見出し画像

スクリーニング調査の必要性とは?~設計の4つのポイントのご紹介~

こんにちは。電通マクロミルインサイト(以下:DMI)経営企画チームです。

これまで私たちのブログではマーケティングリサーチのポイントやリサーチ手法、マーケティングのフレームワークについてお話ししました。

今回は定量調査で最も使われているインターネットリサーチで利用する「スクリーニング調査」についてご説明いたします。既にリサーチを何回か実施している方も初めてリサーチを利用する方もぜひ最後までご覧ください。

スクリーニング調査とは?

スクリーニング(screening)とは「選出」「ふるい分ける」という意味を表す言葉です。
スクリーニング調査とは、インターネットリサーチを行う際に特定の条件(年齢や地域などの属性)に該当する対象者を絞り込むための調査です。
スクリーニング調査によって絞り込まれた回答者に対して本調査を実施します。

なぜスクリーニング調査が必要か?

スクリーニング調査は事前調査とも言われており、調査したい条件に合致する対象者を絞り込むための調査です。

なぜスクリーニング調査が必要か、例を用いて説明します。
例えば、お酒を自宅でよく飲む方に、今販売されている商品の不満点を聞きたいとします。この場合、お酒を自宅で一定量以上飲むかどうかを確認しないと目的の調査ができません。

そこでスクリーニング調査を行い、「週に2回以上お酒を自分で購入して飲む方」かどうかを事前に確認し、条件が合致した方だけに本調査に回答していただきます。

スクリーニング調査は、本調査に適した回答者を狙って集めることができ、不要な回答を減らすことができコストをより抑えて調査を実施することができます。


スクリーニング調査のポイント

ここからはスクリーニング調査を実施する上でのポイントを4つご紹介します。

対象者の絞り込みと無関係な設問は設けない

スクリーニング調査の設問は、対象者を絞り込むために必要な設問だけで実施することが大切です。対象者の絞り込みに無関係な設問があると、回答者の負荷が増え、回答者が途中で離脱する可能性が高くなります。

途中離脱者が増えると本調査に必要な対象者数が集まらない、という事態も発生してしまいます。負担が増えることで今後アンケートに全く協力してもらえなくなる場合もあるため、調査に関係ない設問は設けないようにします。

【参考】
一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会インターネット調査品質委員会
http://www.jmra-net.or.jp/Portals/0/rule/guideline/20200525_internet_guideline.pdf

対象条件を推測されないようなタイトルにする

本調査の回答者の精度を高くするためにタイトルは本調査に進める条件が推測されないように工夫する必要があります。

例えば「お酒を自宅でよく飲む方への不満調査」という調査タイトルにしてしまうと、タイトルに関係するお酒を自宅で飲むという選択肢を選べば本調査の対象になる可能性が高くなります。
もし調査タイトルから推測して本調査の対象になった対象者がいた場合、欲しいデータが得られなくなる可能性があるため、目的がわからないようなタイトルにする必要があります。
この場合は「飲酒に関するアンケート」というようなタイトルにして本調査に進める条件を推測されないようにしましょう。

回答者が「はい」か「いいえ」のみで回答するアンケートにはしない

例えば「お酒を週に3日以上飲んでいる人」をスクリーニング調査で絞り込みたいときに、「あなたは週に3回以上お酒を飲んでいますか」という設問文にすることは避けましょう。

なぜなら回答者から見ると「はい」と回答すれば本調査に進めると推測できてしまうからです。
この場合は、Q1.お酒を飲むか、Q2.飲む場合どのくらいの頻度で飲酒するか(毎日~月1回程度)、などの設問設計にすると、より的確な回答を得られることができます。


サンプル数を確保できる条件にする

調査の目的によっては、対象者の条件をより細かく設定したい場合もあります。
例えば、毎日コンビニエンスストアでお酒を自分で購入し飲酒する方に聞きたい場合、条件を厳しくしすぎると、本調査の対象者が必要なサンプル数に満たないという事態にもなりかねません。

そのため 「毎日コンビニエンスストアでお酒を購入し飲酒する」という条件をコンビニだけでなくスーパーやディスカウントストアでも可とする、毎日買わなくても、まとめ買いをしている人も対象にする、飲酒の頻度は毎日ではなく週3回以上であれば対象にする、などサンプル数を確保するために条件を広めにする代替案を常に考えておきましょう。

そのためにもスクリーニング設問では、設問をYes/No型だけでなく、段階を細かく聞いておくと後でサンプルを確保しやすくなります。

まとめ

・スクリーニング調査は本調査の絞り込むための調査
・調査に関係のない設問は設けない
・対象条件を推測されないようなタイトルにする
・回答者が「はい」か「いいえ」のみで回答するアンケートにはしない
・サンプル数を確保できる条件にする

以上がスクリーニング調査についての解説になります!実際にインターネットリサーチを利用する際は参考にしていただけると幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。ぜひフォローやスキボタンのクリック、SNS等でのシェアを行っていただければと思います。