スプラトゥーン2はクソゲー、少なくとも私にとっては

スプラトゥーン2はクソゲー、少なくとも私には

 ふと思い出したので、スプラトゥーン2の感想の話をする。
自分は発売日からしばらく、金モデラーが強すぎる時代くらいまではプレイしていたエンジョイ勢なんだけど、スプラトゥーン2のゲームデザインはいくつかの点で間違っていたと思う。今どうなっているのかは知らないけど、少なくとも当時のバランスでだいぶとおかしかった。

 間違いの一つ目は、敵にキルされるとスペシャルゲージが減少する仕様
 言うまでもなく、有利な側がさらに有利に、不利な側がさらに不利になるルールは良くない。古今東西多くの娯楽や競技がそうであるように、1点取られたら先手をもらえるようなデザインの方が勝負は50:50に近づき、勝ち目のない消化試合から遠ざかる。
 スプラトゥーン2がTSPである以上、キルがお得な行動になるようにデザインするのはたしかに当然なんだけど、それにしても打開のための必殺技まで遠ざけてしまうのは、子どもやライトゲーマー層にもキャラクターを売り込もうとしているスプラトゥーンにはきっと相応しくない。
 キルされて悔しい、リスポーンに時間もかかる、ハデな必殺技も使えない、必殺技が使えないから劣勢を打開するのも難しい……こうもストレスフルな仕様になると、むしろあれを「そういうもの」と受け入れた人こそ、どうしてそう思ったのか聞きたくなるくらいだ。

 二つ目の間違いは、ナワバリバトルの面積
 自分チームのインクで塗った面積を競うナワバリバトルは、初心者向けの基本的なルールとして扱われているものの、実際のところ初心者に格ゲーの厳しさを教え込むような悪いルールだった。
 ナワバリバトルのエリアは自陣、中立地帯、敵陣で大まかに分けられていて、それぞれ敵陣まで乗り込むのはリスクに見合わない(もしくは乗り込むルートがない)。だから自陣を塗ってある程度のポイントを稼ぎつつ、中立地帯を奪い合うことで相手チームとの差をつける……というデザインなんだけど、ポイント源である各エリアが狭すぎた。
 自陣が狭いから中立地帯の奪い合いに参加しないプレイヤーはお荷物扱いだし、中立地帯も狭いから簡単に塗れてしまう。となると優勢チームは残り時間の間、ひたすら敵陣にボムを遠投し、高台から飛び出した相手プレイヤーを鴨撃ちするのが最適行動になってしまう。敵陣を押し込んだからといって、戦線を離れて得点を稼げる余白地帯なんてないのだ。

 ちなみにガチバトル("中級者以上向け"の別ルール)では制限時間の途中でも決着がつく勝利条件があるので、リスポーンした相手を倒し続けるくらいならノックアウト勝利を目指すことが勝利に繋がっている。

 三つ目は、ボムの威力
 戦線を押し切った後、プレイヤーができる最も合理的な選択は敵陣にもインクを撒き散らすことだ。敵陣に乗り込まない/乗り込めない場合、メインブキでは射程が不足することから、塹壕に手榴弾を投げ込むがごとく、ボムを遠投して妨害するのが勝利への真っ当な筋道になる。ここまでは二つ目の間違いの延長なんだけども……。
 なんとこのボム、至近距離で当たると確定1撃で即死する。
 劣勢の中キルされたプレイヤーが、リスポーン地点から駆け足で戦線に復帰しようとしても、中立地帯に乗り込む前に再びキルを取られることがままあるのだ。落ち着いて避けられるプレイヤーには無縁なことなんだろうけど、自分のような平凡なプレイヤーにとってみれば、リスポーン直後に無造作に投げられたボムで即死するのはあまりにも瞬間的なストレスが大きすぎる。

 本当にナワバリバトルはどうかしている。
 逆転を抑制するようなSPゲージの減少に加えて、ランダムマッチングのチーム戦ゆえに制限時間内の降参ができないという慢性的なストレスと、初心者間限定とはいえリスキルが頻発する瞬間的なストレス。
娯楽のためのテレビゲームで怒りを覚えるのもバカらしいから、Amazonレビューに正直な感想を書いて(定価で買ったんだからちゃんとした悪口くらい言う権利はあろう)、それきり一切遊ばなくなった。


改善案

(書かないとバカがうるさいので……)

被キル時のSPゲージ減少をなくす(譲歩案)
 可能ならゲージが溜まる方が、当然ながら、理にかなっている。この点スマブラSPはとてもよく出来ていて、『チャージ切り札』という劣勢側には自動的に切り札を使う権利が与えられる実質的なハンディ機能がオプションで選択できる。

 ここで重要なのは局所的に逆転の"可能性"が与えられるという部分で、自動的で確実に逆転するのではなく、プレイヤーが切り札を当てなければならない(優勢側は切り札を避けることができる)という匙加減がエラい。
 使う側も使われる側も理不尽さを感じず、興奮だけを得られるように調整されている。とてもエラい。

 大局に響かないくらいに威力を押さえるか、或いは試合の最中でも優勢側に得点を加算してしまう(勝敗はほぼ確定するけど、試合の中身自体は逆転が起こる)ようにするか、いずれにせよあからさまに理不尽でない程度に、一方的に嬲り殺される側のストレスと一方的に嬲り殺す側の退屈を軽減するのだ。
 こうすることで二つ目の面積(得点源)の不足によるオーバーキルの推奨問題も改善されるし、抑え込みの局面が減れば無造作ボムで即死する頻度も減って、根本的な問題である瞬間的なストレスもいくらかマシになる……はず。


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