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言葉が通じる国にて

一人東京滞在も終盤戦に入った土曜の夜。
都内のお好み焼き屋さんにて、鉄板焼きなどつまみながら、レモン酎ハイを呑んでおりました。
 
お一人様で食事をするとき、電話機を片手に飲んだり食べたりするのができないタチでしてね。
さりげなく人間観察していることが多いです。
香港と違って日本では、他のお客さんの会話が理解できてしまうんですね。
 
その夜、そのお店には、ひときわ声の大きいお客さんがおりまして。
カウンターに座る私の左前方のテーブルに、女性 3人組がいました。
外見と会話の内容から、若いママ友同士と見当がつきます。
3人で会話しているのですが、そのうちの 1人の声がやたら大きくて、イヤでも話が耳に入ってきます。
 
最初に聞こえてきたのは、こんな話題。
男性が女性と映画を観に行ったとき、男性が女性のチケット代を払うべきか否か。
ママ友同士で、なぜそんな話題になるのかは謎ですが。
声の大きい女性(A子とします)が言いました。
A子「そんなのさー、男が払うにきまってんじゃん! でしょー?」
 
私の心の声(ですね。でも、今どきの若い人がそう考えるのは意外かも)
 
A子「でもね、最近の若い子は違うらしいのよー!」
 
(あれ? この人たち何歳くらいなんだ?)
 
あらためて、左前方のテーブルをチラ見します。
どう見ても、20代後半か、高めに見積もっても 30代前半です。
まあでも、彼女たちからすれば、10代などは「最近の若い子」になるのでしょうね。
 
しばらくして、話題が変わったようです。
A子「〇〇ちゃん、ジジセンだよねー」
 
(ジジセン? ジジイ専門のことか)
 
A子「岩城滉一とかならわかるけどねー」
 
(はあ? この人ら、ナニ世代なの? ぜったい 30 前後じゃねーな)
 
A子「えーっ? 北大路欣也? それはないわー!」
 
(ないか。てゆーか、ホントにいくつなんだキミらは・・・)
 
A子「たしかに、若い頃よりジジイになってカッコよくなる人いるねー」
 
(たとえば?)
 
A子「福山とかね」
 
(福山がジジイってヲイ・・・やっぱりキミら 30 前後なのかね)
 
A子「男はいいよねー、歳とってもカッコいい人はカッコいいから」
 
(女だってそういう人いるだろ)
 
A子「女で歳とってきれいな人っていったら・・・大地真央くらい?」
 
(マジで読めねーな、キミらの人選は)
 
A子「中山美穂はダメだよねー、いじっちゃってるから」
 
(いじっちゃってたらダメなのか)
 
A子「中山美穂もさー、いじってなかったら今頃キレイだったと思うなー」
 
(どんなロジックだよ)
 
A子「浅野温子はいいと思う!いじってないから。逆にさー、浅野ゆう子はいじっちゃったからブサイクになったんだよねー」
 
(いじったかいじってないかって話になっちゃってる・・・)
 
ところで、さっきから A子さんがほぼひとりでしゃべってませんか?
むしろ A子さん、私の心の声と対話してませんか?


帰り際、また映画のチケット代の話になったようです。
A子「彼女の映画代くらい出せよって、うちのバカ息子に言っとくねー」

アナタがた、おいくつなのですか!?