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【感想】ライブ直前!富士葵 最新アルバム『THINK YOUR WORLD』に隠されたヒミツ

■はじめに

・富士葵、待望の3rdアルバム

富士葵の最新アルバム『THINK YOUR WORLD』が発売されました。
葵ちゃんのBOOTHにて、2022年のオンラインライブ『CAROL -祝歌- 』が全編収録されたBluRayとセットで販売中です。

【2023.11.17 追記】
ライブ後に各種音楽サイトでの配信も行われました!
デジタル配信ご希望の方は下記からご購入いただけます。

また、11月17日(金)渋谷のSpotify O-EASTにて、ワンマンライブ『Aria』が現地・配信で開催されます。現地チケットは前日16日(木)23:59まで販売中ですので、滑り込み参戦も十分可能です。→当日券も販売されるそうです!
葵ちゃんのライブは特別なルールなどは無いので、お気軽に覗いてみてください。

・このアルバムについて

2023年11月7日、葵ちゃんのYouTube生放送にて完全独立のお知らせを行いました。
5年以上の活動の中で初めて、今後はどこのサポートも無く、自分たちの手で全てを作り上げていく決意を発信しました。この『THINK YOUR WORLD』はサポートを受けて制作した最後のアルバムで、いわば「旅立ちのアルバム」とも言える1枚です。
どんな曲がどんな順番で収録されているのか、ジャケットや冊子の中身はどんな風になっているのか、一つ一つじっくり見て、聴いていきましょう。

※5~10分程度のボリュームです。のんびり読み進めてください。

■本編


アルバムのジャケット

まるで1枚の絵画のようですね。
謎の空間を跨いで、沢山の花や植物の生い茂る場所へ現れた葵ちゃん。
ちょっとビックリした表情をしつつもカメラ目線なのはさすがです。
実はこの表紙には、ちょっとした仕掛けが隠されています。(後で書きます)

続いて、各楽曲について書いていきます。
本編では楽曲ごとに【副題】【感想】【考察】で分けました。

・副題:この曲を一言で表すなら?を自分なりに考えました。
・感想:楽曲を聞いた際の大まかなイメージや曲調、歌詞の内容など。
・考察:楽曲を通じて個人的に感じたことや曲の解釈など。

※あくまで【解説】ではなく【考察】なので「こんなこと考えてるオタクも居るんだな~」と暖かい目で眺めていただければ幸いです。
アルバムを聴きながらだと、より楽しめるかもしれません。
それでは、しばらくお付き合い頂けますと幸いです。

1.Revive the world - 【未来を作るのは君自身!よっしゃいくぞー!!】


作詞・作曲・編曲:Inagi

・感想
アルバムの1曲目を飾るのは、元気で軽快なメロディが心を弾ませる『Revive the world』。タイトルのReviveは、歌詞の引用でいうと「(息を)吹き返す」という意味です。テーマパークの入口で流れていそうな賑やかな管弦楽団の演奏が耳に楽しく、『不思議の国のアリス』の白うさぎに案内されて、奇想天外な夢の世界に身を投じるようなワクワク感があります。
この曲での水先案内人は、うさぎの代わりに葵ちゃんです。新しい世界への一歩を踏み出せずにいる『君』に向かって、「一緒に行こうよ!」と呼びかけているような弾んだ歌声に、自然と駆け出してしまいそうになります。
サビのリズムが特徴的で、助走をつけて思いっきりジャンプをして、息つくまもなくまた助走してジャンプを繰り返す感じが巧みに表現されています。本アルバムには様々な楽曲が収録されていますが、最初にこの『Revive the world』を持ってくることで、聴く人に「素敵な時間になるよ」と語りかけているようにも思えます。

・考察
葵ちゃんは、オリジナル曲ではこれまで3枚のアルバムをリリースしており、それぞれのアルバムの1曲目は、アルバム全体のテーマを反映しているように感じます。
1stアルバム『有機的パレットシンドローム』の1曲目は自身のデビュー曲『はじまりの音』で、葵ちゃんのコンセプトである「キミの心の応援団長」をよく表しています。アルバム全体も「応援」をテーマにした曲が多くあり、活動初期の葵ちゃんをイメージした構成となっています。
2ndアルバム『シンビジウム』は、同タイトルが1曲目に収録されています。これがリリースされたのは、葵ちゃんがデビュー当時からの所属事務所を独立をした後タイミングでした。これまでの明るく元気なイメージから一変、重く絞り出すような曲調は聴く人を驚かせました。他のアルバム曲も、葵ちゃんの孤独や不安、それらを全て飲み込む決意と力強さといった面を描いた曲が多く収録されています。
そして3rdアルバム『THINK YOUR WORLD』は、上記の独立後に技術サポートを受けていたLOGIC&MAGIC社からも旅立ち、完全に個人勢として活動することを報告したタイミングでのリリースとなりました。本アルバムは、同社の音楽レーベルAcroと制作した最後の作品とのことです。それを思いながら『Revive the world』を聴いてみると、旅立ちを決意した葵ちゃんの未来には、数え切れないほどの鮮やかな世界が待ち構えているように感じられます。立ち止まっているヒマなんかない。躓いてもまたすぐに笑顔で夢に向かって駆け出していく。そんな情景が浮かんできます。

2.テイストレス - 【ずっと噛んでるそのガム、お味はいかが?】


作詞:富士葵/作曲・編曲:加藤冴人

・感想
2曲目は葵ちゃんが作詞を担当した『テイストレス』です。周囲に合わせるあまり自分を出さず、変化のない日々を送る主人公を「味のしないガムを噛み続ける私」に例えて歌っています。ただしテーマの割りに全体の曲調は陰鬱なものではなく、パステルカラーの似合うポップでキュートなサウンドに仕上がっています。それに合わせて葵ちゃんの歌声も、Aメロは心の声をなぞるような囁き声で、サビでは意を決したようなハリのある歌声が心地よく響いています。
1曲目の『Revive the world』は、五感を使って外の世界を感じていくようなストーリーでしたが、『テイストレス』は内側にある自分の本心を少しずつ手繰り寄せていくようして進行していきます。アプローチの仕方は真逆だですが、どちらの曲も最後は新しい一歩を踏み出す期待感に溢れており、聴いた後はふっと気持ちが軽くなります。

・考察
葵ちゃんが作詞する曲には、この「周囲の声」に敏感な主人公が多く登場します。周りと比べて落ち込んだり、心のままに変化し進むことへの恐れ。それは、現代に生きる私たちが抱える生き辛さであり、葵ちゃんの周囲や、彼女自身にも言えることなのでしょう。先日の完全独立を宣言した際に、葵ちゃんは「(今までの経験や活動を肯定した上で)これからは、本当にやりたい音楽やエンタメを探していきたいです」と話していました。この先きっと、飾らない等身大の富士葵が生み出す、新しい音楽に出会えるはずでしょう。曲の最後は「ホントの気持ち」という新しいガムを手にして、私たちに向けて「味わってくれるかな」と思いを馳せる心の声で締めくくられています。

3.永遠観測 -【君と僕。世界は永遠で、一瞬で。】


作詞:Soflan Daichi/作曲・編曲:湯原聡史(KEYTONE)

・感想
3曲目の『永遠観測』は、壮大なスケールで愛を歌う、流星のような疾走感あるロックナンバーです。ライブのキラーチューンとなる可能性を十分に秘めたこの曲は、日常のふとした瞬間を、これでもかというほどロマンチックに描いています。「愛」という最小単位の不可解な感情が、科学の法則や、ミクロ/マクロの視点を通じて解釈されていきます。歌詞のルビも「涙《しずく》」「愛しみ《かなしみ》」など、耳だけでなく実際に歌詞を読みながら聴いてほしい作りとなっています。葵ちゃんの歌声も、前の2曲とガラッと変わって非常に情熱的で、カッコイイものとなっています。

4.相関性メモリア - 【目と目を合わせて、歌って踊って笑い合おう!】


作詞・作曲・編曲:加藤冴人

・感想
4曲目は、自然とステップを踏んでしまいそうな陽気なバンドサウンドが楽しい『相関性メモリア』。「メモリア」は、記憶や思い出といった意味のようです。歌詞の「キミとボクとは いつだって笑っていられる」が表すように、歌う葵ちゃんと聴き手の私たちの関係性を、パレードさながら元気いっぱいに奏でています。スウィングのリズムに乗せた葵ちゃんの歌声も「るんたった♪」と高揚しているように聞こえます。歌詞の随所では韻を踏んでおり、歌詞・メロディ・葵ちゃんの歌声が相まって、聴いていて非常に楽しい作りとなっています。ライブで披露されたのなら、客席に向かって手を振る葵ちゃんの姿が目に浮かびます。

5.クリティカルシンキング - 【思い込みは捨てて、髪を踊らせる】


作詞・作曲・編曲:加藤冴人

5曲目は、独特な変拍子のリズムと硬質なメロディが曲の世界観を象る『クリティカルシンキング』。知恵の輪をカチャカチャといじるような「静」の序盤から、パッと思考が拓けるた疾走感ある「動」のサビへの流れがスタイリッシュに展開していきます。こちらは『相関性メモリア』同様、加藤冴人さんの提供曲となっており、韻を踏んだ言葉遊びも健在です。聞く人によって歌詞の解釈が恋愛の歌だったり、もっと別の関係性の歌だったりと様々に別れそうなのも面白いです。

6.雨降るスノードーム - 【あの頃、一緒に居てくれた君へ】


作詞:富士葵/作曲・編曲:加藤冴人

・感想
6曲目は、懐かしさと温かさの中に、ほんの少しの寂しさの色を落とした『雨降るスノードーム』。本アルバムで最もスローテンポなこの曲は、単音のギターと優しいピアノの音色を中心に進んでいきます。作詞は葵ちゃんが担当しており、雨のバス停で偶然行き会った「君」との出会いと、「君」が居なくなったその後を大切に描いています。葵ちゃんの歌声も、もう会えない「君」へと宛てた手紙のような慈しみを感じます。落ちサビからラストにかけて情感たっぷりに歌う様は、思わず涙が出るのを我慢してしまうほどでした。

・考察
葵ちゃんによれば、この曲は最初は恋の歌を目指して作詞されたそうです。ただ、作詞を進める中で紆余曲折を経て、現在の歌詞になりました。恋とは違うけれど、大切な「君」を想う。その感情に名前はなくとも、いつまでも心の中に残り続ける。聴く人によって描く「君」の姿は様々だとは思いますが、葵ちゃんの「君」の中には、かつての葵ちゃんのファンも居るのかな、と感じています。
デビュー当時、葵ちゃんは引退を考えるほど伸び悩んでいた時期がありました。そこから一か八かの歌動画が成功し、企画動画との相乗効果で多くのファンを獲得しました。もう5年も前のことです。それから今まで、葵ちゃんは沢山の挑戦と、変化をしてきました。それは私たちも一緒で、様々な環境や心境の変化から、葵ちゃんを追うことを止めた人も沢山居ます。葵ちゃんはそんな「あの頃、一緒に居てくれた君」に向けて「ありがとう」と何度も歌っているのかもしれません。歌詞の最後にある「藍」はジャパンブルーとも呼ばれ、日本を代表する色なのだそうです。「雲が覆い尽くした憂色の空を たったヒトコトで藍に変えた君」とは、当時の葵ちゃんにエールを送っていた、今はもう居ない名も無きファンの1人だったのかもしれません。

7.キララハル - 【もどかしい2人の距離、春はもうすぐ】


作詞:富士葵/作曲・編曲:加藤冴人

7曲目の『キララハル』は、甘酸っぱい青春の恋模様を描いた、爽やかで透明感の溢れる1曲です。作詞は再び葵ちゃんが担当しますが、まるで恋愛短編を読んでいるようなトキメキ要素がふんだんに盛り込まれています。「好き」の一言が言えないまま、もどかしい毎日を過ごす「僕」。今にも溢れてしまいそうな気持ちが、ピアノのアルペジオに乗せて桜吹雪のように風に舞います。2番は視点が切り替わり、切なくもドラマチックな展開が待ち受けます。葵ちゃんの歌声も、中高生を意識して少しあどけなさを残しつつも、様々な感情を鮮やかに歌い上げています。

8.Coke=High - 【かつての僕なら、迷わず走り出していた】


作詞:キク・ランドリン/作曲・編曲:amazuti

・感想
8曲目は、熱く激しいバンドサウンドが心を揺さぶる『Coke=High』。作詞のキク・ランドリンとはなんとキクノジョーのことで、作詞としては初登場となります。いつからか情熱を燻らせたまま停滞した大人になった自分を、どこか他人事のように眺める日々。思い出すのは、駄菓子屋のニセコーラを飲みながら、真っ直ぐに未来を謳っていたかつての己の残像だった。そんな現在と過去の対比を、葵ちゃんの歌声が、時に吐き捨てるように、時に噛み締めるように、熱を帯びながら歌っています。作編曲のamazutiは楽曲提供も行うバンドグループで、『永遠観測』の湯原聡史さんと同じく音楽制作会社KEYTONEに所属していましたが、2023年に独立をしました。こちらもまたライブで盛り上がること請け合いの1曲です。

・考察
歌い出しにあるカギ括弧つきの『「しぐれてゆくか」』という歌詞は、おそらく、俳人・種田山頭火の俳句『うしろすがたのしぐれてゆくか』の引用でしょう。この句は、かつての希望に満ちた山頭火の少年時代から一転、酒に溺れて漂うように物乞いの旅をする自分自身を自嘲し、軽蔑しながら詠んだ句という解釈があります。果たしてキクノジョーが「こんな僕」と自嘲して書いたのは、いつのことなのでしょう。葵ちゃんに出会う前なのか、一時的に表舞台に出なくなった時なのか、演者としての覚悟を決めてからなのか。本当のところは分かりませんが、「気が抜けてぬるくなった僕」が『テイストレス』の「味のしないガム」と通じるものがあり、1人の人間、1人のクリエイターとしてのキクノジョーの矜持のようなものを感じ取れて個人的に非常に好きな1曲です。

9.キミの声が聞こえる - 【何度だって、キミの声を信じて】


作詞:富士葵/作曲・編曲:加藤冴人

9曲目は、葵ちゃんから応援してくれているファンへと向けたアンサーソング、『キミの声が聞こえる』。前へと進んでいく決意に満ち満ちた、真っ直ぐなロックナンバーです。歌詞の中には葵ちゃんのデビュー曲『はじまりの音』のタイトルがそのまま使われていたり、葵ちゃんとファンとの相関性を綴った言葉がふんだんに盛り込まれています。

・考察
『雨降るスノードーム』が、「昔の葵ちゃんを応援してくれていた人」への追想だとしたら、この『キミの声が聞こえる』は、「今の葵ちゃんを応援してくれている人」に向けた歌のように感じます。何か特別なことをせずとも、葵ちゃんに心を寄せている人には、きっと特別な響きを覚える1曲となっていることでしょう。
アルバムを通しで聴いていると、この辺りから、今までの葵ちゃん達のストーリーをなぞっているようにも聞こえます。停滞した『Coke=High』での燻りを胸に走り出した先には、沢山の応援の声が待っていました。その声を信じて、今日も新しい一歩を踏みしめていく。いつかは終わるけれど、それは今じゃない。長く続いていく旅路、その先にあるのは――。

10.Bouqet - 【いつか、私だけの花束を】


作詞・作曲:松尾真之介/編曲:秋浦智裕

・感想
10曲目は、楽しかったパーティーの最後を盛大に祝うような『Bouquet(読み:ブーケ)』です。シンデレラのようなヒロインではなく、「自分の足で理想の自分を目指すんだ!」というメッセージを、楽しく自信たっぷりに奏でる葵ちゃんの歌声がとても素敵です。ノリの良いブラス主体のオーケストラのメロディに、Aメロには手拍子や掛け声を入れるところがあったりと、ライブ終盤やアンコールにぴったりなイメージです。『Revive the world』を「テーマパークの入口のようだ」と書きましたが、それ準ずるなら『相関性メモリア』はショーやパレードの最中、そしてこの『Bouquet』は、1日楽しんだ後の夜空を照らす花火ショーでしょうか。歩き疲れてクタクタなのに、周りを見れば、七色の花火に照らされた仲間たちの笑顔が見える。そんな温かい情景が浮かんできます。

・考察
――その先にあったのは、両手でも抱えきれないほどの、たくさんの花束だった。
この曲は、完全独立を決心した葵ちゃんが「こんな未来にしたい、こんな私でありたい」と願って制作した曲なのかもしれません。「伝えたい想いが届かない世界」というテーマは『キミの声が聞こえる』にも登場しました。それでも、何度でも立ち上がって進んでいった先には、きっと素敵な景色が待っている。そんな笑顔でいっぱいのハッピーエンドを、葵ちゃんは信じているし、私も信じています。

11.Happy Starry Night - 【君にも、君にも!メリークリスマス!】


作詞・作曲:藤井万利子/編曲:津波幸平

・感想
本アルバム最後の11曲目は、クリスマスムード満点の『Happy Starry Night』です。EDMをベースに、往年のクリスマスソングのテイストを感じる楽しさいっぱいの曲作りとなっています。「幸せや大切なものは、気付かないだけですぐ近くにあるよ」といったメッセージを笑顔いっぱいで歌う葵ちゃんの姿が目に浮かびます。

・考察
この曲は、ボーナストラックのような位置づけなのかなぁ、と思っています。アルバム全体を通じてひとしきりの物語を体験した私たちへのご褒美のような印象を受けました。ただ、11月の葵ちゃんのライブ『Aria』をリアルタイムで体験した人たちには、季節的に特別な思い入れのある曲になることでしょう。葵ちゃんの独立を聞いて、独立後初めてのワンマンライブを体験し、余韻に浸ってたら活動周年日になり、あれよあれよという間にクリスマスです。今年のクリスマスはこの曲を聴きながら「いい1年だったなぁ」となれること請け合いです。

■アルバムを聴き終えて

冊子を閉じると、こんな裏表紙がありました。

ジャケットの裏表紙

葵ちゃんが跨いできた扉(?)と同じものように思えますが、よくよく見てみると、あることに気が付きます。裏表紙の扉の中の景色が、表紙の一部と全く同じ景色なのです。
葵ちゃんの通ってきた扉と同じなのであれば、これは起こりえません。
「一体どういうことだ?」と両方の画像を見比べてみると…。
(※アルバムをお持ちの方は、読む手を止めて確かめてみて下さい)

あっ、

これは、私の視点だ。

――――――――――――――――

  とあるCDを手にふらふら歩いていると、沢山の花や植物が生い茂る不思議な場所を見つけた。足を踏み入れてみると、遠くから「あっ」という声が聞こえてきた。声のする方を見てみると、そこには1人の女の子が、非常口のマークのようなポーズのまま、驚いた表情を浮かべている。

  彼女の名前は、富士葵というらしい。私たちはその不思議な空間で、陽が落ちるまでまで色々な話をした。途中途中で富士葵は、目に付いた花や蝶々を眺めては、歌を歌っていた。綺麗で、芯のある声だな、と思う。彼女の歌はきっと、この世界にいる、誰かのための歌なのだろう。恋をしたり、思い悩んだり、志を胸に進んだり……。
  辺りはすっかり暗くなり、代わりに星の瞬きがよく見えた。そうして富士葵は「そろそろ行かなきゃ」と席を立つ。彼女の視線の先には星空がきらめき、その向こうにはまた別の扉があった。「これも何かの縁だし、見送るよ」と、名残惜しい気持ちを押し込めながら、ゆっくりと階段を登る不思議な女の子に着いていく。

  いよいよ扉のノブに手をかけた富士葵が、振り向きざまにこう言い放った。

「ねぇ、一緒に来ない?」

――――――――――――――――

みたいな、存在しない記憶が一瞬で生成されました。オタクは怖いですね。

いずれにしても、この『THINK YOUR WORLD』は、葵ちゃんと一緒に、色々な世界を巡れる不思議なアイテムなのかもしれません。

この特別な1枚をもとに、本当にもう間もなく、葵ちゃんのワンマンライブが開催されます。現地でも配信でも、とても素敵な時間を過ごせるので、お時間のある方はぜひ参加してみてください。

今回、葵ちゃんたちが気合いを入れて宣伝した効果もあり、「初めて葵ちゃんのライブに行く」という人も多く見受けられました。もしまだ迷っている方が居るのであれば、新しい世界への一歩を踏み出すのは、今かもしれません。

長くなりましたが、私の感想と考察と存在しない記憶は以上でおしまいです。
このアルバムを聴いたり、noteを読んだりして、葵ちゃん自身やライブに興味が湧いた皆さんが、特別で幸せな時間を過ごせることを願っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

2023.11.15
文責:どぅー

【2023.11.17 追記】
SPWNにてライブ配信のアーカイブが上がりました。
視聴期限は【11月24日(土)23:59まで】です。
再生途中でも視聴が中断されてしまうので、お時間に余裕を持っての視聴をおすすめします。

※葵ちゃんが「肩の力を抜いてライブ遊びにきてね~!」言っていましたが、「それはそれとしてライブのサイリウムや演出は知りたい!」という方はこちらもご参考までに読んでみると面白いかもです。


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