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京急本線普通列車に終点まで乗ってみた-惜別800形

2019年6月中旬、京急電鉄の「だるま」こと800形がついに引退を迎えます。800形は1978年にデビュー。当初は3両編成でデビューしましたが、のちに6両化されて長年に渡って京急のローカル輸送を支えてきました。

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京急の「普通」といえば800形を思い浮かべる人も多いでしょう。京急の普通は、大手私鉄の中でも都心部から郊外へ路線が延びている路線では珍しく、全時間帯で都心部ターミナル駅から郊外の終点駅まで通して走る列車が多数を占めています。

2018年7月15日、京急800形を品川から浦賀まで乗り通す旅に出てみました。ご存じの通り、本線の普通は起点の泉岳寺ではなく品川が始発駅となっています。

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品川駅の下りホームには、2017年4月から列車系統ごとに色分けされた整列乗車位置が設置されました。必ずしも列の前に扉が来るわけではないので、2年が経過した今でも隣の列から乗り込む乗客がチラホラ。また、品川・泉岳寺始発の快特が「緑」、浅草線直通の快特が「赤」で記されているため、そこでも混乱や無意識の割込みが発生しており、今後の改善を期待したいところです。

乗車したのは9時19分発の品川始発浦賀行きです。数を減らしていた800形でしたが、運良く来てくれました。座席が5割ほど埋まる乗客を乗せて定刻通りに発車、性能通りの高加減速を繰り返して鮫洲に到着です。

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ここで最初の優等退避。北総系統の空港線快特、都営5300形に道を譲ります。5300形も5500形登場で今後順次数を減らしていきます。ほどなく鮫洲を発車。次の退避駅は平和島、ここでは本線快特を待ちます。気が付いたら品川からの乗客は半数以上が降りてしまったようです。

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9時38分、京急蒲田に到着。空港線方面に向かう快特の到着を待ちます。この列車も都営運用でした。この快特に乗車すると、京急蒲田で本線普通に乗換えが出来るということで、雑色や六郷土手、京急川崎利用者には便利なダイヤです。

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京急蒲田で乗換え客を受け入れると、すぐに発車。次の退避駅は多摩川を渡って京急川崎です。ここでは優等列車を2本退避します。停車時間は7分。その間に2本目の本線快特、そして羽田空港発のエアポート急行に道を譲ります。

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9時53分に京急川崎を発車して、川崎市を抜けて横浜市に入っていきます。生麦では快特の通過を待ちます。通過待ちはあっという間、2分程度の停車で出発。

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神奈川新町までやってきました。ここでは7分停車します。まずはエアポート急行の待ち合わせ、横浜へ急ぐ乗客を送り込みます。やってきたのは、またもや都営5300形。この日はよく都車に出会いますが、どうやら鮫洲で抜かれた編成が羽田空港で折り返して横浜方面のエアポート急行になったようです。

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神奈川新町では京急川崎に続いて二重退避、本線快特へ道を譲るのはこれで4度目です。10時14分に出発し、中間ターミナルである横浜を越えて南太田までやってきました。

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上りホームにも800形が停車中です。こうして、だるまに囲まれる様子はもう今となっては過去帳入りです。南太田でもエアポート急行、快特の通過を待って10時33分、だるまは動き出します。

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そして、次の退避設備のある上大岡では退避は行われず、そのまま金沢区まで走りぬきます。上大岡では快特とエアポート急行の急急接続が行われるのです。

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後ろの快特は追いついてくるのは金沢八景。八景では5分停車します。後ろの新逗子行きエアポート急行の到着を待たずに出発。逗子線が分岐し、ここからは快特と普通が10分毎に走る路線となります。横須賀中央を過ぎて、本線と久里浜線が分岐する堀ノ内までやってきました。ここで久里浜線へ向かう三崎口行き快特を待ちます。この列車が向かう浦賀方面が本線なのですが、朝ラッシュ時を除いて全て堀ノ内以南は優等列車は走りません。

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久里浜方面へ快特が出発すると、後を追うように浦賀方面に普通が発車します。ここからはもう優等列車に道を譲ることはありません。自分のペースで(?)京急大津、馬堀海岸と停車し、終点浦賀に到着。

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到着したのは11時22分、品川を出発して2時間3分が経過しました。抜かれた、もしくは接続した本線快特は7本。この列車が品川を出発して1時間以上が過ぎた10時28分の快特に乗れば、堀ノ内でこの列車に乗り換えられます。

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おそらく、品川から乗り通した乗客は私だけでしょう。私自身も普通を乗り通したのはこれが初めて。まもなく廃車となる800形だるまを堪能した2時間でした。

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そして世話になった編成は、ほどなく品川方面へ向けて出発していきました。

2018年7月15日

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