私は広告が好きだが、最近ちょっと思うことがある。
フレッシャーズ達が期待に胸を膨らませて街を歩くこの季節に、「遅刻しそうになったら直前だけ走れ、大事なのは頑張った感だ」的な、
なんかそういう、社会人の”うまくやる”作法みたいな広告が大きく出ている。
これってどうなんだろう。
めちゃくちゃ頑張ってて、頑張り過ぎてて、そんなに気張らなくてもいいよ、みたいな人にだったらフィットするかもしれないけど、
これを見たフレッシャーズが同じようにやると、場合によっては横着に見えないだろうか。
私は仕事が出来ようが出来なかろうが、誠実であることがとても大事だと思ってる。
間違えたら誠意ある謝罪を。
上手くいかなければ的確な反省を。
良くしてもらったら感謝を。
まずはきちんと挨拶を。
それらは”うまくやる”ことと必ずしも合致しないかもしれない。
でも誠実であれば、許してもらえる。未来の自分に。
どうにも立ち行かず、なす術なく、どうしようもなくなった時、一番許してくれないのは自分だったりするから。
その時に「でもまぁ、私も一生懸命やってきたし」と思えるかどうかって、すごく大事。
他人にはいくらでも嘘をつけるけど、自分には嘘をつけない。
その場しのぎで誤魔化せても、それは澱のようにシンシンと積もって、いつか自分を責め立てる。
力の抜き方も大事だけど、それに傾き過ぎるのは危険じゃないだろうか。
何にでも広告が付き、目を開けたら広告が広がる世界。
広告のあり方は、もうちょっと考えないとじゃないかしらと思った今日この頃。