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ハイパー医 VS ハイポ医 論争

SNSが普及して以降、定期的に医者の間でも論争になるこの問題について

まず言葉の定義だがハイパー医とはガンガン仕事をやってキャリアアップ、収入アップを狙っていくスタイルの医者。自分のQOLやプライベートなど二の次だ。ハイポ医はその逆。自分のプライベートな時間を最優先にする。生活していく上で必要最低限のギャラがもらえればそれでよく、専門性は求めない。キャリアアップにも興味はない。

なぜこんな議論がたびたび起こるのか?それには原因がある。他の仕事と違ってこの業界は医師免許さえ手にしてしまえば楽に稼げる仕事があふれているからだ。常勤医として朝から晩まで働かなくても、例えば日給10~20万もらえるアルバイト(しかもリスクも少なく専門性も必要のない内容)もごろごろしているのだ。単純に月に4~5回昼間に働くだけでそこら辺の会社員よりも稼いでしまうのだ。バイトでそんなにもらえるなら常勤医はその日給の×30倍が月収なのかというと、全然そんなことはなくて全く理にかなっていないのだ。例えば今私がよくやっている夜間当直も自分の病院だと1泊2万円だが、バイトで別な病院で同様の業務をやると20万円もらえる、といった具合だ。

それならば常勤の仕事は最低限にして、外病院でバイトしまくればいいんでないか?? そう考える医者もたくさんいる。この医者の給料体制自体がバグっているのだ。

そしてハイパー医にさらに輪をかけて襲い掛かるのが累進課税制度だ。医者ならばみんな知っているが一般社会ではそこまで浸透はしていない。例えばスポーツ紙でプロ野球選手の年棒が話題になるが、菅野が6億とかマー君が9億とかいう報道を目にする。一般市民はそれが丸々彼らの手元に入るような錯覚をもっているし私自身も自分で稼ぐまではそう思っていた。税金で引かれるとしても数百万程度だと思っていた。まさか半分以上持っていかれるなんて、自分が年収4000万を超えて税率55%の世界に入るまでは知らなかった。すなわちハイパー医がハイポ医の2倍頑張って2倍稼いだとしても手取り2倍どころか1.5倍にもならない、という残酷な事実に気づくのだ。この累進課税制度が「がんばっても意味がないよね」という風潮に拍車をかける。

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