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宗教を軸にした国際的錬金術 - 旧統一教会の(営利)関連企業

右翼の大物で、文鮮明教祖や久保木修己氏(日本統一教会初代会長、国際勝共連合初代会長)とも親しかった畑時夫氏(民論社会長)は、教祖を宗教を軸にした国際的錬金術師であると評し、「勝共ということで日本の政治家はだまされた。これが統一教会ということなら、政治家もこれほどまで接近しなかっただろう。」と語ったそうです。

(前略)

勝共連合設立に向け、旧統一教会創立者の文鮮明氏と笹川良一氏、白井為雄氏(児玉誉士夫の代理)、畑時夫氏ら右翼の実力者らは67年、山梨県本栖湖畔(日本船舶新興会(現・日本財団)の研修所)で会合を開いたが、赤尾敏氏(大日本愛国党総裁)らは呼ばれなかった。

赤尾氏はその後、週刊誌で「あんなの(勝共連合)反動的ブルジョア反共運動だ。(略)現体制の擁護じゃないか」と批判した。

(後略)

畑 時夫(はた ときお)

畑 時夫(はた ときお)

憂国運動家。
明治39年生まれ。
大正12年、北海道帝国大学中退。以後、憂国運動家の第一人者として多方面に活躍。
大正13年、日の出新聞社に入社。
昭和2年、無産者新聞社に日本刀をもって切り込み、1年の獄中。
昭和4年より、建国祭の設立を主唱。昭和9年、国防思想普及会を創設。
昭和24年、労農前衛党に入党。
昭和27年、日本工芸株式会社を設立、取締役社長に就任。
平成1年、憂国運動家の理論研究会として「麦の会」を発足。
著書に『我国の経済は大戦に堪え得るか』、『古典のうちに道標あり』、『人間の智恵の歩み』など多数。

設立当初はKCIA等の支援を受け、併合から終戦まで受けた被害を(数万)倍返しするかのように、半世紀以上に渡って日本中から掻き集めた資金も活用しながら、教団は(主に韓国と米国で)多岐にわたる企業コングロマリットを形成しているそうです。教祖の没後、母子喧嘩の果てに三つに分かれたとはいえ、韓鶴子総裁は稀代の大金持ちのようです。


The church’s substantial assets have, over time, included a shipbuilding operation, seafood company, vast real estate holdings including the New Yorker Hotel, The Washington Times and Pyeonghwa Motors in North Korea. Kim Ki-hoon, the Unification Church’s North America chairman, reports that the church owns about a dozen business subsidiaries in the U.S. worth about US$ 1.5 billion. In South Korea, the church-owned conglomerate Tongil Group deals in everything from ginseng to guns. The church’s 13 South Korean subsidiaries represent another US$ 1.6 billion in assets, according to a recent Korean newspaper report and confirmed by Kim.


霊感商法や高額献金に依存してきたためか、韓国や米国と比べると、日本国内の(営利)関連企業群は見劣りしますが、宗教法人が差配するものとしては規模が大きいようです。

売り上げに対して利益が小さい企業が多いので、文化庁と並行して、国税庁も調査を行う価値があるかもしれません。(以前は、タダ同然で働く従業員(献身する信者)に支払う賃金を大幅に水増しして利益を圧縮していたようです。賃金の水増し分は韓国の教会本部へ送られたようです。数十年も前に時効を迎えていますが、脱税です。また、商材の流通にサクラの会(事業団を統括する会)が介在して中抜きを行い、関連企業の原価を大幅に嵩上げしていたようです。)

(営利)関連企業(出典:週刊東洋経済 2022/10/8号)

非上場企業ばかりなので詳しい経営実態はわかりませんが、帝国データバンクや東京商工リサーチが調査・作成した報告書等を閲覧することは可能です。幾つか眺めてみましたが、株主の欄には個人(おそらく国内居住者)が数多く並んでおり、教団や関連団体は見当たりません。各企業の利益を国内や海外の教団や関連団体へ移転する方法は株式配当ではなさそうです。


商 号(株)ハッピーワールド    
所在地 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-19-14ハッピービル
設 立 昭和46年5月
創 業 昭和46年1月
資本金 100,000(千円)
従業員 45人
代表者 岩澤清和
役 員(取)杉田静一,岩田仁一,桑田享祐,井上勇次,大羽辰幸(監)岩瀬浩明,飯塚信男,片山民良(会監人)細井健雄
営業種目 水産物,高麗人参の貿易代行(40.5%),石材の貿易代行(21.4%),不動産賃貸(12.5%)
大株主 自己株式(42.8%),中田欣宏(8.3%),森本達樹(6.5%),社員持株会(5.7%),杉田静一(3.8%)
支店・営業所・工場 〔支社店〕東京都渋谷区神宮前6-19-14神宮前ハッピービル10F〔事業所〕東京都墨田区本所4-19-3本所吾妻橋DJビル8F
仕入先 日本航空,大韓航空,全日本空輸,JR各社,一和,アイディアルワールド,世一観光
販売先 旅行代理店各社,一般顧客,日本活魚


商 号(株)コスモフーズ  
所在地 〒331-0804 埼玉県さいたま市北区土呂町1-46-9
設 立 昭和62年9月
創 業 昭和53年7月
資本金 50,000(千円)
従業員 159人
代表者 北池直
役 員(取)川端史武,奥平喜博,金廷勲,松苗靜枝(監)木戸均,牧野稔
営業種目 ベンダー事業(65%),清涼飲料水製造(35%)
大株主 北池直(24.5%),川端史武(14.5%),高橋昭三(14.0%),奥平喜博(13.6%),坪井隆幸(10%)
支店・営業所・工場 〔工場〕埼玉県児玉郡神川町二ノ宮105〔支社店〕神奈川県横浜市都筑区池辺町3958,大阪府吹田市南吹田3-6-20,東京都足立区鹿浜3-12-12
仕入先 エヌ・アイ・エフ,西武商事,FVジャパン,ダイドードリンコ,ジェーシーボトリング
販売先 FVジャパン,日本キャンパック,ジェーシーボトリング,ポッカサッポロフード&ビバレッジ,南日本酪農協同


「ウコンの力」「iMUSE」製造で稼ぐ統一教会系企業

埼玉県児玉郡神川町。群馬との県境に位置し、田畑が広がる人口約1万3000人の長閑な町に、敷地面積2万平方メートル超の工場が鎮座している。大手メーカーの清涼飲料水の受託生産(OEM)や、自動販売機事業を行う株式会社コスモフーズ(本社・さいたま市)の神川工場である。

実はこの神川工場、知る人ぞ知る、統一教会の“聖地”なのだという。統一教会に詳しいフリーライターの石井謙一郎氏が語る。

「教祖の文鮮明氏もこの地を3度訪れており、信者同士の合同の『約婚式』が行われたこともある。コスモフーズは元々、統一教会系商社『ハッピーワールド』から飲料製造部門が分割され、独立した会社です」

1987年設立の同社は従業員数約200名、近年の年間売上高は約50億円に上る。以前の社名は「日本メッコール」で、この「メッコール」は韓国の統一教会系企業・一和が製造する清涼飲料水の名前である。

埼玉県内の飲料製造業者が語る。

「この地域の同業者の間では、コスモフーズが統一教会系企業であることは有名です。大手飲料メーカーの営業担当の知人が、地方で行われる業界の会合に、コスモフーズの幹部から車で送るように頼まれ、車中で入信の勧誘をされたと話していた。『最初は“生き方”や人としての“正しさ”について説いていた』と」...


週刊文春 2022年9月8日号

教祖・文鮮明氏は現金を持ってくる人間を重宝した


伝道部隊よりも力を持った経済部隊 韓国本部が日本を経済部隊と呼んだ真因

資金調達と信者獲得を同時に満たす宣教方法。こんな統一教会教祖の指示を受けて生み出されたのが霊感商法だった。

北海道大学大学院教授 櫻井 義秀

世界平和統一家庭連合(旧統一教会。以下、統一教会)のグローバルな宣教活動資金のほとんどは日本で調達されてきた。

日本の統一教会の経済活動の萌芽は1960年代、「献身」する青年信者たちが廃品回収や花売りなどの物販をしていたことに始まる。献身とは、無給に近い待遇で活動することだ。

1970年代後半になると、韓国で安く仕入れた朝鮮人参茶や高麗大理石のつぼなどを日本で高く売る商売を始めた。このビジネスを軌道に乗せたのがハッピーワールド社長(当時)の古田元男氏だ。韓国の一和や一信石材といった統一教会系企業から輸入し、全国の系列販売会社が卸売りする商流を構築した。販売員はほぼすべて統一教会信者だった。

古田氏は稼げるビジネスモデルを確立しただけでなく、教団に多額の献金ができる仕組みまでつくった。献身者たちを従業員として雇えば月々の給与は一人数万円で済む。むろん、それでは最低賃金を下回ってしまうため帳簿上は一般企業と同等の給与額を人件費として計上。中抜きした金を韓国の教団本部に送金する原資とするのだ。帳簿上は中抜きされていないので会社の利益は人件費(の差額)分だけ圧縮でき、法人税も最小限に抑えた。

古田氏の名は教団の幹部リストにこそ登場しないが組織内では大幹部扱いだったとされる。

統一教会には初代会長で国際勝共連合の会長も務めた久保木修己氏という人物がいたが、文鮮明氏は政治や宗教の話をしてくる久保木氏より、現金を持ってくる古田氏を重宝した。伝道部隊(久保木)より経済部隊(古田)のほうが上位にいた点に日本の統一教会の特徴がある。

今年7月19日、韓国本部元ナンバー2・郭錠煥氏が会見を開き、日本の統一教会を「経済部隊」と呼んだのは、韓国本部が日本を集金マシンと位置づけてきた経緯を知っているからだ。

1980年代以降、文氏は日本に対し、資金調達のミッションと信者獲得を同時に満たす宜教方法の開発を迫った。生み出されたのが霊感商法だ。

人の哀しみや生活の苦しさを聞き出し、運勢を転換するためと称して高額のつぼや印鑑、多宝塔を買わせる販売方法だ。

それも1回売って終わりとはしない。後日、購入者を霊場と呼ばれるホテル会議室やマンションの一室に呼び出し、霊能師役の信者らが家系の因縁や霊の恐怖を語り、さらなる購入を迫った。これを繰り返すうちに信者にしてしまうのだ。

霊感商法による資金調達と信者獲得は一定の成功を収め、味を占めた韓国の教団本部はさらに日本に送金を迫った。こうして霊感商法は過熱していく。

ところが1990年代後半になると霊感商法への違法判決が相次ぐ。特定商取引法違反で販売会社が摘発される事件も起きた。教団は一般市民を相手に物を売りつける手法を改め、信者にした後で献金を吸い上げる形へと切り替えた。相手が「信者」であれば宗教法人内の話となり、マインドコントロールされた人間がどんなに高額献金をしようと「信教の自由」を前に行政は介入できないからだ。

目下、政府では霊感商法など悪徳商法への対策検討会が開かれている。統一教会の戦略の変遷を踏まえた対策を期待したい。

統一教会系企業は、さすがに今は従業貝に献身はさせていない。懸念するのは、かつて年金にも社会保険にも入れてもらえずに働いていた元献身者の老後だ。生活の苦しい人々が続出するのではないか。


櫻井 義秀(さくらい よしひで)北海道大学大学院教授。1961年山形県生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程中退。共著『統一教会 日本宣教の戦略と韓日祝福』で統一教会の全体像を描く。

週刊東洋経済 2022年10月8日号

真の父母様の願いを受けて数々の重責を担いながらも、一貫して「真の父母様を証す伝道師」に徹して歩んできた古田元男さんは、1992年2月28日、真の父母様から、氏族メシヤ宣布の「日本で第1号」として認定を受けました。






野村農林水産大臣記者会見概要
日時:令和4年11月4日(金曜日)9時19分~9時44分 於:本省7階講堂

輸出促進事業の再委託先について

『旧統一協会の関係で、2018年の輸出促進事業の一環で事業の再委託先が旧統一協会の関連企業だったことについての質問です。採択の基準では、事業を的確にできるかどうかということで判断されたため当時の決定には問題はなかったということで認識、理解しているんですけれども、今後の再発防止策の必要性については、何か対策をとる必要があるのかないのかについては、省としてどのようにお考えなのかというのがまず1点と、また再発防止策が必要である場合は、事業の採択の基準として、宗教との関係性についても検討する項目として盛り込むべきかどうかについてもお伺いできればと思います。』

『今の質問で1点だけ。このTrue World Foodsですか、これ統一協会の関連企業・関連団体と、農水省は認定しているんですか。そういうふうに考えてらっしゃるんでしょうか。』




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