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新規投資|ランプ

この度 DNX Ventures(以下、DNX)は、食品小売店や飲食店向けにテイクアウト特化の予約受付・管理システム「テイクイーツ」を提供する株式会社ランプ(以下、ランプ)の総額1.4億円のシードラウンドに出資させていただきました。DNX以外の投資家として、AGキャピタル、90s、三井住友海上キャピタルも同ラウンドに参画しております。

ランプが解決する課題とは?

コロナ禍を経て、フードデリバリーが一般的になったのは周知の事実ですが、店舗で食品を購入し自宅で食べる機会が増加したのも事実です。特に地方では、デリバリー人材の不足や自家用車の所有率の高さもあり、テイクアウトの需要が根強く存在します。
アフターコロナにおいても、都市部のオフィスビル周辺や、商業施設のフードコート、デパ地下、各種大型イベントなど、身の回りには食料品をテイクアウトする場面が依然として多く存在しますが、店舗の混雑による待ち時間の発生や電話での予約が必要といった、テイクアウト利用者にとって不便な事象が存在します。また、店舗側も人手不足が深刻な中、店頭対応や電話応対など、アナログな対応に時間を費やしており、非効率なオペレーションによって潜在的な売上向上の機会を逸している現状があります。
このような課題に対するソリューションが、ランプが提供する「テイクイーツ」です。

ランプが提供する「テイクイーツ」とは?


テイクイーツはリアル店舗で弁当やスイーツ等の食品を販売する店舗に対して、自由にカスタマイズ可能な注文サイトを提供することで、最短即日、かんたんにネットでの事前予約・決済の受付をスタートできるソリューションです。

お客様からの注文をすべて電話や店頭で受け付けている店舗が抱える、業務の非効率性や、聞き間違いによるトラブルを解決するとともに、紙やFAXでのアナログ管理を脱却することで店舗のDXを推進します。また、利用する注文者にとっても、スマホでかんたんに好きな時間に注文し、並ばずに受け取りができるため、店舗と注文者の双方にとって便利で快適な購買体験を実現することが可能です。
現在全国1,500店舗以上で導入されており、これまでの累計注文回数は20万件を超えております。(2024年1月末日時点)


今回投資に至った経緯

弊社が今回、ランプへの投資を決定した理由は、大手チェーンを中心としたトラクション、マーケット、経営者です。

1. 大手チェーンを中心としたトラクション

ランプは小規模な店舗を中心にそのトラクションを拡げてきましたが、足元では全国展開するような大手チェーンからの引き合いが非常に強くなっています。また、大型商業施設や百貨店などからも引き合いがあり、そのプロダクトのレベルの高さとエンプラ顧客における大きなペインの存在を確認できたことが投資の意思決定を後押ししました。

2. マーケット

飲食関連業界は多くのプレイヤーが存在するマーケットですが、テイクアウトという切り口での店舗DXや商業施設、百貨店へのソリューションはまだまだ開拓の余地がある市場だと考えております。また、テイクアウトについては、都市部だけではなく、地方エリア特有の根強いニーズもあり、地方発スタートアップのランプだからこそ解決できるペインがあるものと考えております。

3. 経営者

ランプ創業者の河野CEOは、非常に謙虚で誠実な方で、人を惹きつける魅力のある人です。また、傾聴力があり、貪欲に学んでいく姿勢はこれからの大きな成長を期待させます。地方発のスタートアップとして高い目標を持ち続け、この度弊社と日鉄興和不動産株式会社が共同運営するインキュベーション・オフィス「SPROUND」への入居も決まりました。SPROUNDをランプの東京オフィスとして位置づけ、東京エリアでの更なる人員拡大を目指しています。

ランプ河野CEOからのコメント

今回DNXさんにご投資いただき、仲間になっていただけたことを大変嬉しく思います。SaaS領域で活躍するDNX投資先の起業家からの強い推奨で、ご紹介をいただいたところからのご縁でした。実際投資をいただいてから期間は間もないですがSaaSについての深い知見からクリティカルなアドバイスをいただき、今後の事業成長の解像度がどんどん上がっております。

「テイクアウト」というとコロナ禍での一時的な食習慣と思われがちですが、コロナ前から幅広いシーンで利用されてきた産業です。アフターコロナに向けて、オフィス出社や親族の集まり、友人とのパーティなどの機会増加と比例して需要も増してきております。一方で電話や紙中心の管理でアナログで非効率な業界でもあります。 都心のみならず全国各地の小売店や飲食店のデジタル化を推進するべく、チーム一丸となって全力で課題に向き合っていきます。

ーー 株式会社ランプ 河野 匠

最後に

食品小売りの現場では依然としてアナログ管理が多く、深刻な人材不足の中で店舗DXが急務となっています。同社のソリューションは大手チェーン店からの引き合いも非常に強く、地方発スタートアップのランプだからこそ提供できる価値を日本全国の幅広い店舗に届けています。地方発のランプが、テイクアウトという切り口から日本全国の食品小売り現場のDXを牽引してくれることを期待しております。

(文・新田 修平)

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