後悔と本音(その1)

僕は、中学生の頃チック症という病気でそれが原因で3年しかない中学生活のうち2年間、不登校になってしまっていた。チック症という病名を知らない人の方が多いだろう。
チック症とは、自分では意図せずとも突発的な行動、行為をとってしまう病気だ。僕の場合はそれが「声」だった。授業中に甲高い声を出してしまったり、「あっ!」と叫んでしまったり、頑張って抑えようと意識すると余計に出てしまう。中学生という多感な時期に、この病気は凄く辛いものだった。あまり知られてない病気であるが故に理解してもらえず、そのまま徐々に学校に行かなくなった。学校に行かずに家の自室で引きこもる毎日、心はさらに荒んで親に当たり哀しませる毎日。いまでも忘れられない。当たり前のように月日は流れ、僕は卒業の時期を迎えた。
卒業式当日、担任の先生の計らいで生徒たちがそれぞれの保護者から手紙を貰った、僕もだ。僕は恥ずかしい気持ちと今まで親にしてきた仕打ちの恐怖で、その場では読めなかった。卒業式が終わり、自宅に帰ると僕はすぐに自室で親からの手紙を読んだ。僕は泣いてしまった。引きこもっている間、僕は散々悪口をいい物も投げた、クズだった。だけど手紙には励ましと感謝の言葉が並んでいたんだ。それを見た僕は、これからは迷惑をかけた分、倍以上の親孝行をしようと心に誓った。