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特技「白目」趣味「耳かき」

“特技「白目」趣味「耳かき」”

というのはバナナマンの設楽さんが取材やアンケートでいつも答えていたものです。あまりにも趣味と特技が思い浮かばずそう答えていたらしい。趣味はともかく設楽さんくらい多才な人ならば特技は思いつきそうなものだけどそうでもないのですね。

ずいぶん前に『バナナ炎』というトーク番組で「マグカップ集め」を趣味にしようと決めたけど結局ほとんど集めなかった、と話していました。ファイヤーキングが好きらしくて、いまでもわたしはファイヤーキングのマグカップを見ると設楽さんを思い出します。かわいいですよね。

わたしは設楽さんのナチュラル演技が大好きなので(文庫本を読んでいて電車のつり革を掴みそこねた人の演技とか)ぜひ特技として認定してほしいところですが本人からしたらそこまで言うほどのことでもないのでしょうか。

…書きながら思ったのですが、手押し相撲は絶対に特技ですよね。

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わたしには特技・趣味がありません。

苦し紛れで「趣味は読書です」とよく言っていたのですが全然詳しくないので「どんなのを読むの?」と訊かれたら、恐らくその人が知らないであろう海外の作家の名前を出して会話を無理矢理に終了させていました。

「ポール・セローとかですかね」
「へぇ…」

協調性まるでなし。湊かなえ・伊坂幸太郎・村上春樹あたりは好きだけど怖くて名前を出せません。それほど親しくない人に自分の好きな作家の名前言えますか?心臓を覘かれているような気持ちになりません?

ちなみにポール・セローは短編集を一冊読んだだけなので、もし会話の相手が「おや、奇遇ですね、僕も(私も)好きですよ、とくに○○とその次の××が好きですね、あの時期のセローは実に△△ですよね~」と言ってきたらアウトです。脂汗をかきながら相槌を打つことになるでしょう。

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本も音楽も心から好きだけど、気に入ったものを何度も繰り返し読んだり聴いたりするタイプなので、たくさんの作品を幅広く浴びるように味わうことで愉しみが増したり深くなったりする人と比べると本棚に並んでいる作品数が圧倒的に少ないです。わたしは狭く深くで、理想は広く深くだけどそこまで掘り下げようと思うと疲れちゃうのです。

邦ロックは他も気になるけどストレイテナーばかり聴いてしまうし、アニメはほぼコナンしか観ないし、乃木坂46は大好きだけど欅坂46と日向坂46のことはそれほど知らない。ご飯屋さんも新たに開拓することはあまりせず気に入った店にずっと通ってしまう。

安心できるものが好きなのです。
本も音楽も人も。

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特技を話すのは趣味よりもさらに難しいです。
わたしも許されるならば「白目」と答えたい。「特技」と「長所」は本当になにひとつとして思い浮かばない。

むりやり作るとしたら
1.肌が弱いのでたくさんある化粧水や日焼け止めからすぐに低刺激のものを見つけられる(普通の人では気づけないような小さな刺激も手の甲につけただけでわかる)
2.横綱土俵入りをなぜか完璧にできる(雲竜・不知火どちらも可)
3.そこそこのクオリティの堂本剛さん歌マネができる

うーん。2と3は「やってみて」と言われそうで嫌ですね。1は検証しにくいし、どれもダメですね。

やはり「白目」が正解なのでは?


#エッセイ #設楽さん

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