国公立大学の合格発表の日だったらしい。

大学に入るとこれまで見たこともないような人に出会い、少なくとも心のどこかでは「これまでの自分は井の中の蛙だった」などと思うことだろう。だとしたら全く馬鹿げている。

小学校の頃と今とを比べてみて、より大海に近いのは前者だ。九九やかけ算で躓くような他者も（今でこそ流石に習得しているだろうが）含めたものが社会、大海であり、自分より驚くほど優れた奴らが大勢いる環境は井戸でしかない。

どうせ大学を出た後は、院へ行くか行かないかして、それなりに良い会社に入って（少なくとも中卒や高卒よりかはそうだろう）、ますます広い世間から隔たった小さな井戸へと進んでいくのだ。それ自体は仕方がない。だけど、せめて自分が大海ではなく井戸へ進んでいることくらいは自覚しておくべきだろう。