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死んでしまうからだよ

わたしの一番好きなドラマである『僕の生きる道』に出演されていた大杉漣さんがお亡くなりになりました。
有名人が亡くなって、ショックを受けるという感覚も久しぶりでした。

ここ数日、ドラマの様々なシーンが脳内で再生されます。
例えば、主人公である草彅剛さん(中村秀雄)と結婚することを父親である大杉漣さんに告げる矢田亜希子さん(秋本みどり)に対して、大杉漣さんは
「ちょっと待ってよ。何も結婚することは、ないんじゃないのか?」と結婚に反対します。

この時点で、秀雄はスキルス胃癌により、余命はすでに10カ月を切っていました。父親としては、結婚する娘がすぐに未亡人となってしまうことが、しのびないのです。当然の感情だと思う。
「どうして病気だとダメなの?」
みどりは食い下がります。

普段はとても仲のいい親子なので、口論するこのシーンは、観ていて胸が痛くなります。大杉漣さんは、最終的に、つい、出てしまった言葉という感じで
「死んでしまうからだよ!どうして、死ぬとわかってる男と、結婚するんだ」と言います。

みどりは「死ぬと分かっている男は彼だけじゃない。世の中の男、全員よ」と目を真っ赤にして言い残し、その場から出ていきます。
結局、大杉漣さんは2人の結婚を認めないまま日々を過ごすのですが、秀雄とみどりの2人きりで行う結婚式の最中に、大杉漣さんが教会を訪れて、2人の結婚を認めて祝福するという素晴らしいシーンに繋がります。

このドラマは副題に"have a good die"がテーマになっているのですが、わたしは"生きる"ということもこのドラマに教わったような気がしています。DVDボックスも、ノベライズ本も持っています。今でも何年かに一度見返す、唯一のドラマです。あまりにも早いよなぁ、と思ってみたり、みどりの秀雄に対する想いやセリフを大杉漣さんに置き換えてみたりとか、なんとか気持ちを整理しようとしていますが、まだ難しいです。とにかく、世界の隅っこからだけど、ご冥福をお祈りします。



それではまた。
ありがとうございました。


#日記
#僕の生きる道
#大杉漣 さん

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