと言って加害者をぶっ潰して…だけでは、この問題の根本は解決しないんです。

どうせなら、みんなでハッピーになれる組織づくりだったり、仕事の仕方だったり。ハラスメントやいじめがそもそも起きないような対策を講じていったり。そっちの方がいいよね、と。

それにそんな風土が出来上がってくれば、黙っていてもブラック企業は絶滅します。恐竜と一緒。時代に適応できない組織が生き残れるわけがありませんからね。

実際に体験したボスの手腕

そうした思いに拍車をかけたのが、つい最近まで僕のボスであった方。彼女とタッグを組めたからこそ、これだけの戦果を挙げることが出来た…。そんな仕事がいくつもありました。

これらはその中でも、特に大きな例の一つですね。

勿論、宣言だけで終わっては意味がないので、その後のアクションをどう仕掛けるか。その点においても、常にビジョン・戦略の共有が出来ていたと思っています。

また、彼女とは日常的な仕事の場でも色々と得るものが多かった。主だったものをまとめてみます。

①意思決定の速度へのこだわり

彼女も僕も、共通項がありました。それは「迅速なゴールの共有」。本人はあんま考えていなかったかもしれませんが(笑)、僕は彼女のここが一番仕事を進める上で大きな武器だったと思っています。

所謂行政由来の組織になると、実際のアクションを起こすまで時間がかかるケースが大変多いんです。決裁文書への押印であったり、そのために必要書類をそろえて、その必要書類の修正も重ねてetc…。

でもその手間暇って、正直成果には何の関係もないんですよね。だって、一市民からしたら、我々がどんな手続きを踏んで仕事を進めているかよりも、「その仕事でどんな恩恵を受けられるのか」という視点の方が重要ではないでしょうか。その方が自分事ですから。そして、僕らが事業実施におけるゴールとするのも、まさにここでした。

だから僕らは、どの優先度で動けば成果を最大化できるのか。常にそこを捉えていたと思います。だからこそ事業の軸がぶれることがなかったし、だからこそ迅速に各自判断の行動もとれた。ゴールイメージが常に共有され、スピード感を持った判断や対応が出来ているっていうのは、マジで当時最大の武器だと思いました。

②SNSアレルギーのなさ

特にご年配の上司だったりするとよくあるのが、「連絡は電話が基本!」という訳の分からないコダワリ。でも、ボスも僕もそんなのが全くなかった(笑)。だから僕らの作戦会議の多くは、FacebookのメッセンジャーかLINE、もしくは職場でのさり気ない雑談内。ふと思いついたときにそれぞれ「あ、あの件ですけど!」って。

でも逆にいうと、それだけタイムリーだったからこそ、アイディアの鮮度が高いうちに手を打てることも多かったんです。鉄は熱いうちに打てっていうのと一緒ですよね。

どんな成果を出すかが最大の関心であるチームにとって、ここは大きなポイントでした。

③柔軟性

ここもデカかった。二人とも「なんならオフィスじゃなくても別にいいよね」「別に時間で図らずともいいよね」という発想の持ち主。だからこそ、時間や場所に縛られることがなかった。必要なら打ち合せに遠方に出向いて、わざわざオフィスに戻るのも無駄だし、現地で色々まとめてSNS共有でいいや、くらい。多様な働き方なんて言う側だからこそ、僕らが出来ていないと説得力がないよね~。と。

でも本当に、シゴトって必要な情報だけは常に共有できていれば、ゴールも揺らがないもんです。そして僕らは「必ずこうしなければ!」というこだわりもなかった。重要なのは「何を成すか」。この一点。だからこそ、ママの復帰直後に「しばらく僕時短しますね~」なんてこともいとも簡単に出来たし、定時と言われる前にあらかたケリをつけて、「早く帰るかな」なんてこともお互いにあったし、夜中に「そういえば!」とメッセやり取りしていたり。何を成すか。そのために、どうすればベストパフォーマンスを出せるのか。誰もがハッピーな状態で仕事を進めるというその距離間の保ち方を、お互いに何となく分かっていた気がしてます。

そう下日々の積み重ねが諸々の成果を生み、それがチームとしての信頼感をさらに高めていた。そんな理想的な状態を作れていたと思います。

だからこそ、自信を持って言えます。

ボス次第で、組織も地域もいくらでも変われるんだよって。

部下発でそうしたアクションが出来るケースなんて限られます。以前お話した通り、「意図はどうあれ会社に生殺与奪を握られている事実」に変わりはありませんし、雇用者と被雇用者では圧倒的にパワーバランスが生じるのはどうやっても覆せません。だから、相互の信頼を得るためには、ボスが自ら動くしかない。そうして、ボスと部下が本当の意味で信頼関係で結ばれたとき、組織の成果はおのずと最大化できるのだと。

それが僕のこれまでの経験、そして様々な出逢いを通じて、揺らがぬ核心となっています。そして、そんなボスと出会って共に時間を過ごせたことは、本当に大きな財産です。

だからこそ、そんな組織をもっと増やしていきたい。僕と同じようなことで悩んでいた多くの方を支えたい、と。

僕なんかに出来るんだから、もっと出来る人が沢山いるはずだって。そしてそういう組織で溢れた未来を創ることが出来れば、子供達が大きくなってからも、きっと安心して見守っていられる。と。

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こんな悲しい思いをする現場、きっとなくせると思います。

他人事と目を瞑ることも出来るんでしょうけど、気付いて行動を起こしてしまった者としての社会的な責任を、少なくとも僕は全うしたいと思います。

それも、未来づくりという、僕の子育ての一つの目的なのですから。

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