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誰も得をしないハラスメントのはなし

連日連夜、吉本の報道が続きますね。

この報道で今後論点となるべき項目は、思いつく限りでも

①反社会的勢力の関係性について(大元はココ)
②パワハラ体質について(法案、五輪含めると優先度が激高)
③株主・忖度問題=パンドラの箱問題
④報道のあり方(他に伝えることあるんじゃね問題)
⑤芸人の労働環境問題
⑥世論の手のひら返し問題(難しいなぁ、これは)

と、バラエティに富んでおり(そこら辺も吉本的ですね)、同時に様々な問題を世に投げかける形になっています。そしてどれもが、昭和~平成にかけて、くすぶり続けながらも表面化することはなかった問題なのではないでしょうか。

令和は本当に新たな時代になる。
そんな予感がするここ1週間です。


ということで、僕的にはどうしても上記②がライフワークにも係る問題なので気になるところ。火曜日のネタでも「結局パワハラは”受けた側がどう感じるか”の問題です」という話はしました。

でもそれだけでは、正直中々変わっていかないんですよね。その原因は、加害(しているかもしれない側含めた)側が「自分事になるリスク」としてこの問題を見ることが出来ていないから。法律でいくらダメですよ~と訴えても、「うちは関係ないし」という組織は案外多いのです。「身内感覚でいた」というのは、まさにそれ。危機感を自覚出来ないパターンで、よく聞く台詞です。
※こうした事実を考えると、吉本は対外的なコンプライアンス研修を増やすよりも、イクボス研修した方が良いですね

さて、話を戻して。僕は通常、この「ハラスメント」というテーマで研修・コンサルを行う際には「起こり得るリスクイメージ」と「自分に降りかかる暗い未来」を共有することを重視しています。
※ホントはあんまりいい方法じゃないとは思うんですけどね…。

パワハラ防止を各組織が進める上で、主体的に対策が成されていくためには「リスクを自分事と感じる」ことが必要です。

そしてここも、岡本社長が極めて分かりやすい例になります。

会見中も「圧力をかけたのか」「クビ発言をしたのか」という事についての質問が飛び交いました。肝心の回答は曖昧なものであったものの、各方面でのコメントや反応を見る限り、まぁあったんだろうな…と思えます。

あったとしてです。その時点で社長には選択肢が2つ。

A:謝罪してパワハラの事実を認める
B:否定する・ぼやかす


Aの場合

Aの場合は、シンプルにマネジメントの責任を問われ、場合によっては進退問題に直結します。加えて今回のような「クビにする」といった発言は、芸人たちに「生活費をもらえない」という不安感を抱かせます。それは”財産に対する害悪の告知"と言って、脅迫罪にあたる可能性もありそう。

刑法第二百二十二条
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する

まるでこっちが反社会勢力みたいですね(笑)。


恐らく、社長からあの発言を聞いた際、「クビ=生活の糧を失うかもしれない」という不安感を芸人たちは抱いたことでしょう。これだけ事が大きくなり、仮にクレバーな芸人さんが録音でもして、証拠音源として提出されるようなことがあれば、今回のようなケースは間違いなくアウト。「岡本、アウト~」というフレーズが流れそうです(笑)。

多分一時の罰金は社長クラスともなれば痛くも痒くもないでしょうが、「パワハラで法に触れた会社」というブラックイメージは、会社が存続する以上、ネットに永遠に残ります。この”ネットに永遠に残る”というのが、平成から新たに生まれたリスクですね。

いずれにせよ、自身にも組織にも打撃を与えることは間違いありません。パワハラの怖いところです。

対してBの場合

当たり前に、バッシングされるでしょう。喉元過ぎれば…という事を狙いにも行けますが、「パワハラで問題になった会社」というブラックイメージは、会社が存続する以上、ネットに永遠に残ります。これはAの場合と全く変わりません。加えて、「ぼやかした」場合は、事実が明らかになった際のダメージが更に大きくなります。今回の会見はまさにそのリスクを多く含んだものと言えるでしょう。

また、バッシングはネット社会である以上、あっという間に広がります。トンボの名を冠したMCの乱が報道でも取り上げられていますが、このように「優秀な稼ぎ頭」の離脱というリスクも発生するでしょう。これは組織にも確実にマイナスになります。ちなみに、Aの場合もこうした流出リスクはあるので、お忘れなく。

同時に、組織のマイナスは株主総会でのマイナスにもなります。株主からの非難も避けられないでしょうし、場合によっては、進退問題へと発展する可能性もあるでしょう。これもA同様ですね。

行くも地獄・戻るも地獄

どうでしょうか。「全員クビにするぞ」。このしょーもない一言で、社長は「認める・認めない」どちらの行為を選んでも、不利な状況に立たされることになります。

パワハラは誰も幸せにしません。不幸だけをまき散らします。

だからこそ、対策が必要なのです。


「大丈夫じゃないかな」と確信を持てることはあり得ません。だって、目の前には社員と言う「自分と価値観も生活環境も異なる個人」がいるのだから。

家族経営でも同様です。家族とは、個人の集合体であり、集合体である以前に個人なのです。

人が人と関わってビジネスをしていく以上、どうあっても避けられない視点。それがハラスメントです。だからこそ、この視点のない働き方改革は成功しないと僕は断言します。


そして、連日のこの報道について。2言だけ。どうしても言いたい。

あるある言いたい。

僕、芸人さんを擁護する気はないんです。だって、そもそも反社からお金を貰ったという事実はあるんでしょ?その点は償うべきかなと。当たり前に。

そしてもう一つ。

他にニュースないのかな。


参院選の投票率とか、京アニの基金とか。

他に多くの人に伝えることあるんじゃね?

と、ごとうは思う訳ですよ。

いわば今回の騒動は、大家族の痴話喧嘩を見せられているようなものですからね。

他にも沢山の人が暮らしている。必要な情報は多様である。それが世界なんだという事をTV関係者さんには思い出してほしいです。

ちなみにオマケ。

「こいつらふぜいが」も、パワハラですからね。


こんな新キャラ出てくるなんて思ってもみなかったけど、まぁこれが今回の企業体質を物語ってるんではないかなと言う気がします。

同じ「大平」を冠するものとして、サブロー氏に代わって謝罪します(笑)。


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