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Epik1 - Epik1,2 (2021)

 MC/バトルMC/DJ/プロデューサー/エンジニアなど、全方位で活躍するシカゴのヒップホップアーティストEpik1 (Epik Uno)のアルバム。ヒップホップ愛に満ちたインディペンデントの作品は星の数ほどあるが、想いの強さにスキルやセンスが追いついていない作品が大半を占めるのも事実。だが、このアルバムはヒップホップへの忠誠心にも似た愛情を魅力ある音源として見事にまとめ上げている。オーセンティックなサウンドを求めるリスナーのツボを的確に抑えたビートの数々、スキルだけでなく様々な声ネタを組み合わせた構成力で聴かせるスクラッチ、掛け合いやユニゾンなどを効果的に用いたキャッチーなフックなど、マルチな才能を持つ彼らしく様々な面に気を配っていて、聴きどころが満載だ。
 最近は心地良いサンプルをループして、そこにラップを2バースくらい乗せてフックも作らずに一丁上がりみたいな作品がアンダーグラウンドシーンにも非常に多い。しかし本作はサウンドプロダクションがしっかりしているだけでなく、イントロからアウトロまで楽曲構成も非常に練られている。アウトプットする行為ではなく、作品の質こそが重要なのだというメッセージが込められた素晴らしい作品です。歯応えのあるインディペンデントヒップホップの新譜を聴きたい方は是非!2021年の大推薦盤です‼︎


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