「クオリティがヤバい」と噂の『富士葵 非公式ファンサイト』に潜入してみた話
■はじめに
「富士葵 is 誰」
そう思ってGoogle検索をすると、葵ちゃんのYouTubeチャンネル『Aoi ch.』やX(旧Twitter)のアカウントが出てきます。次にWikipediaがあり、葵ちゃんの来歴やイベント出演、楽曲リリース情報などが記載されていました。
情報としてはとても端的で分かりやすいですが、葵ちゃんの性格や「良さ」を知れるかというと、それにはやや味気ないものがあります。もっと富士葵を知れるものはないのか。そう思い検索結果をスクロールしていくと『富士葵オフィシャルコミュニティ』なるものがありました。
かつて葵ちゃんは所属事務所Smarpriseが運営する公式サイトがありましたが、事務所からの独立に際しサイトは終了し、現在は株式会社muevoが運営する外部のオフィシャルファンコミュニティ『あおいんち』が似た役割を担っています。
こちらのサイトは有料となりますが、現在の葵ちゃんの活動日記や裏話のほか、定期開催のオンラインファンミーティングや時季のボイスメッセージ、専用discordへの参加、ライブチケットやグッズの優先販売などの恩恵があります。
相方キクノジョーのブログも併設されており、その知識や文章力の豊かさに驚かされます。ただ、以前の公式サイトほど葵ちゃんの過去の歩みや楽曲情報などは知ることはできず、どちらかといえば、葵ちゃんの「今」と「これから」を一緒に楽しみ、応援したい人に向けたコンテンツとなっています。
そんな中、2023年5月21日に、葵ちゃんの非公式ファンサイト『富士葵Collection』が開設されました。
その名の通り、葵ちゃんのファンによる非公式の応援サイトのようで、紹介文には「富士葵やキクノジョーの情報、公式のお知らせまとめや葵歌劇団の創作物を中心に紹介する非公式FANサイトとなります」と書いてありました。ちょっと面白そう。リンクをクリックしてみます。
(※以降のスクショ画像はサイト内のプライバシーポリシーを確認のうえ、管理人さんに許可を頂いて掲載しています)
リンクぽちー。
え、すご……。
今まで葵ちゃんがリリースした楽曲のMVを背景に、アルバムを眺める葵ちゃんとキクノジョーのイラスト。背景はアニメーションとなっており、葵ちゃんのイラストもふわふわ動いています。オシャレで今風な作りだ。更にスクロールしていく。
おぉ...
おおお...
おおおお…
おおおおお……
なんてこった……
パ、パーフェクトだ..…。
一体どこの誰がこんなサイトを…と思い、最下部の「お問い合わせ先」をクリックすると、管理人さんがどのような思いでこのサイトを立ち上げたのか書いてありました。
めっちゃええ人やん……。
トップページのアルバムを眺める葵ちゃん達は、このサイトのコンセプト「アルバムや日記を見返すよう」をイラストで表現したもののようです。天才か?
ページをスクロールする以外にも、右上にメニューボタンがあるので検索性も高いですね。
上から順に見てみましょう。
■FAN企画レポート
こちらはジャンル毎に、公式のお知らせや葵ちゃんのファンが企画したイベント情報などがまとめてあります。驚くのは単に日時や名称の情報を記載しているだけでなく、一つ一つのページがWebマガジンの特集記事のような形で、多岐にわたってまとめられているところです。
例えば「公式のお知らせ」では、先日開催された葵ちゃんの3rdワンマンライブ『Aria』の記事。開催前はチケット販売情報をメインにした記事でしたが、ライブ開催後は簡単なライブレポートに加え、ファン撮影の現地写真やnoteの感想記事、当日の協力スタッフさんのお名前やセットリストまでもが追加されていました。また、現地周辺の地図や会場内の注意事項、グッズ情報にキービジュアルもまとめられており、トドメにはライブを盛り上げるために葵ちゃん達が行った様々な企画動画や生放送のアーカイブ等のリンクも全て記載されていました。ヤバすぎ。
「周年企画」ではフラワースタンドや大型ビジョンでのお祝い動画など、誰が、どのような方法で行ったのかがまとめられています。こういうノウハウの蓄積があると、次の機会に「やってみようかな…」という人が現れやすいと思います。直近では本日12月4日より、葵ちゃんの活動6周年のお祝い企画のポスターが都内で見られる予定です。
「ファン自主企画」についても、直近では年末の冬コミで葵ちゃん単体を扱うサークルを、サークルカット入りで全て紹介するだけでなく、会場の地図やブースの場所までもが画像入りで記載されていました。こういう情報は葵ちゃん本人からは知ることが出来ないので、めちゃくちゃありがたいですね。また、イベント毎に贈られるフラワースタンドや、街頭広告などの大型企画のことも詳細に書かれており、確かにこれら愛情たっぷりの作品をインターネットの海に放流してしまうのは勿体ないなと感じました。
これ以外にも「ライブ記念企画」や「誕生日企画」など様々なトピックが詳細にまとめられており、何年後かに振り返ったとき「あぁ、こんなことあったな」と、当時の温度感そのままに懐かしむことができそうです。
■富士葵って
https://www.fujiaoifan.com/?page_id=6394
こちらは葵ちゃん及びAoi ch.と関連ある人々のプロフィール等をまとめたページです。普段動画で見る葵ちゃんの衣装のほか、様々なコラボ等での特別衣装もまとめてあるため、葵ちゃんのファンの中でも特に絵師さんやコスプレイヤーさんには非常に助かる作りとなっています。
また、生放送やインタビュー等での発言からまとめた「好きなもの/苦手なもの」の欄も、『富士家はナンプラーが好き(唐揚げの下地に使う)』など、どこよりも詳細に書いてあります。よくよく見てみると、葵ちゃんとの意外な共通点が見つかりそうですね。ファンレターの宛先も郵便番号からしっかりと記載されているので、困ったらここを覗いてみると良いでしょう。
同じページには相方のキクノジョーの欄もあり、葵ちゃんと同じく様々な衣装(形態?)のキクノジョーが紹介されています。葵ちゃんと比べると今はまだ謎に包まれていますが、演者として復活した今後は、沢山のマニアックな情報で溢れかえりそうです。
更にはYouTubeやXにて葵ちゃんとよく絡んでいるVtuberのお友達の紹介もありました。(以下敬称略)ときのそら、燦鳥ノム、ぽこピー(甲賀流忍者ぽんぽこ&おしゃれになりたいピーナッツくん)、おめがシスターズ(おめがレイ&おめがリオ)、YuNi、天神子兎音、樋口楓、キズナアイ、電脳少女シロ、猫宮ひなたなど、仲良くなったきっかけなども交えつつ紹介しています。完全独立に際してコラボにも前向きに挑戦していくそうなので、今後はこのページも更に賑やかになっていきそうですね。
■聖地巡礼
https://www.fujiaoifan.com/?page_id=7375
葵ちゃんの魅力の一つに外ロケ動画があります。こちらのページではこれまで様々なイベントや企画動画で巡った場所のほか、歌動画のMVで使用されつつも明言されていないロケ地などを、ファンの特定班が突き止めたものまで記載されています。いずれもジャンル毎に分けつつ、Googleマップでまとめて探せるようになっています。また、関連動画や各種リンクも記載されているので、遠出のついでに聖地巡礼をしてみたり、葵ちゃんが食べたり購入したものをチェックする際の強い味方となってくれるでしょう。
今までは動画公開やイベントの前後数週間ほどが聖地巡礼のピークでしたが、ふと思い立った時にパっと調べられるのは革新的だと思います。福利厚生がすごい。
■Aoi ch.用語・語録集
とのことです。「クソダサムーブ」「フジーテ」など、葵ちゃんをもっとよく知る上でのフレーバーや、「わらしべコーサカ」「アゴイちゃん」など、内輪ネタになりがちなコアな用語なども記載されています。生放送1分前にコメント欄が「みなっ」で溢れる謎を知りたい方はコチラ。
■葵の楽曲
今まで葵ちゃんがリリース及び外部参加した楽曲たちが、ジャケット画像付きで網羅されています。それだけでなく、各種購入先のリンクやMV動画へのリンクなども完備しており、Wikipediaの超強化版のようなイメージです。
これまで葵ちゃんは複数の音楽レーベルに所属してきたうえ、BOOTHでの個人販売もしてきました。そのため、レーベルを跨いでの画像付きディスコグラフィは存在していませんでした。「葵ちゃんの楽曲を知りたいのに、色んなトコに色んな曲があるやんけー!」という悩みを一網打尽にしてくれるありがたいページです。
■葵のグッズ
葵ちゃんオフィシャルグッズショップ『葵のおみせ in BOOTH』で販売中のものに加えて、外部サイトでのみ取り扱っている商品(公式ファンブック・LINEスタンプなど)もまとめてあります。
こちらもメーカーを横断しての総合情報はなかなか見つけづらかったので、祭壇を飾り付けたいファンには非常に助かります。スパチャ以外にも葵ちゃんに還元できる手段があるのは良いことですね。葵ちゃんたちの倉庫が圧迫されないよう、お財布と相談しながら購入を検討しましょう。
こちらのページでもうひとつ目を引くのが、既に手に入れる手段は無いけれど、過去に販売されていた限定グッズや、イベント会場でのみ頒布されていた限定冊子なども記載されている点です。もはや博物館やアートギャラリーとでもいうような壮観さなので、ぜひ一度目を通してみてください。
■葵の歴史
https://www.fujiaoifan.com/#History
これまでの葵ちゃんの歩みを、主にライブ開催・楽曲リリース・イベント出演を中心に書いています。こちらもまたWikipediaの超強化版で、そのイベントがあった際に周囲ではどんな反応があったのかの簡単な記述や、関連する動画や外部サイトのリンクがあります。
もし学校の授業に「富士葵史《基礎》」があるとすれば、このページを見ておけば82点はいけるでしょう。また、葵ちゃん自身も、過去の思い出を振り返る際にはこれらの話題を挙げることが多い気がします。今まで何となく相づちを打っていた葵ちゃんの話のアレコレを、この機会におさらいしてみるのも面白いと思います。
■関連リンク
もう全部。ぜーんぶ載ってます。各種SNSの葵ちゃんのアカウント、コラボ先のページ、ファン企画のリンクなど、様々な形で葵ちゃんの足跡を辿ることができます。
同じページには、サイトの立ち上げに協力した人たちの名前がズラーっと40名近く並んでおり、イラスト・動画・校正・スケジュールなど、各々が手伝える分野で手を貸しているのが分かります。
ここまで隅々まで見て初めて「こんなに沢山の人が関わっていたんだなぁ」と知ることができました。それは、このファンサイトが特定個人の承認欲求のためでなく、ただひたすらに葵ちゃんと、葵ちゃんを支える人たちのためを想って作られた何よりの証拠でしょう。
へへっ、とんでもねぇサイトを見つけちまったぜ……。
最後に、管理人さんからの協力に関するお願いを載せておきます。
こちらのサイトはファンメイドのため、全てのコンテンツを完全無料で見ることができます。ただし、これだけの情報量を、これだけの精度と頻度でまとめることは並大抵の作業量ではありません。賃金の発生しない状況でここまでやれるのは、同じく並大抵でないモチベーションが必要なはずです。それを支えるのは、葵ちゃん本人以外にも、私たちのアクション・リアクションのような気がします。
余裕のある人は情報提供に協力したり、それが難しくても折に触れてサイトを訪問したり、XなどでURLを引用してポストしたり、マシュマロに感想を送ったりするのも活動の大きな力になることでしょう。
最近葵ちゃんを知った方でも「こないだ葵ちゃんが話してた〇〇という言葉、ちょっと意味が分からないんですけど元ネタってあるんですか?」という疑問をマシュマロに送るなど、知らないからこそ協力できることも沢山あるように思えます。
「非公式」というファンの善意や熱意で成立しているこのサイトを大事に育てていくことは、完全独立した葵ちゃんにとって大きな力になっていくと思います。この記事を書きながら、私自身も何か協力できることは無いかな~と思いを巡らせつつ、こちらのサイトの紹介を締めようと思います。
改めて、このサイトを立ち上げてくれた方と協力してくれた方々に大感謝。
素敵なサイトをありがとうございます!
■終わりに
非公式というのでどんなもんかと覗いてみたら、今までの「こういうのが欲しかった」の決定版のような、噂通りのとんでもないサイトでした。
これを見れば、最近葵ちゃんを知った人や、これから葵ちゃんを知っていく人たちにとって、とても頼りになる存在になりそうです。また、昔からのファンも、当時の思い出を懐かしむことのできる作りとなっています。
「昔からのファン」にしか知りえない思い出というのは、時に新規で入ってきてくれた人たちに疎外感を与えてしまうこともあります。そういった溝が少しでも埋まり、一緒に「今」の葵ちゃんを応援できたら、とっても素敵なことだなと思います。
※本記事はファン主催の企画『富士葵ちゃんと振り返る Advent Calendar 2023』に参加し、寄稿したものです。クリスマスまでの間、葵ちゃんに関する様々な記事が公開予定なのでぜひ読んでみてください。また、記事の提供者としての参加も絶賛受付中です。
「書いてみたい」と思った頃には枠が埋まってしまっている、なんてこともあるので、ちょっとでも興味のある方はぜひ登録だけでもしてみて下さい。書き始めてみると、案外すらすらと行けるもんですし、何より楽しいですよ!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
2023.12.4
文責:どぅー
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