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シータアポロ

この記事では以下のように定義する。
高速デッキ:トリガーをある程度ケアしながら3キルを仕掛けてくるデッキ(赤単、アポロなど)
中速デッキ:4ターン目以降に強力な妨害、勝負を決めるコンボを目指すデッキ(5c、キラstarなど)
低速デッキ:Sトリガー等で相手の攻撃を受けきることを主体としたデッキ(MDW、ギャラクシールドなど)
旧環境:2022年8月15日殿堂施行以前の環境
新環境:2022年8月15日殿堂施行後の環境

8月15日以前の環境のお話ですが参考になる場面もあると思い記事にしました。



1.はじめに

8月15日殿堂施行前。

中速デッキには人権がなかった。

8枚の初動さえ引ければ後は芋づる式にカードがつながり、圧倒的な再現率の高さとリソース量を誇るグルメ墓地により4t目以降に勝負を仕掛けるデッキは軒並みグルメに滅ぼされる。

グルメに勝つには殺る前に殺る。高速デッキを選択するしかなかった。

環境内の高速デッキは3つ。赤単、JO退化、アポロ。

赤単はデッキ構造上<ドンデンブタイ>が重くグルメに不利がつくため、JO退化とアポロの選択になるのだが、後述する事故率の低さからアポロを選択することにした。

ここで1つの問題が。

最強のアポロは青か。緑か。

当たり前だが答えは人や環境による。速度の緑か、トリガーケアの青か。

しかし物事を考える上で2択しか答えがないと思考を固めてしまうのは大変危険である。
もしかしたらまだ見ぬ黒アポロが発見されるかもしれないし、次のGPにむけてどこかの強豪チームが白アポロを秘密裏に調整しているかもしれない。

今回はそんな可能性の1つであるシータアポロの紹介である。

2.このデッキのコンセプト

先ほどの青アポロと緑アポロどちらが最強かという質問では、答えは2択のみに絞るのはナンセンスと話をした。

では質問を変えて旧環境で青アポロと緑アポロどちらが強いかという回答となるとどうなるだろう。私の個人的な考えでは旧環境では緑アポロに軍配が上がると思う。

なぜか考えるため、まず緑と青の強みを列挙してみる。


青アポロの強み
1.マニフェスト、ジャストダイバーによるトリガーケア
2.飛ベル津バサ等の優秀なメタクリを採用できる
3.パーフェクトファイア2回攻撃のサブプラン

使っているほとんどの人が1のトリガーケアを重要視して青を選んでいると思う。
イメージとしては3キルもできる中速デッキ
しかし旧環境終盤ではアポロの増加により<一王二槍三槍>や<オリオティスジャッジ>、<クロック>など<マニフェスト>ではケアできない受け札も増えてきてコンボを決めても勝てない対面が増えた。
さらに要求値も問題で、<パーフェクトファイア>プランの場合、進化元+バトライ+アポロヌス+侵略+パーフェクトファイアの5枚が必要となる。
これは先手の手札4枚では<アストラルの幻影>で<レットゾーンX>を落とすor<ファイア>から射出した<マニフェスト>で引くのどちらかをしてようやく可能という現実的でないプランとなっている。

緑アポロの強み
1.3キルをしやすい。
2.2ターン目レットゾーンのサブプラン
3.進化設計によるリソース量でハンデスに勝ちやすい

ぶっちゃけ1の3キルしやすいのみ重要で他の2つはおまけ
青は2ターン目までに非公開領域を見れる枚数が1~2枚程度なのに対して、緑は1コストで4枚、2コストで6枚、山札を見て好きな進化サーチまであり、圧倒的にパーツをそろえやすい。
これは高速デッキミラーにおいての勝率担保として最も重要なことである。
高速デッキミラーでは当たり前だが先に走ったほうが勝つ。
特に旧環境ではJO退化がいたため、青軸のクロックによる受けて勝つプランも<キャンベロ>や<アルモモ>の前に無意味であり、先にパーツを揃えて殴ったほうが勝つゲーム感が顕著だった。
そして3キルがしやすいというのはトリガーケアにもつながる
もちろん青ほどトリガーをすべて貫通するといったパワーはないがターンをまたぐプレイ等によってある程度のケアがきく。
たとえば旧環境では<マニフェスト>でケアできない<オリジャ>、<クロック>などが入っている墓地退化が一定数おり、先3で走るだけで退化側の<オリジャ>や<クロック>を踏んでも、返しで相手のマナが3しかなく勝つプランを作ることができた。
他にも<カツキング>は新環境で採用率の高いトリガーであるが後手3ターン目に<アポロ>で走った場合、返しの相手のマナゾーンはチャージ含めて2マナであり、これは<生魂転霊>で<モモキングダムX>を<ガイアハザード>に変換しても4マナと後続のSAで勝ちにいけるラインとなる。

以上の事柄から速度を落としてトリガーケアする中速デッキによせた青アポロよりある程度トリガーを割り切って速度を重視した高速デッキの緑アポロのほうが環境的に優れていると私個人は判断した。


ここまで真面目に考察してきたがCSには一定数いわゆる「賢者デッキ」と呼ばれる環境外もしくはTier3のデッキを好んで使う層がいる。そして緑アポロ最大の弱点はやることが単純な為、環境外やTier3デッキの多くに不利がつくことにある。
たとえば<スロットンの心絵>や<ドンドン火噴くナウ>など旧環境でTier上位のデッキでは採用されていないカードであるが、CSで一定数のデッキが採用し、どちらも緑アポロではケア不能である。

緑の3キル速度は最低限保ちつつ、青のトリガーケアが出来れば「最強」

コンセプトはカツカレー
美味しいもの×美味しいもの=もっと美味しい
シータアポロは緑アポロの良さである3キルの確率を潰さずに最強のトリガーケアである<マニフェスト>を積んだ美味しいとこどりデッキだ。
基本的には3キルを狙い、受けが多めの遅い対面や初動に失敗したデッキには<マニフェスト>で刺す。
雑多環境において強いアポロがシータである。


3.色配分

美味しいカツカレーを作るにはご飯、カレー、カツの黄金比率を考える必要がある。ご飯が多すぎると後半もっさりしてしまうし、カレーやカツが多すぎると胃もたれする。

このデッキも同じで赤、緑、青の色配分がとても重要である。
私個人の考えを書かせてもらうが、ここからは感覚的な話になり、カツカレーと同じで人によって好みの分かれる部分になると思う。

赤20枚
一番重要な色である。極論この色だけの手札でも3キルできる一方、<アポロ>、<カチコミ入道>などの一枚目はマナゾーンに置けず、3ターン目までに4枚の赤にアクセスしなければならないため、適正枚数は18から20程度に感じた。

緑16枚
一番安定性に寄与する色である。<ヘリコプタ>を1ターン目にプレイするのが望ましいため、ある程度の枚数は必要となる。適正枚数は14から18程度だろうか。

青13枚
一番自由度が高い色である。主な目的は3ターン目に<マニフェスト>を投げることのため、青が7~8枚の中に2枚あることが望ましい。かなり枚数に好みが現れ、上振れ狙いの8から安定重視の16まで試して自分の好みを見つけてほしい。

4.採用カード

動きに寄与するカードは4であるため、主要なところだけ書き出しをする。


レットゾーンX 3枚
ルーター、進化、色のみで構築されたこのデッキの事故パターンは主に2つある。
1、特定の進化を引かない
2、進化元を引かない
どちらの事故が深刻かというと圧倒的に2である。1の進化を引かない手札は残りの手札がルーターによっているはずであり、手札を入れ替える余地があるため、4ターン目以降に走れる可能性を残している。しかし進化元を引かない手札は基本的に手札が進化まみれであり、手札を入れ替える手段がターン初めのドローに頼り切ってしまう。
そのためこの構築では進化枚数は最低枚数の12枚に抑え、進化元を引かない事故を最低限にする構築とした。
また<レットゾーンX>にしたのは環境にハンデスが一定数いるためである。タップインのため2枚目以降が腐るデメリットはあるが、青魔道具対面に1枚あれば、盤面からの侵略すると進化元も下にいく裁定のおかげで<ガルラガン>の上から<エアヴォ>+<ギャプドゥ>のトリガーを貫通できるなどのメリットもある。




エボリューションエッグ 3枚
青が足りないと感じたため1枠<新世界の破壊>と枠を譲った。<進化設計図>と違い確定で持ってこれるが、2枚以上パーツが足りない場合やハンデス対面など<進化設計図>のほうが優れている場面が多いため、優先度は低い。


ドレットゾーン 1枚
主に<オニカマス>メタとして<エボリューションエッグ>から持ってくるカードとして入れてある。コンセプトとして雑多デッキに負けないことを挙げているため、<オニカマス>一枚で負けるようなことがあってはならないと思い採用した。間接的ではあるが横並べの重要なキラスターなどにも強く出れる。

新世界王の破壊 1枚
<思想>の次に色が強い。青を増やしたい場合これを増やすのが1番手っ取り早い。単純に<エボリューションエッグ>と入れ替えることで青12から16まで選択可能。個人的に3キルを狙うほうが青を絡めるより重要と思っているため少なめにした。青魔道具対面の<ガルラガン>に対して<レットゾーンX>を出す際に黒マナになるのも少なくないメリットである。

ストリエ雷鬼 4枚
主に先手で投げる際の基準が難しいため記述する。
残すカードの優先度としては
進化設計図>カチコミ入道>=アポロ>緑>青>赤
であるが、パーツがほぼそろっている際には、<ヘリコプタ>や<アストラル>の2ターン目受けを考え、敢えて投げないプレイも存在する。

5.終わりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。
旧環境で練っていたデッキであり、少し情報が遅い部分がありますが、規制されたカードはなく、現環境でも環境読みをしっかりとすれば十二分に戦えるデッキだと思います。
投げ銭を設置しておきますので、この記事が役に立った、シータで入賞出来た人がいればお恵みいただければ幸いです。


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