見出し画像

英語における「違い」の違い問題-delta

データの話ばっかりして疲れたので、英語の話をしたいと思います。
なお、私はどちらかというと英語が苦手で習得に時間がかかるタイプだと思いますが、アメリカにて、日本人が0人でかつ日本と無関係の仕事をして(つまり日本人であるメリットが特にない状態で)おります。こんな自分が実体験で獲得した本当に伝わる英語の表現をちょっとお伝えしたいと思います。

---
皆さん仕事においてこんな表を作ることは良くあると思います。

画像1

予算と実績を対比する予実対比表もそうだし、2時点ものを比べるにもこういう感じで、2つ並べて差異を表示しますよね?
さて、今回お話したいのは、これ(赤で囲ってるところ)に入れる項目名を英語で書く場合、何と書けば良いかということです。

---
私は東京にいるときはいわゆる外資系企業で働いていたので(*1)、資料はもちろん英語で作っていましたが、そのときはこんな感じで記載していました。

画像2

DiffというのはDifferenceのことです。また、その後、Varというのも使っていました(Varianceの略)。(*2)

しかし、アメリカに来て仕事するようになり、アメリカではそんな書き方はしていないし、通じないということに気づきました。
では、どうやって書くかというと、Deltaと言います。

また、こんなときなんていうでしょうか?
「レポートをもらったんだけど、どうも実績のこの値が違うんじゃないか、数字が合ってないと思う」
こういうときはoffを使います。例:this number is a little bit off.

さらにこんなケース。
「レポートもらったたんだけど、こっちとこっちで数字が違うよ、合ってないよ」こういうときはdiscrepancyを使います。
例:I found discrepancy on this item.

さらに。
「このデータってschemaによって微妙に計算方法が違うな」
こういうときはnuanceを使います。例:There is a nuance. (*3)

まとめるとこういうことです。
Difference:一番一般的な「違い」を意味します。
Variance:すみません、アメリカで聞いたことがありません。あまり一般的ではないのかな。
Delta:AとBの差分という意味での違いを意味しています。
Off:「ちょっとずれている」違いを意味します。
Discrepancy:(一致していないといけないけど)一致していないという意味の違いを意味しています。
Nuance:一見すると分からない微妙な違いを意味します。特に見た目は同じだけど、コンセプトに違いがあるとかそう言った違いです。

(*1)そう考えるとアメリカで使用されているものが日本に伝わるまでにタイムラグがあるかもしれません。私が最後に日本で働いたのは4年前なので、今見ると変わってるかも。
(*2)今も同じ会社で働いていますが、「外資系」って言葉は日本でだけ通用するかなと。
(*3)ちなみに日本語では「ニュアンスが違う」という言い方をしますが、英語のnuanceには既に違いという意味が入っています。なので、「ニュアンスがある」という使い方をします。「ニュアンスが違う」は「違いが違う」という意味で正しくないですね。


アメリカ人は日本人と違って行間を読み取ってくれないので、specificに言わないと伝わらない傾向があります。
より伝わる英語表現ということで「違い」に気をつけて使ってみてはいかがでしょうか。

なお、私のオフィスでの普段の口頭表現を書いたので、文法的に変だよ、正しい英語ではないというご指摘はあるかもしれません。あくまでもアメリカの、しかも投資銀行で使っている表現ということで、ひとつよろしくお願いします。