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激しい三つ巴の戦い

未だかつてない激しい戦いが始まろうとしている。
以下の画像をご確認いただきたい。

もうお分かりいただけただろう。
この中からキングオブウィンナーを決定しようというのだ。
果たして勝負の行方はいかに?
勝者。ウィナーとなるウィンナーは一体誰になるのか!?(これが言いたかっただけなので、このテキストはここまでで90%完成しています)

勝負の方法

調理方法は焼きとボイルで行うこととし、味付けは行わない。
それぞれの調理方法に対して下記の基準を5段階で評価し、合計点の最も高いウィンナーを初代キングオブウィンナーと決定する。

①食感
②ジューシーさ
③味
④香
⑤好み

合計点は25点×2=50点満点となる。
コストの概念は含まない。
各評価の詳細については以下に示す。

【食感】
ウィンナーの食感は重要なファクターである。パリッとした歯切れと、口の中に噛み締めた時の弾力。これらがウィンナーの第一印象を左右する。いわばウィンナーにとって顔のようなものである。
歯切れと弾力を主に重点的に評価する。

【ジューシーさ】
噛んだ後に溢れる肉汁。ウィンナーの存在を口の中に伝達する役割を担う。ただただジューシーなだけではダメ。歯ごたえや後の評価項目である味と香りにも大きな影響を与える。バランスが肝要。量ではなくバランスを重点的な評価する。

【味】
ウィンナーのメイン。食感や肉汁、香りは別項目なのでここは純粋に味のみを評価する。ウィンナーの味付け加減やあぶらの甘み、肉肉しさ等を評価。

【香】
ここでいう香は主に食べた時の香を言う。
味の美味しさだけでは説明がつかないスパイスの奥深さ。各々のウィンナーの食感や味を活かす構成になっているのかを評価。

【好み】
同点になった時の事も考え、好みのポイントを追加する。他の項目は可能な限り客観性を重視して点をつけるので、好みが反映されづらい。好きなウィンナーを選びたいので加点要素として追加する。
筆者がウィンナー好きであるため、全てのウィンナーに満点が着く可能性もある。

各ウィンナーの仕様

各ウィンナーの主な仕様を以下の表1にまとめる。
詳細については各社ホームページを参照のこと。
アルトバイエルンにはなぜかマスタードが付属している。今回はウィンナー単体の評価を実施するため未使用とする。

表1 ウィンナーの仕様

調理前の各ウィンナーの外観を以下の図1に示す。
シャウエッセンは不揃い。
アルトバイエルンは少し太く比較的均質。
香薫は両者の中間のような印象を受ける。

図1 (a) 調理前シャウエッセンの外観
図1 (b) 調理前アルトバイエルン外観
図1 (c) 調理前香薫の外観

調理

調理方法については各社の推奨を参考に下記とした。可能な限り調理方法による味の差異が出ないように注意した。

焼き:十分熱したフライパンに中火にてじっくり。各ウィンナーを1つのフライパンでまとめて調理(図2参照)
フライパン上の配置に起因する焼き加減のムラが生じる事となるが、あらかじめ十分に熱しておくことにより影響が小さくなるよう配慮した。

ボイル:沸騰しない程度のお湯を弱火にかけ3分。混合を避けるために各ウィンナーをそれぞれ調理(図3参照)
時短のため、茹で汁を使い回した。茹で汁の使い回しによる匂い移りが考えられるが、連続で食した時の口の中に残る味の影響の方が大きいため無視できる誤差と判断した。


図2 焼きの調理風景(上からシャウエッセン、香薫、アルトバイエルン)


図3 (a) シャウエッセンのボイル
図3 (b) アルトバイエルンのボイル
図3 (c) 香薫のボイル

調理後

調理後の外観を図4に示す。


図4 (a) シャウエッセンの調理後
図4 (b) 香薫の調理後
図4 (c) アルトバイエルンの調理後

実食

可能な限り公平に評価するため、下記の手順で実食を行うこととする。
・焼きウィンナーをアルトバイエルン→シャウエッセン→香薫の順に実食。各ウィンナーを食べた後、白米をよく噛んでたべ味を消した後麦茶を飲む。

・ボイルウィンナーをシャウエッセン→香薫→アルトバイエルンの準備に食べる。各ウィンナーを食べた後については焼きと同様の手順とする。
順番を変えた理由は、各ウィンナーの後味の影響を加味したためである。

結果

各点数を表2に示す。
最終的な順位と合計点は下記に示す。
キングオブウィンナーは香薫とする。

1位:香薫(41点)
2位:アルトバイエルン(39点)
3位:シャウエッセン(35点)

表2 採点結果

考察と感想

今回は主要ウィンナーを比較する事でキングオブウィンナーを香薫に決定した。性質上優劣がついた形にはなるが、どのウィンナーもそれぞれの良さがありそれぞれ甲乙のつけ難い美味しさであった。
比較する事で初めて各社の工夫や製品の差異を感じることができた。
例えば、シャウエッセンはパリッと感を出すためか皮が少し分厚い。尚且つ肉汁が少なめなので肉肉しさがある。後味にスモーキーな感じが残り非常に完成度の高い仕上がりとなっている。他のものと一緒に食べるとこの皮の分厚さや肉汁の少なさが点数に反映されてしまいこのような結果になってしまったが、冷めてから1番美味しいのはシャウエッセンであろうと想定される。つまり、お弁当にベストなウィンナー選手権をやれば優勝の可能性が高い。
アルトバイエルンは他のウィンナーに比べてやや割高だが、形が綺麗に揃っていたりマスタードが付属していたりとコストに見合った価値を感じる。味に関しても、スパイスやハーブのような複雑で深みのある味わいは他社にはない良さがある。何より、パリッと感と肉汁のバランスが取れており食感が良い。ビール等に合わせるのがいいだろう。
今回キングオブウィンナーとなった香薫は、点数こそ高いものの、焼きの時は他のウィンナーに比べてやや肉汁がくどい印象で香りも低い印象だ。この溢れる肉汁をどう捉えるかというのが好みの分かれ目だろう。しかし、このウィンナーが真価を発揮するのはボイルであろう。ボイルすることによりややくどい肉汁がちょうど良い加減となり尚且つ焼と比べて香も感じられる非常にバランスの取れたウィンナーになる。今回食した中では香薫のボイルが個人的にはベストであった。ウィンナーは焼きの方が美味しいという固定概念を覆された。そういった意味もあって、今回はこの香薫がキングオブウィンナーに選定されたと考えられる。お鍋など汁物に合わせると良い。
今回初めて一般的な市販ウィンナーの食べ比べを実施したが、想像を超える白熱した戦いとなった。お腹も含めて非常に満足度の高いものといえる。
繰り返しとなるが、今すぐ今回は性質上優劣をつけたにすぎないため、必ずしも今回の結果が絶対のものではない。条件が変われば順位が入れ替わることになるので、その点に注意した上で目的に応じてウィンナーを使い分けて欲しい。
次回以降については機会があれば調味料との組み合わせや他の食べ物と組み合わせた時。飲み物と組み合わせた時、冷めた時などの条件で検証してゆきたい。

以上

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