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電子書籍市場は今後、伸びる?衰退する?

話題を呼んでいる電子書籍ですが、
今後はどのようになっていくのでしょうか? 

もっと身近な存在となり普及していくのか
あるいは、衰退していき紙の本に戻るのか

私たちは、電子書籍市場は
今後も年々市場規模が大きくなり、普及していく
と考えています。

この記事では、私たちが今後も電子書籍が普及していくと考える理由と、
これからの電子書籍はどのようになっていくのかについて
詳しくご紹介します。

電子書籍市場がこれからどうなっていくか
動向や未来予測を知りたい方は、ぜひ読んでみてください。

電子書籍市場全体で、1年で318億円売上増

2016年のデータになりますが
電子書籍の市場規模について分かりやすい数字データが
ありましたので引用してご紹介します。

インプレス総合研究所の
「電子書籍ビジネス調査報告書2016」によると、
2014年度から2015年度の1年間で、電子書籍市場規模は318億円増加し、
今後も市場は拡大し続け、2020年度には2015年度の1.9倍
となります。


2015年度の電子書籍市場規模は1,584億円と推計され、
2014年度の1,266億円から318億円(25.1%)増加しています。
電子雑誌市場規模(※2)は242億円(対前年比66.9%増)と推計され、
電子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場は1,826億円となりました。

引用元:インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2016」
http://www.impress.co.jp/newsrelease/2016/07/20160727-01.html

私たちの肌感覚でも、電子書籍を読むようになった方が
少しずつ増えており、出版した時の売れる冊数の平均も伸びています。

インプレス総合研究所のデータにもある通り、2020年度を過ぎても
電子書籍市場はどんどん大きくなることが、容易に想像できます。

では、完全に電子書籍のみならずデータに移行していき
紙はなくなってしまうのか、という点について
考えていきたいと思います。

今後、ますますペーパーレス化が進む

いま、出版業界に限らず様々な分野で
ペーパーレス化が進んでいます。

紙でやりとりをするFAXは見なくなりましたし
公共施設でもネットのやり取りで完結する場面が
かなり増えてきました。

このようにペーパーレス化が進んでいるのは
電子書籍に限ったことではありません。

しかし、だからといって
紙の本が完全になくなってしまうこともないでしょう。

たとえば、メールやLINEが普及してハガキや郵便物の数は減りましたが
ハガキや郵便物がなくなったわけではありません。

今なお、使われています。

これと同じように、紙の本は売上は下がりますが
今後も書店で売られ続けますし、無くなることはない
でしょう。

出版コストと販売単価は下がっていく

私たちの予想では、紙の本より電子書籍の方が
売れるようになる
と考えています。

マンガに限らず、ビジネス書・小説・自己啓発書、ハウツー本
など、すべてのジャンルで電子書籍の割合が増えるはずです。

そうなると必然的に、電子書籍が普及するにつれて、
出版コストや販売単価は下がっていく
と予想できます。

そうするとどうなるか、いくつか予想と私たちの考えを
お伝えします。

1,出版コストが下がり手軽に出版できる

現状、電子書籍の表紙や文章、出版のためファイル(ePubファイル)を
制作依頼すると料金がかかります。

紙の本でも表紙を作る際には、デザイナーにお金を払いますし
ブックライターに原稿を書いてもらうには支払います。

それは電子書籍も同じですが、この料金は
電子書籍が普及すれば下がっていきます。

なぜなら、もっと電子書籍を出版したいという人が増えれば
需要が増え、競合サービスが増え、価格競争が起こるからです。

そして、同時に料金は下がるにも関わらず
サービス内容は充実していく
、と予想されます。

たとえば、パソコンが普及し始めた2000年頃は、
1台20万~30万円が普通でした。

しかし今では、当時よりもはるかに高性能なパソコンを
数万円で手に入れることができます。

このことから、電子書籍の普及とともに、
より気軽に電子書籍出版をプロに依頼することができる
環境が整う
ことでしょう。

私たち、電子書籍専門出版社としては、多くの人が
より手軽に高品質な電子書籍を出版できるようになるのは
喜ばしいことだと考えています。

もちろん、安い=良いというわけではありません。

価格競争が起きるほど市場が活発化する未来が、
来るだろうということです。

書籍作成に携わるクリエイターも、
「出せば良い」というわけではなく、
価格に見合う中でも最大限の高いクオリティが求められていきます

つまり出せばいい、という時代は過ぎゆき、
優秀なクリエイターが出版業界を盛り上げる立役者と
なることが予想できます。

著者にとっても、
良いクリエイターと仕事ができる方が
良い作品を世の中に届けることができてメリットは大きい
ものとなります。

私たちはそういう時代を作っていきます。

2,販売単価が下がってしまう

上記のとおり、出版コストが下がり
電子書籍を出版しやすいのは嬉しいことです。

しかし、それと同時に電子書籍の販売単価が
下がってしまう
ことも予想されます。

なぜかと言うと、電子書籍が普及して
出版される部数が増えると、価格競争が起こるからです。

音楽業界が、その先行事例とも言うことができます。

かつてCDが1,000円や3,000円で販売されていたものが
音楽配信サービスの登場で単価が下がり続けています。

無料ダウンロードできる音楽も珍しくなく、 ダウンロードはできずとも
YouTubeで無料公開されている曲も珍しくありません。

電子書籍でも、これと同じことが起こると予想されます。

いまは、紙の本の80%、70%ぐらいの価格で
販売されているのが目安になっていますが、もっと下がるでしょう。

そのため、当然ながら、電子書籍の売上による
印税収入に期待するのは年々難しくなります

電子書籍で収入を稼ぐ方法が変わっていく
3,情報から体験に移行する

では、印税収入に期待できなくなり
電子書籍から収入を得ることは今後できなくなるのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。
もちろん、電子書籍から収入を得る方法はあります。

そのポイントとなるのが

『体験価値』

です。

電子書籍というコンテンツ・情報を楽しんでもらう

という所で紙の本も電子書籍も従来は
完結していました。

ですが、これからはそこから更に進んで

電子書籍の情報をきっかけに
著者との体験を得られる方向にシフトすること

具体的には、電子書籍の売上そのものに期待せず、
電子書籍をきっかけに著者の活動や著者自身について知ってもらう。

という方向に舵を切れた人が
収入を得られるようになります。

情報よりも体験が価値を持つ時代

お伝えした通り、今後は電子書籍の内容である「情報」ではなく、
「体験」が価値を持つ
ようになると予想できます。

これは前述の音楽業界で例えると、
音楽CDやライブDVDの売上は期待せずに、CDやDVDをきっかけに
ライブを見に来てもらうということ。

そして、ファンクラブに入ってもらったり
グッズを買ってもらう、というモデルです。

つまり、音楽や動画という「情報」ではなく、
ライブという「体験」に価値を持ってもらう
ことです。

出版業界の先行事例である音楽業界と同じように
今後は電子書籍も、CDやDVDのような位置づけとして考えるべきだと
考えています。

価値の高い体験=著者と関われること

先ほどのCDやDVDの例を電子書籍に置き換えると、
電子書籍をきっかけに講演会やセミナー、懇親会、個別相談のような
直接会えたり話せたりする機会をつくることが、ライブに相当します。

より近くに感じられる場所を用意する、という
イメージがわかりやすいでしょうか。

私たちもこういった電子書籍で終わらない
その先の体験へとお誘いするプランを作ったことがありますが
これらは利益になるだけでなく、読者さんにさらに満足してもらえます。

読者さんと直接関わりをもつことにより、
電子書籍よりも強くその人の人生をよい方向に変えることができるので
良いことだらけなのが、情報から体験への移行、です。

このように、今後は電子書籍の内容に合わせて、
読者と直接関わりを持つことにより、著者、読者ともに
精神的に豊かになること間違いありません

まとめ

このページでは、電子書籍は今後も普及し続けて出版コストも下がる一方で、
電子書籍の販売単価が下がることが予想されることを紹介しました。

これからの著者は、電子書籍の売上だけに注目するのではなく、
電子書籍をきっかけに読者と直接関わりをもつことが重要になると
予想
しています。

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